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インターネット消費者取引の問題点(4)フラッシュマーケティングについて

テーマ:自社HP・eコマース

2012年6月14日

解説者

弁護士 高橋弘泰

【フラッシュマーケティングとは】

 フラッシュマーケティングとは、商品・サービスの価格を割り引くなどの特典付きのクーポンを、一定数量、期間限定で販売するビジネスモデルで、平成20年ころから登場したと言われています。


 クーポンの発行を希望する店舗等の事業者は、クーポン発行会社との間でクーポン販売に関する契約を締結し、クーポン発行会社は自らのサイト(クーポンサイト)においてクーポンの販売を行います。
 消費者は、クーポンサイトにアクセスし、希望する商品・サービスに係るクーポンを購入します。


 クーポン発行会社と消費者との間のクーポン発行に関する契約は、(1)購入の申込みがあったクーポンの数があらかじめ設定された最低販売数を超え、かつ、当該クーポンの販売期間が終了した場合、又は(2)購入の申込みがあったクーポンの数があらかじめ設定した上限販売数に達した場合に成立します。


 クーポン発行に係る契約が成立した場合、クーポンを購入した消費者は、そのクーポンが店舗への来店時に割引サービスを受けられるものであれば、店舗に来店してクーポンを提示することで、割引サービスを受けることができます。


 フラッシュマーケティングは、「通常価格」などと称する価格と「通常価格」にクーポンの利用による割引率を反映させた価格(割引価格)の両方を表示して、二重価格表示によって高い割引率を訴求するなどして顧客を誘引することをビジネスモデルの基本としています。ただし、二重価格表示が行われていないものもあります。


【景品表示法上の問題点】

 クーポンサイトで、「通常価格」と「割引価格」の二重価格表示が行われている場合において、例えば、クーポンの対象となっている商品・サービスについて、実際には比較対照価格である「通常価格」での販売実績がまったく無いことがあります。その場合は、一般消費者に当該商品・サービスに係る「割引価格」が実際のものよりも著しく有利との誤認を与え、景品表示法上の不当表示として問題となります。


 また、多数のクーポンが発行されている中で、限られた期間内に顧客に訴求するために、実際と異なる表示を行う場合があります。例えば、商品に使用している材料の品質を、実際は人工のものであるにもかかわらず、「天然」などと表示している場合、一般消費者に当該商品が実際のものよりも著しく優良であるとの誤認を与え、景品表示法上の不当表示として問題となります。


【問題となる事例】

  1. (1)クーポンの適用対象となる商品が「通常価格」で販売した実績のない商品であるにもかかわらず、クーポン適用後の「割引価格」を「1,800円」と表示するとともに、「通常価格7,200円、割引率75%OFF、割引額5,400円」などと表示すること。
  2. (2)クーポンの適用対象となる商品について、実際には養殖の鮎を用いた甘露煮であるにもかかわらず、「天然鮎を使った高級甘露煮です。」と表示すること。

【景品表示法上の留意事項】

 店舗等は、クーポンサイトにおいて、クーポンの対象となる商品・サービスに係る二重価格表示を行う場合には、最近相当期間に販売された実績のある同一商品・サービスの価格を比較対照価格に用いるか、比較対照価格がどのような価格であるかを具体的に表示する必要があります。


 店舗等は、クーポンサイトにおいて、クーポンの対象となる商品・サービスの品質、規格等に係る表示を行う場合には、商品・サービスの内容について、実際のもの又は商品・サービスを供給する事業者の競争事業者のものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認されることのないようにする必要があります。


 クーポン発行会社は、自らのクーポンサイトに店舗等の商品・サービスを掲載するに際しては、商品・サービスの自らのクーポンサイト以外での販売の有無等を確認し、販売されていない場合には掲載を取りやめるなど、景品表示法違反を惹起する二重価格表示が行われないようにする必要があります。



氏名:高橋弘泰

生年:1970年生

弁護士登録年・弁護士会:
2009年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1994年東京大学法学部卒業

得意分野等:
東京都に勤務の後、大宮法科大学院に入学し、法曹を目指す。行政事件、刑事事件など公益的な活動に力を入れる一方、民事分野でも敷居が低く利用しやすいと同時に、内容的には決して妥協しない良質な法的サービスの提供に努めていきたいと思います。

所属事務所:
法律事務所フロンティア・ロー http://frontier-omiya.jp/index.html

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