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法律コラム


[知的財産法|2010年8月26日]
弁護士 石井邦尚

インターネットと著作権の基礎(5)-ロイヤリティフリーは著作権フリー?

弁護士 石井邦尚

【ロイヤリティフリーとは】

 「ロイヤリティフリー」とうたった写真や動画などの素材が、CD-ROMやインターネット上で販売されたり、無償で頒布されたりしています。ホームページや会社案内、ポスターなどでこうした素材を利用した経験のある人も少なくないと思います。外部の会社に発注して作成したパンフレットなどにも、実はロイヤリティフリーの素材が使われているかもしれません。
 しかし、「ロイヤリティフリー」という意味をきちんと理解して利用しているでしょうか?
 ロイヤリティフリーというと、著作権が消滅している、あるいは放棄されている、いわば「著作権フリー」という印象を持つ人がいるかもしれません。これは誤りです。

 ロイヤリティ=royalty というのは、特許権使用料や印税など、いわゆるライセンス料のことです。フリー=無料ですから、ロイヤリティフリーとは日本語に訳せば「ライセンス料無料」という意味になります。
 こう言うと、ロイヤリティフリーとして「販売」されている素材集は代金を支払って買っているのだから「フリー」ではない、となりそうですが、一般的には、追加のライセンス料が不要で気軽に利用できる素材集などはロイヤリティフリーと呼ばれています。

 重要なのは、ロイヤリティフリーというのは、あくまでも(追加)ライセンス料が必要かどうかの問題であり、その素材の著作権が放棄されたり譲渡されたりするわけではないということです。著作権は、あくまでも販売会社等が保有し続けているのです。
 そして、販売会社等の著作権者と素材(集)の購入者との間は、「ライセンス契約」の関係になります。購入者は、あくまでも「契約で定められた条件の範囲内で」素材を利用する権利を購入したのであり、著作権そのものを購入したわけではないのです。そして、契約で定められた条件等は、よく見ると、パッケージに記載されていたり、Web上であれば購入画面で表示されたりしているはずです。素材集を購入したからといって、その条件に反する形で素材を利用すれば、著作権法違反になります。
 例えば、筆者の経験では、雑誌の付録CD-ROMに収録された素材で、営利目的の利用は禁止、利用する場合は指定された方法で著作権者の表示をする、といった条件が付されていたものがありました。また、考えてみれば当然のことですが、素材集に含まれている素材を集めて、新たな「素材集」として他人に販売することは、まず間違いなく禁止されています。

 「ロイヤリティフリー」とうたっているものは、多くの場合、かなり広範な利用を認めていますが、あくまでも契約の内容次第のケース・バイ・ケースです。ホームページや会社案内、ポスターなどでロイヤリティフリーの素材を利用しようとする場合は、必ず利用条件(契約条項)を確認するべきです。
 また、時々、ロイヤリティフリーであるのに、「著作権フリー」(著作権の保護期間が過ぎたものや、著作権が放棄されたものをこのように呼ぶことがあります)と誤った表示がされていることがあります。著作権フリーという素材を利用する場合、本当に著作権フリーなのか、単なるロイヤリティフリーの誤記なのかにも注意を払う必要があります。

【フリーウェア、オープンウェアとは】

 ロイヤリティフリーと似たような話で、フリーウェア、オープンソース・ソフトウェアというものがあります。

 フリーウェアも、ロイヤリティフリーの素材と同じように、無料で利用できるソフトウェアというだけで、著作権はあくまでも原作者等が保有しています。したがって、無料で利用することはできますが、特に著作権者が許諾していなければ、勝手にコピーして他人に頒布するようなことはできませんし、改変することもできません(著作権違反になります)。

 オープンソース・ソフトウェアは、フリーウェアよりも、より自由な利用を認めるものです。一般的には、ソースコード(プログラミング言語で書かれた、人間が読める状態のコードのこと)が公開され、それを改変し、再配布することなどができるものを指します。これも「著作権フリー」ではなく、あくまでも契約ベースで一定の利用が認められているものです。しかも、オープンソース・ソフトウェアの利用条件(契約内容)は、様々な形態があります。例えば、改変して作成したソフトウェアもオープンソース・ソフトウェアにしなければならないという条件が付されているものもありますし、このような条件なしに利用できるものもあります。したがって、オープンソース・ソフトウェアを利用する場合は、利用条件(契約内容)を良く確認することが必須です。

 ロイヤリティフリーでも、フリーウェアやオープンウェアでも、漠然と「自由に使える」と捉えている人もいたかもしれませんが、上記の説明のように、あくまでも契約の話であり、契約で定められた条件・範囲を超えれば著作権法違反となることに注意が必要です。

氏名:石井邦尚

生年:1972年生

弁護士登録年・弁護士会:
1999年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1997年東京大学法学部卒業、2003年コロンビア大学ロースクールLL.M.コース修了

得意分野等:
米国留学から帰国後に「挑戦する人(企業)の身近なパートナー」となるべくリーバマン法律事務所を設立、IT関連事業の法務を中心とした企業法務、新設企業・新規事業支援、知的財産などを主に取り扱う。留学経験を活かし、国際的な視点も重視しながら、ビジネスで日々発生する新しい法律問題に積極的に取り組んでいる。

所属事務所:
リーバマン法律事務所 http://www.rbmlaw.jp/

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