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その営業メール、迷惑メールになっていませんか? 特定電子メール法(1)

テーマ:自社HP・eコマース

2011年6月 2日

解説者

弁護士 石井邦尚

【電子メールの活用した営業と特定電子メール法】

 電子メールは低コストで利用できる上、一時に多数のメールを送信できる、相手の仕事を中断させかねない電話と比べて気兼ねが少なくてすむなど、非常に便利な通信手段です。
 こうした電子メールを広告宣伝に活用したいというのは自然な要求ですが、一方で無数の迷惑メールが氾濫するという問題が生じています。それに対応するため、2002年に特定電子メール法が制定され、2008年に大きく改正されました。


 2008年改正により、特定電子メール法で規制される電子メールの範囲が大きく拡大しています。例えば、従業員の友人や知人に対して、その従業員から会社の広告やキャンペーン情報などを送信させるような行為も規制の対象となる可能性があります。
 今回と次回で、2008年に改正された事項を中心としながら、特定電子メール法について解説します。


【「特定電子メール」の意義と罰則】

 特定電子メール法で規制の対象となっている「特定電子メール」とは、営利目的の団体又は営業を営む個人が、自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行うための手段として送信する電子メールです。携帯電話のショート・メッセージ・サービス(SMS)なども含まれます。他人(他社)の営業のためであっても規制の対象となるので注意してください。


 特定電子メール法に違反した場合、個人については1年以下の懲役又は100万円以下の罰金、法人については3000万円以下の罰金に処するとされており、重い罰則が定められています。2008年改正の際に、法律の実効性を高めるために、罰則が強化されました。


【オプトアウト規制からオプトイン規制へ】

 2008年改正前後での最大の相違点は、改正前が「オプトアウト」方式による規制だったのに対し、「オプトイン」方式による規制に改正されたことです。


 オプトアウト方式というのは、一般に特定電子メールを送信することまでは禁止しないが、特定電子メールの送信を拒否した者(拒否する旨を通知した者)に対しては送信してはいけない、という方式です。2002年の法律制定当初はこの方式でしたが、送られてきた迷惑メールに対して受信拒否の通知をするということは、相手に対して、その電子メールアドレスが実際に使われているということを教えることになります。


 迷惑メール送信者は、実際には使われていない休眠中のアドレスなのか、それとも実際に使用中のアドレスなのかということはわからないまま、電子メールを送信していることが多くあります。実際に使用中の電子メールアドレスのリストがあれば、より効果的に迷惑メールを送信することができることから、そうしたリストが売買されていると考えられています。送信拒否通知をすることにより、そうした使用中の電子メールアドレス・リストに掲載されてしまえば、迷惑メールは逆に増加するでしょう。迷惑メールに対しては一切返信をしないというのは、今では常識となっており、改正前のオプトアウト方式による規制は、十分に機能しなくなっていました。


 そこで、2008年改正により、あらかじめ同意をした者に対してのみ特定電子メールを送信することが許されるという「オプトイン方式」が導入されました。「原則として送信してよいが、例外的に拒否した人には送ってはいけない」という方式から、「原則として送信してはいけない、例外的に同意した人にだけ送ってよい」という方式へと、原則と例外が逆転したのです。
 さらに、特定電子メールの送信にいったん同意した者であっても、実際に受信をした後で、やはり受信を望まないということもあり得ることから、後になって特定電子メールの送信を拒否する旨の通知がなされた場合にも、送信することはできないとされています。


 なお、同意が必要なのは、特定電子メールを送信することについてであり、その特定電子メールの内容や種類まで具体的に特定して同意を得ることまでは不要です。
 また、同意があったことを証する記録は、一定の期間(原則として配信停止の1か月後まで)、保存することも義務づけられています。


 ところで、法律も、すべての場合に明確に同意することを求めているわけではありません。同意がなくても送信ができる場合については、次回、解説します。


氏名:石井邦尚

生年:1972年生

弁護士登録年・弁護士会:
1999年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1997年東京大学法学部卒業、2003年コロンビア大学ロースクールLL.M.コース修了

得意分野等:
米国留学から帰国後に「挑戦する人(企業)の身近なパートナー」となるべくリーバマン法律事務所を設立、IT関連事業の法務を中心とした企業法務、新設企業・新規事業支援、知的財産などを主に取り扱う。留学経験を活かし、国際的な視点も重視しながら、ビジネスで日々発生する新しい法律問題に積極的に取り組んでいる。

所属事務所:
リーバマン法律事務所 http://www.rbmlaw.jp/

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