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下請法の基礎知識(2)対象となる取引の内容

テーマ:契約・取引

2011年8月11日

解説者

弁護士 高橋弘泰

 前回に続き、今回は下請法における、規制の対象となる取引内容について具体的に説明していきます。


【製造委託】

 製造とは、原材料である物品に一定の工作を加えて新たな物品を作り出すことをいい、加工とは、原材料である物品に一定の工作を加えることにより一定の価値を付加することをいいます。ですから印刷業も製造委託の対象です。


 製造委託は次の4つのタイプに分類されます。


  1. 物品の販売を行っている事業者が、その物品や部品などの製造を他の事業者に委託する場合。例として、自動車メーカーが、自動車の部品製造を部品のメーカーに委託する場合や、電機メーカーが、電気製品の部品製造に必要な金型製造を金型メーカーに委託する場合が挙げられます。
  2. 物品の製造を請け負っている事業者が、その物品や部品などの製造を他の事業者に委託する場合。例として、精密機器メーカーが、受注生産する精密機械に用いる部品の製造を部品メーカーに委託する場合が挙げられます。
  3. 物品の修理を行っている事業者が、その物品の修理に必要な部品又は原材料の製造を他の事業者に委託する場合。これには、他の事業者から修理を依頼される場合の外、自社の工場の機械等を自ら修理している場合も含まれます。例としては、電機メーカーが、販売した製品の修理用部品の製造を部品メーカーに委託する場合があります。
  4. 自社で使用する物品を社内製造している事業者が、その物品や部品などの製造を他の事業者に委託する場合。例として、製品運送用の梱包材を自社で製造している精密機器メーカーが、その梱包材の製造を資材メーカーに委託する場合などがあります。

【修理委託】

 修理とは、元来の機能を失った物品に一定の工作を加え、元来の機能を回復させることをいいます。「機能の回復」という点で、「点検」や「メンテナンス」とは異なります。


修理委託には次の2つのタイプがあります。


  1. 物品の修理を業として請け負っている事業者が、修理行為の全部または一部を他の事業者に委託する場合。この例としては、自動車のディーラーが、請け負った自動車の修理作業を修理会社に委託する場合が挙げられます。
  2. 自社で使用する物品の自社で修理している事業者が、その物品の修理行為の一部を他の事業者に委託する場合。例として、自社工場の設備等を社内で修理している工作機器メーカーが、その設備の修理作業を修理会社に委託する場合があります。

【情報成果物委託】

 情報成果物とは、(1)TVゲームソフトのようなプログラム、(2)アニメや映画、放送番組のような映像又は音声その他の音響により構成されるもの、(3)設計図やポスターのデザインのような、文字・図形。記号の結合又はこれらと色彩との結合により構成されるもの、をいいます。


 情報成果物委託には次の3つのタイプがあります。


  1. 情報成果物を業として提供している事業者が、その情報成果物の作成行為の全部または一部を他の事業者に委託する場合。この例としては、ソフトウェアのメーカーが、アプリケーション・ソフト等の開発を別のソフトウェア・メーカーに委託する場合が挙げられます。
  2. 情報成果物の作成を業として請け負っている事業者が、その情報成果物の作成行為の全部または一部を他の事業者に委託する場合。この例としては、広告会社が、クライアントから受注したCM制作を他のCM制作会社に委託する場合が挙げられます。
  3. 自社で使用する情報成果物の作成を業として行っている事業者が、その作成行為の全部または一部を他の事業者に委託する場合。例として、家電メーカーが、社内の部門で作成する自社用経理ソフトの作成を、ソフトウェア・メーカーに委託する場合が挙げられます。

【役務提供委託】

 役務提供委託とは、請け負った役務を再委託することをいいます。
 具体的には、役務の提供を業として行っている事業者が、その提供行為の全部または一部を他の事業者に委託することです。
 例としては、自動車メーカーが、販売した自動車の保証期間内のメンテナンス作業を自動車整備会社に委託する場合や、貨物運送業者が、請け負った貨物運送業務のうち一部の経路につき業務を委託する場合などです。


 ここで、建設業の下請は、前回のコラムで述べたように、別に建設業法の規制があるため対象となりません。また、委託事業者が自ら利用する役務は含まれません。例えば、荷主から貨物運送の委託のみを請け負っており、貨物の梱包作業の委託は請け負っていないが、自らの運送作業に必要なために梱包作業を他の事業者に委託に出す場合、この梱包作業を他の事業者に委託する部分については下請法上の「役務提供委託」にはあたらないとされています。


氏名:高橋弘泰

生年:1970年生

弁護士登録年・弁護士会:
2009年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1994年東京大学法学部卒業

得意分野等:
東京都に勤務の後、大宮法科大学院に入学し、法曹を目指す。行政事件、刑事事件など公益的な活動に力を入れる一方、民事分野でも敷居が低く利用しやすいと同時に、内容的には決して妥協しない良質な法的サービスの提供に努めていきたいと思います。

所属事務所:
法律事務所フロンティア・ロー http://frontier-omiya.jp/index.html

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