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電子商取引の注意点(3)有料申込みの表示

テーマ:自社HP・eコマース

2012年12月20日

解説者

弁護士 高橋弘泰

 インターネット取引では、購入者が有料のサービスを無料と勘違いして申込みボタンをクリックしてしまうというトラブルが頻発しています。そこで、インターネット通販では、有料申込みについてはその表示について法律の規制があります。


【有料申込みについての規制】

 インターネット通販において、(1)あるボタンをクリックすれば、それが有料の申込みとなることを消費者が容易に認識できるように表示していない場合(申込みとなることの表示)、(2)申込みをする際に、消費者が申込みの内容を容易に確認し、かつ、訂正できるように措置(確認・訂正機会の提供)していない場合には、行政処分の対象となります(特定商取引法14条)。


【具体的な解釈基準】

 消費者庁及び経済産業省は、「顧客の意に反して契約の申込みをさせようとする行為」に係るガイドラインを策定し、以下のような解釈基準を示しています。


【申込みとなることの表示】

 以下のような場合は、一般に、違反行為に該当しないとされています。


  • (1)申込みの最終段階において、「注文内容の確認」といった表題の画面(いわゆる最終確認画面)が必ず表示され、その画面上で「この内容で注文する」といった表示のあるボタンをクリックして初めて申込みになる場合。
  • (2)いわゆる最終確認画面がない場合であっても、以下のような措置が講じられ、最終的な申込みの操作となることが明示されている場合。
    • (a)最終的な申込みにあたるボタンのテキストに「私は上記の商品を購入(注文、申込み)します」と表示されている。
    • (b)最終的な申込みにあたるボタンに近接して「購入(注文、申込み)しますか」との表示があり、ボタンのテキストに「はい」と表示されている。

 以下のような場合は、違反行為に該当するおそれがあります。


  • (1)最終的な申込みにあたるボタン上では、「購入(注文、申込み)」などといった用語ではなく、「送信」などの用語で表示がされており、また、画面上のほかの部分でも「申込み」であることを明らかにする表示がない場合。
  • (2)最終的な申込みにあたるボタンに近接して「プレゼント」と表示されているなど、有償契約の申込みではないとの誤解を招くような表示がなされている場合。

【確認・訂正機会の提供】

 以下の(1)及び(2)の両方を満たしているような場合は、一般に、違反行為に該当しないと考えられています。


  • (1)申込みの最終段階で、以下のいずれかの措置が講じられ、申込み内容を容易に確認できるようになっていること。
    • (a)申込みの最終段階の画面上において、申込み内容が表示される場合。
    • (b)申込みの最終段階の画面上において、申込み内容そのものは表示されていない場合であっても、「注文内容を確認する」といったボタンが用意され、それをクリックすることにより確認できる場合。あるいは、「確認したい場合には、ブラウザの戻るボタンで前のページに戻って下さい」といった説明がなされている場合。
  • (2)(1)により申込み内容を確認した上で、以下のいずれかの措置により、容易に訂正できるようになっていること。
    • (a)申込みの最終段階の画面上において、「変更」「取消」といったボタンが用意され、そのボタンをクリックすることにより訂正ができるようになっている場合。
    • (b)申込みの最終段階の画面上において、「修正したい部分があれば、ブラウザの戻るボタンで前のページに戻って下さい」といった説明がなされている場合。

 以下のような場合は、違反行為に該当するおそれがあります。


  • (1)申込みの最終段階の画面上において、申込み内容が表示されず、これを確認するための手段(「注文内容を確認」などのボタンの設定や、「ブラウザの戻るボタンで前に戻ることができる」旨の説明)も提供されていない場合。
  • (2)申込みの最終段階の画面上において、訂正するための手段(「変更」などのボタンの設定や、「ブラウザの戻るボタンで前に戻ることができる」旨の説明)が提供されていない場合。
  • (3)申込みの内容として、あらかじめ(申込み者が自分で変更しない限りは)、同一商品を複数申し込むように設定してあるなど、一般的には想定されない設定がなされており、よほど注意していない限り、申込み内容を認識しないままに申し込んでしまうようになっている場合。

 インターネットによる商品やサービスの販売を提供する側にとって、上記のような表示の注意点は、購入者からの錯誤や詐欺による取消し(消費者契約法によるものも含む)のリスクを回避するためにも重要ですから、サイト画面構築の際には十分に配慮する必要があるでしょう。


 次回は、いわゆる「ワンクリック請求」において、購入者の側が契約の無効・取消しを主張できる場面について説明したいと思います。



氏名:高橋弘泰

生年:1970年生

弁護士登録年・弁護士会:
2009年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1994年東京大学法学部卒業

得意分野等:
東京都に勤務の後、大宮法科大学院に入学し、法曹を目指す。行政事件、刑事事件など公益的な活動に力を入れる一方、民事分野でも敷居が低く利用しやすいと同時に、内容的には決して妥協しない良質な法的サービスの提供に努めていきたいと思います。

所属事務所:
法律事務所フロンティア・ロー http://frontier-omiya.jp/index.html

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