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解雇の法律問題(2)

テーマ:解雇・退職

2010年1月28日

解説者

弁護士 宮武洋吉

【総論】

 解雇が有効となるためには、以下の全ての要件を満たしていることが必要です。


  1. 就業規則等の解雇事由に該当すること
  2. 就業規則等に定める解雇手続を行うこと
  3. 労働基準法に規定された解雇予告手続を行うこと
  4. 法律上解雇が禁止・制限されている場合に当たらないこと(前回コラム参照
  5. 解雇を相当とする理由

 以下、順を追ってご説明します。


1.就業規則等の解雇事由に該当すること

  1. 常時10人以上の労働者を使用する事業場では就業規則を作成する義務があります。就業規則に記載するべき事項は労働基準法89条に定められており、解雇の事由を記載すべきことも規定されています(3号)。
     また、労働者を採用する際に明示するべき労働条件にも、解雇の事由を記載すべきとされています(労働基準法施行規則5条1項4号)。
     もっとも、普通解雇の場合、就業規則等で定められた解雇事由は例示列挙であると解されており、就業規則等で明示された事由以外の場合でも、その他の要件を満たせば解雇は有効であると考えられています。
  2. これに対し、懲戒解雇の場合、どのような場合に懲戒解雇とするかという解雇事由は限定列挙であると考えられていることから、懲戒の理由となる事由やこれに対する懲戒の種類・程度は就業規則に明記しなければなりません。

2.就業規則等に定める解雇手続を行うこと

 就業規則等に解雇を行うための手続を規定している場合には、その規定に従った手続によって解雇を行わなければなりません。


3.労働基準法に規定された解雇予告手続を行うこと

  1. 労働基準法20条は、労働者を解雇する場合には30日前にその予告をするか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならない、と定めています。
     天変地異その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合には、上記の義務はありませんが、所轄の労働基準監督署長の認定を受けなければなりません(同条3項)。
  2. 懲戒解雇の場合、通常は解雇予告期間をおかず(即時解雇)、解雇予告手当も支給しませんが、この場合も、所轄の労働基準監督署長の認定を受けなければなりません。

4.法律上解雇が禁止・制限されている場合に当たらないこと

 この要件については前回のコラムを参照してください。


5.解雇を相当とする理由

  1. 平成20年に施行された労働契約法16条は、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と定めています。
     これは、従来の解雇に関する判例が作り上げてきた基準を法律上も明示したものです。「相当な理由」とは、事案を総合的に検討した結果、普通誰が見ても解雇はやむを得ないと考えられるような理由、ということです。具体的事案の検討については、過去の判例を参照しながら行う必要がありますので、弁護士に相談することをお勧めします。
  2. 勤務成績・勤務態度不良による解雇 一例として、勤務成績・勤務態度不良による解雇が有効となるための事由について述べます。勤務成績や勤務態度が著しく劣っており、このまま雇用を続けることが困難な場合には普通解雇も有効です。ただし、この場合でも、上司等が放任や黙認をしないで、改善のための指導や注意を再三行ったにもかかわらず、改善の見込みがない、という事由が認められることが必要です。
  3. 懲戒解雇の場合は、労働者の行為が悪質であり、その労働者を企業外に排除しなければ企業の秩序を維持できない程度のものであることが必要です。

氏名:宮武洋吉(みやたけ ようきち)

生年:1966年生

弁護士登録年・弁護士会:
1999年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
東京大学法学部卒業

得意分野等:
交通事故、マンション管理、親族・相続・後見等。最近は、損害保険代理店と連携しつつ中小企業のリスク管理に関与する場面も増加している。

所属事務所:
立川北法律事務所

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