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その営業メール、迷惑メールになっていませんか? 特定電子メール法(2)

テーマ:自社HP・eコマース

2011年6月 9日

解説者

弁護士 石井邦尚

【同意が不要な場合】

 前回、特定電子メール法では2008年の改正により、特定電子メール(いわゆる広告宣伝メール)は同意した者に対してのみ送信してよいというオプトイン方式が導入されたことを解説しました。
 しかしながら、以下で述べるような場合には、例外として同意は必要ないとされています。ただし例外に該当する場合でも、受信者から後に送信を拒否する旨の通知がなされたときには、特定電子メールを送信することはできなくなります。


【名刺などに電子メールアドレスが記載されている場合】

 電子メールアドレスが記載されている名刺を受け取った場合など、書面により自己の電子メールアドレスの通知がなされたときは、特に同意を求めなくても特定電子メールを送信することができます。
 この場合は、そうした書面を提供した側も、相手からその電子メールアドレス宛に何らかの電子メールが送られてくることを、ある程度予測していると考えられることから、例外が設けられています。


【取引関係にある者】

 取引関係にある者に対しても、同意は不要とされています。
 取引関係のある者同士では、特定電子メールの送信が大きな問題なく行われているというビジネスの実態や、受信者としても特定電子メールが送信されてくることを予測できることから、このような例外が設けられました。
 ただし、特に事業者と消費者との関係では、取引関係にある者といえるかどうか、慎重に判断しなければなりません。過去に一回取引があったというだけでは、取引関係にある者とは言えず、継続的な取引関係があることが必要です。


【自己の電子メールアドレスを公表している団体・営業を営む個人】

 会社や、営業を営む個人が、ホームページなどで電子メールアドレスを公表しているということはよくあります。こうした場合には、特定電子メールを送ることができます。
 ただし、電子メールアドレスの公表とあわせて、「特定電子メールの送信は拒否する」ということを表示している場合については、拒否の意思が明確ですから、特定電子メールの送信はできません。


 ホームページに自社の電子メールアドレスを掲載する場合は、それと一緒に例えば「【特定電子メール法に基づく表示】広告メール、宣伝メール、迷惑メールの送信はお断りします。」などと表示しておけば、その電子メールアドレス宛に特定電子メールを送ることは特定電子メール法違反ということになります。もっとも、そのような表示をした場合、そのアドレス宛に第三者からビジネスの提案などの有用な電子メールも送られてこなくなる可能性があるので注意が必要です。


【その他同意が不要な場合】

 その他、次の場合には支障の程度も軽微であることから、同意なしでの特定電子メールの送信が許されています。


  1. (1)フリーメールなどで広告宣伝が付随的に行われる場合
  2. (2)契約の申込みをした者や契約を締結した者に対し当該契約の申込み、内容又は履行に関する事項を通知するために送信される電子メールで、広告宣伝が付随的に行われる場合
  3. (3)同意の取得や確認のための電子メールを送信し、その結果受信者から同意の通知を受けたときにのみ以降、特定電子メールを送信する場合

 なお(3)については、同意取得のための電子メール自体が広告・宣伝のためのメールとならないよう、文面に注意が必要です。


【表示義務】

 同意を得るなどして特定電子メールを送信する場合には、電子メールの文面などに、次の表示をすることが義務づけられています。


  1. (1)送信者の氏名又は名称
  2. (2)送信拒否(オプトアウト)をできるということ
  3. (3)送信拒否の通知を受けるための電子メールアドレス又はURL等
  4. (4)苦情や問い合わせ等を受け付けるための電話番号、電子メールアドレス又はURL等

【広告や宣伝のための電子メールを送る際の注意点】

 例えば、従業員の友人や知人に対し、その従業員から広告や宣伝のための電子メールを送らせる場合であっても、事前に受信者の同意を得ないときには、上記の例外に該当しない限り、特定電子メール法違反となる可能性が高いといえます。


 最近は、こうした法律に対する一般の人や取引先会社などの目も厳しくなってきており、安易に考えて特定電子メール法違反の電子メールを送信していると、会社の評価や信頼を落とすことになりかねません。さらに、送信する側が同意を得たと認識していたり、例外に該当すると考えていたりしても、受信した側が「あれが同意になるとは思っていなかった」「広告宣伝メールを受け取るつもりで電子メールアドレスを教えたのではなかった」などと感じれば、やはり信頼を損ねかねません。


 広告や宣伝のために電子メールを送信する場合は、特定電子メール法に違反しないようにすることは当然の前提として、受信した側がどう感じるだろうかということまで配慮することが必要だと思います。


氏名:石井邦尚

生年:1972年生

弁護士登録年・弁護士会:
1999年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1997年東京大学法学部卒業、2003年コロンビア大学ロースクールLL.M.コース修了

得意分野等:
米国留学から帰国後に「挑戦する人(企業)の身近なパートナー」となるべくリーバマン法律事務所を設立、IT関連事業の法務を中心とした企業法務、新設企業・新規事業支援、知的財産などを主に取り扱う。留学経験を活かし、国際的な視点も重視しながら、ビジネスで日々発生する新しい法律問題に積極的に取り組んでいる。

所属事務所:
リーバマン法律事務所 http://www.rbmlaw.jp/

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