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育児・介護休業法に関する注意点(1)

テーマ:育児・女性

2012年8月 3日

解説者

弁護士 高橋弘泰

 前回のコラムで述べたとおり、改正育児・介護休業法は、常時100人以下の労働者を雇用する中小企業についても平成24年7月から全面施行されています。 今回は同法に基づく措置にあたって、具体的に問題となりそうな点や疑問点について解説したいと思います。(解説にあたっては厚生労働省の改正育児・介護休業法に関するQ&Aを参考にしています)


【管理職への適用について】

 管理職のうち、労働基準法第41条第2号に定める「管理監督者」については、労働時間等に関する規定が適用除外されていることから、所定労働時間の短縮措置及び所定外労働の免除の対象外となります。


 なお、労働基準法第41条第2号に定める管理監督者については、同法の解釈として、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者の意であり、名称にとらわれず、実態に即して判断すべきであるとされています。このため、職場で「管理職」として取り扱われている者であっても、同号の管理監督者に当たらない場合には、所定外労働の免除及び所定労働時間の短縮措置の対象となります。


 また、同号の管理監督者であっても、育児・介護休業法第23条第1項の措置とは別に、同項の所定労働時間の短縮措置に準じた制度を導入することは可能であり、管理職についても、その仕事と子育ての両立を図る観点からは、むしろ望ましいと考えられます。


【所定労働時間の短縮措置(短時間勤務)の内容について】

 所定労働時間の短縮措置の内容は、1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置を含むものとしなければなりません。


 「原則として6時間」とは、所定労働時間の短縮措置は、1日の所定労働時間を6時間とすることを原則としつつ、通常の所定労働時間が7時間45分である事業所において短縮後の所定労働時間を5時間45分とする場合などを勘案し、短縮後の所定労働時間について、1日5時間45分から6時間までを許容する趣旨とされています。


 なお、例えば、1日の所定労働時間を7時間とする措置や、隔日勤務等の所定労働日数を短縮する措置など所定労働時間を短縮する措置を、1日の所定労働時間を6時間とする措置とあわせて措置することは可能です。


【所定労働時間の短縮措置の手続について】

 所定労働時間の短縮措置の手続については、一義的には事業主が定めることが可能ですが、適用を受けようとする労働者にとって過重な負担を求めることにならないよう配慮しつつ、育児休業や所定外労働の免除など育児・介護休業法に定める他の制度に関する手続も参考にしながら適切に定める必要があります。


 このため、例えば育児休業等と同様に、所定労働時間の短縮措置の適用を受けるためには1か月前までに申し出なければならない、とすることは問題ないと考えられます。一方、適用期間を1か月単位とすることは、他の制度が基本的に労働者の申し出た期間について適用されることを踏まえれば、適当でないと考えられます。


【所定労働時間の短縮措置を講ずることが困難と認められる業務について】

 所定労働時間の短縮措置は、「業務の性質又は業務の実施体制に照らして、所定労働時間の短縮措置を講ずることが困難と認められる業務」を労使協定で定めれば、措置を取らなくてもよいとされています。


 この場合、事業所で行われているそれぞれの業務が、所定労働時間の短縮措置の対象となるのかどうかが客観的に分かるように、対象外となる業務の範囲を具体的に定めることが必要です。


 また、客観的にみて「困難」と認められない業務については、所定労働時間の短縮措置の適用除外となりませんので、こうした業務が含まれないように、対象外となる業務の範囲を定めてください。
 なお、労使協定を締結した場合には、労働者が、自分の従事する業務が所定労働時間の短縮措置の対象となるのかどうかが分かるよう、必要な周知を行う必要があります。


【短時間勤務と育児時間との関係】

 育児時間は、労働基準法上、労働者の権利として認められたものであるので(同法67条)、所定労働時間の短縮措置の適用を受けたことをもって育児時間を請求できないとすることはできません。


 したがって、所定外労働の短縮措置の適用により所定労働時間が6時間となった労働者についても、育児時間を請求することができます。
 一方、所定労働時間の短縮措置は、1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置を含むものとされています。このため、育児時間の請求を行う労働者については、育児時間による所定労働時間の短縮分を含めて、1日6時間の措置とすることは可能です。



氏名:高橋弘泰

生年:1970年生

弁護士登録年・弁護士会:
2009年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1994年東京大学法学部卒業

得意分野等:
東京都に勤務の後、大宮法科大学院に入学し、法曹を目指す。行政事件、刑事事件など公益的な活動に力を入れる一方、民事分野でも敷居が低く利用しやすいと同時に、内容的には決して妥協しない良質な法的サービスの提供に努めていきたいと思います。

所属事務所:
法律事務所フロンティア・ロー http://frontier-omiya.jp/index.html

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