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インターネット消費者取引の問題点(3)口コミサイトについて

テーマ:自社HP・eコマース

2012年6月 7日

解説者

弁護士 高橋弘泰

 いわゆる「コンプガチャ」商法が違法にあたるとした消費者庁の指針が最近大きなニュースになりました。それ以外にもインターネット消費者取引にはさまざまな問題が含まれています。今回は、いわゆる「口コミサイト」と呼ばれる取引類型について説明します。


【口コミサイトとは】

 口コミサイトとは、人物、企業、商品・サービス等に関する評判や噂といった、いわゆる「口コミ」情報を掲載するインターネット上のサイトのことです。


 口コミサイトとしては、(1)口コミ情報の交換を主な目的とするサイト、(2)旅行情報、グルメ情報、商品情報等を掲載するサイトが、サービスの一環として、旅館、飲食店、商品等に関する口コミ情報を交換するサービスを提供するもの、が代表的です。さらに、(3)ブログなど、個人(有名、無名を問わない。以下、ブログを運営する者を「ブロガー」といいます)が情報を提供するウェブサイトにおいても、ブロガーの「おすすめ商品」などに関する情報提供が行われることがあり、こうしたブログなども口コミサイトの一つに数えることができます。


 ブログについては、特に芸能人など有名人のブロガーによるブログにおいて、「おすすめ商品」などについての関する記事が掲載されることが多くなっています。
 ブロガーにブログサービスを提供している事業者(ブログ事業者)の一部には、商品・サービスの広告宣伝を依頼する事業者(広告主)に対して、ブロガーによる記事執筆を手段とした商品・サービスのプロモーションサービスを提供しているものがあります。ここでは、ブログ事業者は、広告主との契約に基づき、ブロガーに対して当該商品・サービスを提供し、ブロガーは提供された商品・サービスを使用した感想などを書いた紹介記事をブログに掲載します。それらの紹介記事には、通常紹介された商品・サービスを販売するインターネットサイトへのリンクが設けられています。


【景品表示法上の問題点】

 口コミサイトに掲載された口コミ情報は、インターネット上のサービスが一般に普及するに従い、消費者が商品・サービスを選択する際に参考とする情報として影響力を増してきています。
 口コミサイトに掲載される情報は、一般的には、口コミの対象となる商品・サービスを現に購入したり利用したりしている消費者や、当該商品・サービスの購入・利用を検討している消費者によって書き込まれていると考えられます。これを前提とすれば、消費者は口コミ情報の対象となる商品・サービスを自ら供給する者ではないので、消費者による口コミ情報は景品表示法で定義される「表示」(「顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示」景品表示法第2条第4項)には該当せず、景品表示法上の問題が生じることはありません。


 しかし、商品・サービスを提供する事業者が、顧客を誘引する手段として、口コミサイトに口コミ情報を自ら掲載し、又は第三者に依頼して掲載させ、その「口コミ」情報が、その事業者の商品・サービスの内容又は取引条件について、実際のもの又は競争事業者のものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認されるものである場合には、景品表示法上の不当表示として問題となります。


【問題となる事例】

  1. (1)グルメサイトの口コミ情報コーナーにおいて、飲食店を経営する事業者が、自らの飲食店で提供している料理について、実際には近江牛を使用していないにもかかわらず、「めちゃくちゃ美味しい近江牛が食べられます。どれもお肉が柔らかくてとろける♪ 意外とさっぱり食べられるので、全然もたれない。オススメです!!」と、自らの飲食店についての「口コミ」情報として、料理にあたかも近江牛を使用しているかのように表示すること。
  2. (2)商品・サービスを提供する店舗を経営する事業者が、口コミ投稿の代行を行う事業者に依頼し、自己の供給する商品・サービスに関するサイトの口コミ情報コーナーに口コミを多数書き込ませ、口コミサイト上の評価自体を変動させて、もともと口コミサイト上で当該商品・サービスに対する好意的な評価はさほど多くなかったにもかかわらず、提供する商品・サービスの品質その他の内容について、あたかも一般消費者の多数から好意的評価を受けているかのように表示させること。
  3. (3)広告主が、(ブログ事業者を通じて)ブロガーに広告主が供給する商品・サービスを宣伝するブログ記事を執筆するように依頼し、依頼を受けたブロガーに、十分な根拠がないにもかかわらず、「ついにゲットしました。使い続けているうち、ふっくらとハリのある肌に…毛穴が目立たなくなってきたような気がします! 気になる方はコチラ」などと表示させること。

【景品表示法上の留意事項】

 商品・サービスを供給する事業者が、口コミサイトに口コミ情報を自ら掲載し、又は第三者に依頼して掲載させる場合には、事業者は、口コミ情報の対象となった商品・サービスの内容又は取引条件について、実際の商品・サービスを供給する事業者の競争事業者のものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認されることのないようにする必要があります。



氏名:高橋弘泰

生年:1970年生

弁護士登録年・弁護士会:
2009年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1994年東京大学法学部卒業

得意分野等:
東京都に勤務の後、大宮法科大学院に入学し、法曹を目指す。行政事件、刑事事件など公益的な活動に力を入れる一方、民事分野でも敷居が低く利用しやすいと同時に、内容的には決して妥協しない良質な法的サービスの提供に努めていきたいと思います。

所属事務所:
法律事務所フロンティア・ロー http://frontier-omiya.jp/index.html

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