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法律コラム


[取引・債権回収|2009年9月10日]
弁護士 宮武洋吉

債権回収(3)〜取引先の倒産の場合〜

弁護士 宮武洋吉

1.破産手続

 (1)破産手続は、債務者が支払不能または債務超過にある場合に、その財産を清算して、債権者などに適正公平に分配する手続です。
 債務者または債権者は、債務者が支払不能または債務超過にある場合、破産手続開始の申立てをすることができます。
 裁判所は、申立てが相当な場合には破産手続開始の決定をします。
 その結果、破産者が破産手続開始のときに有していた一切の財産は原則として破産財団となり、裁判所から選任された破産管財人が、破産財団を構成する財産を売却するなどしてお金に換え、債権者に配当することになります。

 (2)債務者が破産をすると、債務者に対する売掛金債権や貸金債権など、破産手続開始前の原因によって発生した財産上の請求権は、破産債権として、破産手続によらなければ、債権の行使をすることができなくなります。

 (3)破産債権は、以下のプロセスを経て債権の回収(配当)がなされます。

  • 債権届出:債権者は、裁判所から送付される債権届出書に必要事項を記載して、証拠書類とともに債権届出期間内に裁判所に提出します。
  • 債権確定:管財人・裁判所は、届出の内容を調査し、破産債権の内容や金額を確定します。
  • 破産財団の管理・換価:管財人は、破産財団の内容を調査してその内容等を確定するとともに、財団を構成する財産を売却するなどして換価(お金に換える)します。
  • 配当:債権者に対し、換価して得られたお金を配当します。配当の金額は、各債権者の債権の金額に比例して按分したものとなります。

 (4)最高裁判所の統計によれば、平成19年に終了した破産事件157,845件のうち、配当があった事件は9,387件(約5.9%)にとどまっています。このようにほとんどの事件が一般の債権者には配当されずに終了しています。

 (5)別除権(抵当権等)
 特別の先取特権、質権または抵当権の担保権は、別除権として、破産手続によらないで行使することができます。したがって、これらの担保権を有する債権者は、破産開始決定後も、担保権を実行して債権の回収を図ることができます。担保権を実行しても債権の全額を回収することができなかった場合には、その回収できなかった部分の債権は破産債権となり、破産手続によらなければ行使することができません。

 商事留置権は、破産財団に対しては特別の先取特権とみなされ、別除権として権利行使ができます。ただし、民法その他の法律の規定による他の特別の先取特権には後れた効力しか認められていません。
 商事留置権は、例えば以下の場合に認められています。

  • 商法521条:商行為によって自己の占有に属した債務者の所有する物又は有価証券
  • 商法562条:運送取扱業者の運送品に対する留置権

2.民事再生手続

 (1)債務者が民事再生手続開始の申立てをし、裁判所が再生手続開始決定を行うと、再生債務者に対して再生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権は、再生債権として、再生手続開始後は、再生手続で決定された再生計画に従わなければ弁済を受けることができません。

 (2)再生債務者の財産の上にある特別の先取特権、質権、抵当権または商事留置権を有する債権者は、その目的である財産について別除権が認められ、再生手続によらないで行使することができます。

3.会社更生手続

 (1)債務者が株式会社で、更生手続開始の申立てをし、裁判所が更生手続開始決定を行うと、管財人が選任され、管財人は、裁判所の監督のもと、更生会社の事業の経営等を行うとともに、更生会社の更生計画を作成して裁判所に提出します。

 更生会社に対して更生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権は更生債権となり、更生手続開始後は、原則として、更生計画の定めるところによらなければ弁済を受けることができなくなります。

 (2)更生手続が開始した当時、更生会社の財産について存する特別の先取特権、質権、抵当権及び商事留置権の被担保債権で、更生手続開始前の原因に基づいて生じたものは、更生担保権となり、更生手続開始後は、原則として、更生計画の定めるところによらなければ弁済を受けることができなくなります。

4.まとめ

 以上のとおり、担保権を有しない一般の債権者は、取引先が倒産した場合には、それぞれの手続に従わなければ債権回収することができず、一般に、その回収は非常に困難なものとなります。
 会社が倒産した際の抵当権等の担保権の扱いについては、破産手続・再生手続と更生手続では異なっています(下表参照)。

  破産手続
(破産法)
再生手続
(民事再生法)
更生手続(会社更生法)
特別の先取特権
質権
抵当権
商事留置権
別除権
破産手続によらないで行使することができる
別除権
再生手続によらないで行使することができる
更生計画の定めるところによらなければ弁済を受けることができない

(2009年9月作成)

氏名:宮武洋吉(みやたけ ようきち)

生年:1966年生

弁護士登録年・弁護士会:
1999年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
東京大学法学部卒業

得意分野等:
交通事故、マンション管理、親族・相続・後見等。最近は、損害保険代理店と連携しつつ中小企業のリスク管理に関与する場面も増加している。

所属事務所:
立川北法律事務所

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