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反社会的勢力との関係遮断(2)

テーマ:企業統制・リスク管理

2011年6月23日

解説者

弁護士 石井邦尚

【反社会的勢力への対応の考え方】

 前回は、反社会的勢力への対応についての、次の5つの基本原則のうち、(1)と(2)を解説しました。今回は(3)以下について説明します。


  • (1)組織としての対応
  • (2)外部専門機関との連携
  • (3)取引を含めた一切の関係遮断
  • (4)有事における民事と刑事の法的対応
  • (5)裏取引や資金提供の禁止

【取引を含めた一切の関係遮断】

 反社会的勢力は、必ずしも最初から不当な要求をしてくるわけではありません。機関誌の購読を求めてくるなどの他、当事者が反社会的勢力でなければ何ら問題のない、一般的な取引を求めたり勧誘したりしてくるというのもよくあることです。


 このような、通常の、一見すると平穏な取引であっても、反社会的勢力とは一切取引をするべきではありません。前回も述べましたが、通常の取引であっても、それは反社会的勢力に資金を提供するのと同じことです。さらに、当初は平穏であっても、何らかの弱みを握られるなどして、いつ不当な要求を開始するかわかりません。


 とはいえ、通常の取引を勧誘されたような場合、会社としては反社会的勢力と知らずに取引をしてしまうということもあり得るでしょう。その場合は、反社会的勢力であることが判明した段階で、直ちに関係を断ち切ることが大切です。具体的な予防策や対処法については後ほどあらためて解説しますが、その際には、(2)外部専門機関と連携しながら、(1)組織として断固とした態度で対応することが必要になります。反社会的勢力と知った後も取引を継続していては、反社会的勢力の「協力者」などと言われても反論ができなくなってしまいます。


【有事における民事と刑事の法的対応、裏取引や資金提供の禁止】

 実際に反社会的勢力から不当要求がなされるなどの有事の際には、民事・刑事を含めた、あらゆる法的対抗手段を講ずることを検討しなければなりません。


 例えば、問題を表に出したくないなどという理由で刑事事件とすることをためらうといったことは、あってはなりません。ましてや、不祥事を表に出さないために、民事も刑事も法的対応を行わないなどということがあっては、ますます反社会的勢力につけ込まれてしまいます。仮に不祥事があったならば、それを開示することも含め、不当要求とは切り離してきちんと処理し、あくまでも不当要求は拒否しなければなりません。


 また、不当要求に対して裏取引や反社会的勢力への資金提供などで問題を解決した場合、それ自体につけ込まれて、反社会的勢力からの不当な要求が継続していくというリスクが非常に高くなります。裏取引や資金提供は、まさに反社会的勢力が組織を維持し、不当な活動を継続するための資金源を提供する行為であり、強い社会的非難を浴びます。そのことを逆手にとって、一度、裏取引や資金提供をしてしまえば、反社会的勢力は「裏取引・資金提供を公表するぞ」などと脅してくることは目に見えています。


【日頃からの備えの大切さ】

 有事の際に組織的な対応をするためには、日頃から反社会的勢力に対する会社としての方針を明確にしておくことが大切です。内部規定を適切に定めておくことなども検討すべきです。


 また、反社会的勢力と知らなくても、いったん取引を開始してしまうと、関係を断ち切るためには多大な労力が必要となる可能性があります。日頃から警察などの関係機関との連携を密にするなどして情報を収集したり、新たな取引先については、反社会的勢力に関係していないかという観点からの調査も行うなどして、できるだけ知らないまま取引を開始することがないよう注意が必要です。さらに、万が一、反社会的勢力と取引を開始してしまった場合に備え、契約書に「暴力団排除条項」「反社会的勢力排除条項」と呼ばれる条項を入れておくことなども有効と考えられます。次回、こうした契約上の工夫などについて解説します。


氏名:石井邦尚

生年:1972年生

弁護士登録年・弁護士会:
1999年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1997年東京大学法学部卒業、2003年コロンビア大学ロースクールLL.M.コース修了

得意分野等:
米国留学から帰国後に「挑戦する人(企業)の身近なパートナー」となるべくリーバマン法律事務所を設立、IT関連事業の法務を中心とした企業法務、新設企業・新規事業支援、知的財産などを主に取り扱う。留学経験を活かし、国際的な視点も重視しながら、ビジネスで日々発生する新しい法律問題に積極的に取り組んでいる。

所属事務所:
リーバマン法律事務所 http://www.rbmlaw.jp/

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