本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

トップページ  >  経営をよくする  >  法律コラム

特集一覧 中小企業に役立つ記事や施策をトピックスごとにまとめています。

不正競争防止法とは(2)誤認行為について

テーマ:宣伝・販促

2011年9月29日

解説者

弁護士 高橋弘泰

 今回は、不正競争防止法の規制する不正競争のうち、主に「誤認行為」(類似の商法や紛らわしい商法を用いる行為)について説明します。その前に、他の法律でも誤認行為に対する規制はありますので、全体像を簡単に見ておきます。


【誤認行為の態様】

 まず会社法・商法では、「不正の目的をもって」、他の会社(商人)であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用することを禁止しています(会社法8条1項、商法12条1項)。
 この誤認行為をなす者に対しては、それにより「営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある」会社(商人)が、侵害の停止または予防を請求することができます(会社法8条2項、商法12条2項)。


 次に、商標法では、登録された商標の商標権を侵害する行為を広く禁止しています(商標法37条)。商標権を侵害する誤認行為をなす者に対しては、商標権者は、差止請求、損害賠償請求、信用回復請求などをすることができます。


 そして、不正競争防止法では、誤認行為の態様を制限列挙して、規制の対象としていますが、おおむね(1)出所混同惹起行為、(2)著名表示冒用行為、(3)商品形態模倣行為に大別されます。
 以下にこれら個別の誤認行為について説明します。


【出所混同惹起行為とは】

 出所混同惹起行為(不正競争防止法2条1項1号)とは、他人の商品等の表示として需要者の間に広く認識されているものと同一もしくは類似の商品等の表示を使用したり、商品の譲渡、展示、輸出、輸入等を行うことをいいます。
 たとえばA社が「X」という人気商品を販売しているとき、B社が「X´」という名称の同種商品を販売し始めたケースがこれにあたります。
 A社が「X」について商標登録していれば、商標法上の請求ができますが、登録が未了の場合にこれが使えるわけです。


 ただし、これが認められるためには、「X」という名称が「需要者の間に広く認識されている」こと(いわゆる周知性の要件)が必要になります。
 また、これは商標法でもいえることですが、何が「同一もしくは類似」の表示にあたるかの判断は、しばしば微妙であるため、専門的な知識が必要になることが多いです。


【著名表示冒用行為とは】

 著名表示冒用行為(不正競争防止法2条1項2号)とは、他人の著名な商品等の表示と同一もしくは類似のものを、自己の商品等の表示として使用、譲渡等することをいいます。
 出所混同惹起行為との違いは、同種の商品である必要がないということです。商品の表示がもつ顧客吸引力にただ乗りすることを防止するのが規制の目的です。


 適用範囲が広いために、商品等の表示については、1号でいう「需要者の間に広く認識されている」というだけでは足りず、「著名」であること、すなわち、全国的に相当広範囲でよく知られている表示であることが要求されます。たとえば、あからさまな例ですが、「ディズニーランド」というスーパーマーケットを経営する行為はこれにあたるでしょう。


【商品形態模倣行為とは】

 商品形態模倣行為(不正競争防止法2条1項3号)とは、他人の商品の形態を模倣した商品を譲渡、貸与、展示、輸出入する行為をいいます。
 「模倣」とは、すでに存在する他人の商品の形態をまねてこれと同一または実質的に同一の形態の商品をつくり出すことをいいます。
 たとえば、A社がたまご型の携帯ゲーム機を発売したところ、B社がそれとそっくりの形態の商品を発売したような場合がこれにあたります。


 この条文が設けられたのは、いわゆるデッドコピーを規制することが主な目的であり、周知性の要件は必要ありません。
 ですから、A社の製品が発売直後で、まだ需要者の間で広く知られていない場合には、これを使うことができます。
 ただし、この規制には期間制限があり、「日本国内において最初に販売された日から起算して3年」を経過すると使えなくなるので注意が必要です。


 また、模倣商品を譲り受けた者が、譲り受け時に模倣商品であることを知らず、かつ、知らないことについて重過失がない場合には使えません。この場合の「重過失」の有無は、取引上当然払うべき通常の注意義務を尽くしてもなお模倣の事実を容易に知りえたかどうかによって判断されます。


氏名:高橋弘泰

生年:1970年生

弁護士登録年・弁護士会:
2009年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1994年東京大学法学部卒業

得意分野等:
東京都に勤務の後、大宮法科大学院に入学し、法曹を目指す。行政事件、刑事事件など公益的な活動に力を入れる一方、民事分野でも敷居が低く利用しやすいと同時に、内容的には決して妥協しない良質な法的サービスの提供に努めていきたいと思います。

所属事務所:
法律事務所フロンティア・ロー http://frontier-omiya.jp/index.html

同テーマの記事を見る 3つのコンテンツから検索ができます!

このページの先頭へ

このページの先頭へ