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不正競争防止法とは(1)

テーマ:宣伝・販促

2011年9月22日

解説者

弁護士 高橋弘泰

 不正競争防止法とは、商取引において自分の商売と類似の商法や紛らわしい商法を用いて顧客を横取りしようという他人の不正商法を禁止する法律です。名前くらいは聞いたことのある方が多いと思いますが、具体的な中身については意外と知らないのではないでしょうか。今回からこの法律について、できるだけポイントを絞って説明していきます。


【「不正競争」とは】

 現代日本においては、職業選択の自由、競業の自由が認められています。しかし、無制限な競業の自由を認めることは、他の営業者の自由を侵害し、一般消費者、ひいては市場経済の機能にも悪影響を及ぼすことになります。自由競争はあくまでも「公正」なものでなくてはならず、「不公正」なものであってはなりません。


 不正競争防止法は、不公正な競業を防止し、取引社会の秩序を守るための法律ですが、不正な競業行為を一般に禁止するという形を取るのではなく、一定の不正な競業行為について、制限列挙的に禁止しています。制限列挙とされている理由は、「不正競争」にあたるとされた場合、事業活動に与える影響が甚大であり、一般に禁止すると何が許される競争行為なのか判断することが難しくなり、事業活動の委縮を招くためです。


 禁止されているのは、具体的には不正競争防止法2条1項各号に列挙されている以下の行為です。


  • 商品等の主体混同行為(1号)
  • 著名表示不正使用等の行為(2号)
  • 商品形態をデッドコピーした商品を流通に置く行為(3号)
  • 営業秘密の不正利用行為(4号〜9号)
  • 技術的制限手段迂回装置を流通に置く行為(10号〜11号)
  • ドメイン名の不正取得等の行為(12号)
  • 商品等の原産地・品質等誤認行為(13号)
  • 他人の営業上の信用毀損行為(14号)
  • 代理人等による商標の無断使用行為(15号)

 上記の行為は、民法上の不法行為(民法709条)にも該当しますが、不正競争防止法の意味は、この責任を強化していること、具体的には、「差止請求」を認め(不正競争防止法3条)、損害賠償請求についても「損害額の推定」を認めるなど被害者側の立証を容易にしている点(同法5条)にあります。


【どういう場合に活用できるか】

 不正競争防止法は、特許法、意匠法、商標法などに正確には含まれない、いわゆる「権利のすきま」にある侵害事案に効果を発揮します。たまたま商標登録がされていないブランド商品について模倣品が販売されていることを発見した場合などがその代表例です。


 また、これについては後に説明しますが、ブランドや商品形態をそのまま模倣した、いわゆる「デッドコピー」商品への対策としても有効に活用できます。


【他の法律との関係】

 特許法、意匠法、商標法などのいわゆる「知的財産法」と、不正競争防止法との違いは、それぞれが適用される場面にあります。


 つまり、知的財産法は、「登録制度」を設けて、ある期間、知的財産権の所有者に独占的支配権を与え、その権利への侵害を排除することにより不正競争の防止を図るという仕組みを取っています。これに対して、不正競争防止法は、日々の市場での取引の中で発生する個別具体的な不正な競業行為を、その都度排除していくという仕組みを取っています。


 このような役割分担の違いから、ときには、両者の間で矛盾が生じる場面もあります。


 たとえば、ある会社(A)が、自らの使用する商標について登録を受け、営業を開始したところ、その商標は同じ地域で営業する別の会社(B)が使用している商標と類似しており、その商標がすでにBのマークとして周知のものであったようなケースです。


 Aは、商標権を持っている以上、商標法によって保護されるはずですが、現実に生じたこのようなケースにおいて、Aが不正競業行為にあたるとして登録商標の使用差し止めを受ける事例がありました(富山地裁平成8年6月12日判決、「越乃立山」事件)。


 このように、不正競争防止法は、知的財産権を持っている権利者に対しても権利侵害を主張できるという特徴を持っており、使いようによってはかなり強力な法律だといえます。


氏名:高橋弘泰

生年:1970年生

弁護士登録年・弁護士会:
2009年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1994年東京大学法学部卒業

得意分野等:
東京都に勤務の後、大宮法科大学院に入学し、法曹を目指す。行政事件、刑事事件など公益的な活動に力を入れる一方、民事分野でも敷居が低く利用しやすいと同時に、内容的には決して妥協しない良質な法的サービスの提供に努めていきたいと思います。

所属事務所:
法律事務所フロンティア・ロー http://frontier-omiya.jp/index.html

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