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職場のメンタルヘルス対策(3)ストレス軽減対策

テーマ:メンタルヘルス

2012年1月 5日

解説者

弁護士 高橋弘泰

 前回までは、メンタルヘルス対策と法改正の内容について説明してきましたが、今回はその前提となる、職場における環境改善とストレス軽減対策についてお話したいと思います。


 仕事にストレスはつきものですが、仕事のやりづらさからくるストレスはいたずらに疲労感を増大させ、メンタルヘルスの低下につながり、ひいては生産性の低下や事故にもつながります。


 仕事のストレスについての考え方には、仕事の要求度(仕事量や責任等)と仕事のコントロール(自由度や裁量権)のバランスという観点からストレス度をチェックするもの(コントロールモデル)と、仕事上の努力に見合う報酬が与えられているかどうかという観点からチェックするもの(努力-報酬不均衡モデル)があると言われています。


 とはいっても、目に見えない仕事のストレス対策は、どこから手をつけていいかわかりにくいものです。照明を変えたり、レイアウトを変えるなどの工夫によっても心理的ストレスを軽減することは可能ですし、会議の持ち方、情報の流し方などもストレスに影響を与えます。こうした物理的な職場環境を改善することにより、ストレス軽減を図ることもメンタルヘルス対策の大切な部分です。


【ストレス軽減のための職場環境改善のステップ】

 (以下の説明にあたっては、中央労働災害防止協会作成のパンフレット「職場における心の健康づくり〜労働者の心の健康の保持増進のための指針」を参考にさせていただきました)


1.職場環境の評価

 職場環境の改善にあたっては、まず職場ごとのストレス要因の現状を知る必要があります。管理監督者による日常的な観察や、産業保健スタッフによる職場巡視、労働者からのヒアリング結果なども手掛かりになります。「ストレス判定図」などを用いることにより、職場単位でのストレスを数値化することもできます。


2.環境改善に向けた組織作り

 職場環境の改善を実施するためには、産業医や衛生管理者などの産業保健スタッフだけではなく、改善を実施しようとする職場の責任者の理解と協力が必要です。このためにまず職場環境の評価結果を責任者に説明し、職場環境の改善への協力を依頼します。責任者自身が主体的に関わることが望ましいので、その動機付けができるとよいでしょう。管理職向けに職場環境等の評価と改善に関する教育研修などを実施することが必要になることもあります。こうした関係者で職場環境の改善の企画・推進を行うワーキンググループを組織します。産業保健スタッフと管理職だけでなく人事・労務担当者が参加することも効果的な場合があります。さらに職場ごとの労働者から代表者を選んで参加してもらうとよいでしょう。


3.改善計画の立案

 ストレス調査や職場巡視の結果をもとにして、管理監督者や労働者の意見も聞いたうえで、ストレス要因となっている可能性のある問題をできるだけ具体的にリストアップします。物理的環境、作業内容、職場組織のように分類するのも有用です。リストアップされた問題に対して、労働者参加型のグループ討議などを行い、改善計画を立てます。「職場環境改善のためのヒント集」(メンタルヘルスアクションチェックリスト)やメンタルヘルス改善意識調査票(MIRROR)、快適職場調査などのツールも開発されているので、利用するとよいでしょう。


4.対策の実施

 計画に従い対策を実施します。計画通りに実行されているか、実施上の問題は起きていないかなど進捗状況を定期的に確認します。対策を実施することが労働者に負担になったり、対策が途中で立ち消えになっていたりすることもあるので、対策が円滑に推進されているか継続的に観察する必要があります。


5.改善の効果評価

 改善が完了したら、その効果を評価します。評価には2種類あります。プロセスの評価では、対策が計画通り実施されたかどうか、計画通り実施されていなければ何が障害になったかについて、数値で、あるいは事例などの質的な情報から評価します。アウトカムの評価では、目的となる指標が改善したかどうかに注目します。例えば対策の前後でストレス調査の結果や健康診断の健康情報などを比較する方法があります。職場環境改善が医療費や疾病休業の軽減に効果を示すには数年以上かかるのが通常ですから、効果評価は急ぎすぎず、対策の継続が必要です。


氏名:高橋弘泰

生年:1970年生

弁護士登録年・弁護士会:
2009年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1994年東京大学法学部卒業

得意分野等:
東京都に勤務の後、大宮法科大学院に入学し、法曹を目指す。行政事件、刑事事件など公益的な活動に力を入れる一方、民事分野でも敷居が低く利用しやすいと同時に、内容的には決して妥協しない良質な法的サービスの提供に努めていきたいと思います。

所属事務所:
法律事務所フロンティア・ロー http://frontier-omiya.jp/index.html

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