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中小企業と働き方改革関連法(第1回)-年次有給休暇の確実な取得

テーマ:労務一般

2019年8月29日

解説者

特定社会保険労務士 野村孝太郎

【目次】

はじめに

○法改正の背景

 労働相談をお受けしていると、「年休をとらせる余裕がない」という経営者の方のお話しや、「年休をとらせてもらえない」という労働者の方の声を聞くことがあります。こうした職場の状況は年休取得率にも表れていて、長年にわたり5割を下回る水準が続いてきました。中小企業(300人未満)に限れば取得率はさらに低くなります(図表1)。


図表1.企業規模別の年次有給休暇取得率の推移(単位:%)
図表1.企業規模別の年次有給休暇取得率の推移(単位:%)

出典:内閣府「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)レポート2018」(2019年3月)から編集・加工

 年休を「とらない」または「とれない」のは、「病気や急な用事への備え」という年休本来の趣旨とは違う理由のほか、「仕事量が多すぎる」、「職場の他の人に迷惑」がトップ3です。※1。職場の人手不足や、周囲の雰囲気を気遣って年休を「遠慮」する様子が伺えます。年休の完全取得が原則の欧米諸国(独仏100%、英国96%、米国71%等)※2とは違う"日本的事情"でしょう。


○対応は待ったなし

 今回の改正労働基準法は、このような取得状況や年休を取らない人には長時間労働の傾向があることなどを踏まえて、年間5日までの年休取得を使用者に罰則付きで義務づけ、年休管理簿の作成も義務化しました。改正法は、2019年4月から中小企業にも適用されています。使用者の皆様は、「仕事が忙しい」「人手が足りない」という事情はあっても、少なくとも年5日の年休については、「年休をとらせる余裕がない」と言うことはできなくなったのです。

 働く人たちを対象にした最近の調査結果をみると、法改正を「歓迎する」という意見が8割を超え、その理由では、「遠慮や気まずさが軽減する」がトップです※3。法改正を機に、働く人の意識も変わりつつあるのかもしれません。改正法の内容だけでなく、年休制度の趣旨に沿った対応もこれまで以上に求められるのではないでしょうか。年次有給休暇に関する対応は待ったなしです。


  1. 1. 労働政策研究・研修機構「年次有給休暇の取得に関する調査」2011年4月
    https://www.jil.go.jp/institute/research/2011/085.html
  2. 2. エクスペディア「世界19ヶ国 有給休暇・国際比較調査2018」2018年12月
    https://welove.expedia.co.jp/press/40915/
  3. 3. サイボウズ チームワーク総研「ビジネスパーソン400人に聞く「有給休暇」に関する調査」2019年4月
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000081.000027677.html

1.基本的ルール:年次有給休暇の付与

 「病気や急な用事への備え」を年休本来の趣旨とは違うと書きました。そうした使い方がよくないということではありませんが、年休制度の本来の趣旨は、働く人の心身の疲労を回復させ、働く力を維持増進させるものです。そのために、「休日」とは別に、一定の日数の労働日について「有給の休暇」をとることが法律上で認められているのです。

(1) 付与日数

 週の所定労働日数が5日以上、または週の所定労働時間が30時間以上の人の場合、6か月間継続勤務して8割以上出勤していれば10日の年休が付与され、その後は1年経過するごとに図表2のとおり増えていきます。ただし、付与から2年経過すると、未取得の年休は時効により消滅しますので、日数は40日を超えることはありません。


図表2.
図表2.

(2) 所定労働日数が少ない場合の付与日数

 「上司からパートに年休はないといわれた。本当ですか?」といったお尋ねをいただくことがあります。上司の方の説明はもちろん間違いです。パートタイマーのように、勤務日数が少ない人や労働時間が短い人でも、年休は発生します。

 具体的には、「週の労働日数が4日以下」かつ「週の労働時間が30時間未満」の場合、週の労働日数に応じて図表3.の日数の年休が付与されます(比例付与方式)。週の所定勤務日数を確定できない場合は、年間の総労働日数でみます。図表3.の「年間所定労働日数」の区分に応じた付与日数になります。


図表3.
図表3.

(3) 年休を請求されたときの留意点

 年休は、「法律上当然に労働者に生ずる権利」です。取得日を特定して請求されたら(時季指定)、その希望を認めるよう配慮しなくてはなりません。年休をとった日を、賞与や皆勤手当の計算で欠勤扱いにするような不利益な取扱いも禁止されています。

 使用者には、請求された時季を変える権利(時季変更権)はありますが、これには「事業の正常な運営を妨げる場合」という条件があります。「事業の正常な運営を妨げる場合」とはどんな場合かは一概に決められませんが、例えば、「恒常的な人手不足」という事情があっても、代わりに勤務する人を確保するなどの「配慮」をせずに、人手不足だけを理由にして年休を承認しないとすると、正当な権利行使とは認められない可能性があります。「時季変更権」は、決してオールマィテイーではないのです。


◇小テスト1-年休の基本的ルール(※ブラウザの更新でリトライできます。)

2.使用者による年5日の年次有給休暇の時季指定

 年休は、働く人が請求するのが本来の取得方法ですが、職場の雰囲気を気遣って年休を「遠慮」するような"日本的な事情"もあり、本来の方法だけでは取得が進みません。今回の改正法は、こうした事情も踏まえて、使用者が年5日に限って時季指定するという方法を新設したといえます。

(1) 対象となる労働者

 使用者による時季指定の対象となるのは、「法定の年次有給休暇日数が10日以上となるすべての労働者」です。

① 「法定の年次有給休暇日数が10日以上」とは、改正法の施行日である2019年4月1日以後に新たに付与された年休が10日以上、ということです。2019年3月31日以前に付与された年休は、10日以上あっても時季指定の対象にはなりません。

② 「すべての労働者」ですので、正社員かパートタイマー等かは問いません。正社員は最初から10日以上付与なので全員が対象ですが、パートの人は、図表3.のうち青色部分の人に限られます。

 パートの人についてご注意いただきたいのは、前年の繰越分が「年休で10日」に含まれないことです。例えば、前年の6日の年休のうち2日を繰越していたパートさんに、新たに8日が付与され計10日になった場合(図表3.の赤枠  の場合)、時季指定の対象になるでしょうか。答えは「ならない」です。この人の場合、「新たに付与された年休」は8日で「10日以上」ではないからです。

図表3.(再掲)
図表3.(再掲)

(2) 使用者が時季指定を行わなくてはならない期間

① いつまでに行わなくてはならないか。

 使用者は、労働者ごとに、年10日以上の年休が付与された日から1年以内に、時季を指定して取得させなくてはなりませんが、そのタイミングは、1年間の期首に限りません。年休の取得状況をみながら、期間の途中で行うこともできます。年休が付与された日(「基準日」)と「時季指定義務のある期間」の関係は、4月1日入社の人の例で見ると以下のようになります。

図表4.
図表4.

ここで、取扱いに注意いただきたい事例を紹介しておきます。

* 「時季指定義務のある期間」の途中に、育児休業や産前産後休業などから復帰した人の場合、時季指定はしなくてよいのでしょうか。

 答えは、図表5.の赤矢印の期間です。つまり、復帰した日から、もともとの「時季指定義務のある期間」の残りの期間中で時季指定することになります。ただし、残りの期間が5日に満たないならその日数でということになります。

図表5.
図表5.

* 法定の週1日の休日以外の休日、例えば祝祭日の休日を労働日に変更して年休に指定することはできるのでしょうか。

 答えは、実質的に年休の取得の促進につながっておらず、改正法の趣旨からみて望ましくない、です。そもそも、休日だった日を労働日に変えることは労働条件の不利益変更ですから、労働者の同意なしにはできません。

② 時季指定義務のある5日から控除できる日数

 使用者は、どんな場合も5日の時季指定をしなければならない訳ではありません。5日から控除してよい日数があるからです。労働者が請求して取得した日数、計画的取得制度(計画年休)※により取得した日数は5日から控除します。

(例)労働者が時季指定した日数2日、計画年休の日数2日の場合
時季指定義務のある日数=5日-(2日+2日)=1日

※ 計画年休は、年5日の時季指定への対応としても有用です。概要は、後ほどご紹介します。(5.参照)

* 新たに付与された年休が10日以上ある人が、前年の繰越分から5日を取得しました。この人の場合、時季指定の対象になるのでしょうか。

 答えは、「時季指定の対象にならない」です。前年の繰越分の取得も控除できるので、時季指定すべき日数はゼロになるからです。

* 入社したての人への配慮などから、年10日以上の年休の一部を前倒しで付与することがあると思います。このような場合、基準日前に取得した年休は控除できるのでしょうか。

 答えは、5日から控除できる、です。取得した日と、時季指定義務のある期間の関係は図表6.のようになります。

図表6.
図表6.

* 年休は1日単位の取得が原則ですが、労働者が半日単位での年休を取得した場合、時季指定すべき5日から控除できるのでしょうか。また、時間単位の年休を取得した場合はどうなるのでしょうか。

 答えは、「半日単位の取得は0.5日として控除できる」が、「時間単位の取得は控除できない」です。

* 慶弔休暇を年5日までは有給で認めている場合、その取得日数は、時季指定すべき5日から控除できるのでしょうか。

 答えは、「控除できない」です。取得目的を特定した企業独自の特別休暇は、取得目的を問わない法定の年休とは別のものだからです。逆にいえば、取得目的を特定せず自由に使えるのなら、名称は何であれ(例えばリフレッシュ休暇)、法定の年休の上乗せとみなして5日から控除してよいことになります。

◇小テスト2-使用者による年5日の年次有給休暇の時季指定 その1(※ブラウザの更新でリトライできます。)

(3) 労働者の意見聴取等

 使用者による時季指定は、労働者が時季指定する原則的な取得方法の例外ですので、時季指定に当たって、使用者が労働者の意見を聴くことが義務づけられました。個人別の面談や年休計画表の提出など任意の方法で労働者の希望する時季を聴き、その意見を尊重して時季指定するよう努めなくてはなりません。

図表7.
図表7.

 使用者が時季指定した年休について、労働者から取得日の変更の申出があった場合や、使用者に変更しなくてはならない事情が生じた場合、再度、労働者の意見を聴き、できる限りその希望に沿った時季を指定するこが望ましいとされています。

 ご注意いただきたいのは、時季指定をしただけでは義務を果たしたことにはならないということです。労働者の方が実際に時季指定された休暇を取得して初めて義務を果たしたことになります。時季指定をしたにもかわらず、労働者が自らの判断で出勤して働いてしまった場合は、時季指定の義務を果たしことにはなりません。

(4) 罰則

 年5日の年休を取得させなかった場合、労働基準法第39条第7項違反として罰則(30万円以下の罰金)が設けられました。法違反は1人につき1罪なので、年5日を取得させなかった人の数によっては、罰金は相当の額になります(10人ならば300万円)。

 法律違反への対応については、「労働基準監督署の監督指導において、法違反が認められた場合は、原則としてその是正に向けて丁寧に指導し、改善を図っていただく」(厚生労働省「改正労働基準法に関するQ&A」2019年4月)とされています。法違反は即レッドカード=罰則適用とは読めませんが、いずれにせよ、法令遵守が何より重要であることに変わりはありません。

 なお、第7項以外の第39条違反、例えば「時季変更の正当な理由がないのに、労働者が請求した日に年休をとらせない」などについては、「6ヵ月以下の懲役又は30万円以下の罰金」が以前から規定されています。

◇小テスト3-使用者による年5日の年次有給休暇の時季指定 その2(※ブラウザの更新でリトライできます。)

3.年次有給休暇管理簿

 今回の法改正で「年次有給休暇管理簿」の作成が義務づけられました。いつから、どのような事項を記載し、いつまで保存するのかなどについてご説明します。

(1) 「年次有給休暇管理簿」とは

 年休の「取得時季」、「日数」、「基準日」という3つの必要事項を労働者ごとに記載した書類です。法令に様式の定めはなく、作成方法も任意です。

 独立した書類である必要はなく、労働者名簿や賃金管理簿に3つの必要事項を入れた表を追加することでもよいとされています。簡易な例は以下のとおりです。

図表8.
図表8.

 要は、年休を適切に管理し、労働者の問合せや労働基準監督署の調査など、必要なときに示すことができるようにしておくことです。紙の帳簿形式のものや表計算ソフトによるものなどが市販されています。勤怠管理システムも年休管理簿の機能を追加済みと思われます。

(2) 管理簿作成の留意点

 作成の始期。管理簿は、2019年4月1日以後、最初の10日以上の年休が付与される日(基準日)から作成します。なお、図表6の場合のように、年10日以上の年休の一部を分割し、前倒しで付与した場合は、例外として、最初に分割付与した日から管理簿を作成します。

図表6.(一部再掲)
図表6.(一部再掲)

 「日数」は、基準日から1年以内に実際に取得した日数を記載します。労働者が請求し取得したもの、使用者が時季を指定したもの、計画年休で取得したもの、半日単位で取得したもの、時間単位で取得もの、すべてを記載します。基準日が2つある場合には、図表9のとおり、最初の基準日から2つ目の基準日の1年後までの間の取得日数を記載します。

図表9.
図表9.

 年休管理簿は年休を与えた期間中と期間満了後3年間保存しなければなりません。年休管理簿は、労働者名簿、賃金台帳などのように、違反に対する罰則がある帳簿ではありませんが、作成されていない、不備があるなどの場合には、労働基準監督署の指導等の対象になりうることは、承知しておく必要があります。

 年休管理簿の作成が義務化されたことを受けて改正された「労働時間等見直しガイドライン」は、ⅰ)使用者は、年休管理簿の確認を行い、取得状況を労働者や管理者に周知すること、ⅱ)管理者は、年休の取得促進に管理簿を活用すること、を求めています。「私の年休は何日ありますか」と上司の人に聞いたら「知らない」といわれたというお話しを聞くことがありますが、これからは、こうした対応は通らないことになるのでしょう。

4.就業規則の規定

 休暇に関する事項は就業規則に必須の記載事項ですので、時季指定の対象となる労働者の範囲や時季指定の方法を記載しなければなりません。以下は、簡易な規定例ですが、このような1項を加えれば足りるものです。規定を欠く場合は労働基準法違反ということもあり、早めの就業規則の改定と労働基準監督署への届出をお勧めします。

図表10.
図表10.

出典:厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 分かりやすい解説」から編集・加工

◇小テスト4-年休管理簿と就業規則の変更(※ブラウザの更新でリトライできます。)

5.年次有給休暇の管理上の工夫

 年休の年5日の取得が義務化されたことで、誰が対象者か、いつまでに5日を取得させなければならないかなど、正確に管理することが必要になりました。労働者ごとに入社日が異なる事業場では、基準日が1人1人違うため管理が大変です。

 法定の基準日とは別の日に基準日を揃える「斉一的付与」などを使い、時季指定義務のある期間を統一して、管理を簡素化することができます

(1) 「斉一的付与」

 4月1日の一括入社が中心の事業場にお勧めの方法です。

① 例1:入社日に10日を付与し、基準日を4月1日に揃える。時季指定義務のある期間は、4月1日からの1年間になります。

図表11.
図表11.

② 例2:入社2年目に、法定の基準日から6月前倒しして4月1日に揃える。

  • ・この例のような場合は、時季指定義務のある期間が2つになり(図表9.の①と②)、一部が重複します。原則では、2つの期間それぞれに年5日を指定することになりますが、管理を簡素化するため、2つの期間を合わせた期間(例では18月)を、時季指定義務のある期間にすることができます。
  • ・時季指定義務のある日数は、期間が長くなった分だけ増えます(「比例按分方式」)。この例では、期間が1.5倍(=18÷12)になりますから、日数は5日の1.5倍で7.5日になります。端数の0.5は、半日単位の取得があれば7.5日のままとし、1日単位の取得だけのときは切り上げて8日にします。
図表12.
図表12.

③ 上の例のほかにも、法定の日数を分割していずれも基準日より前倒しして付与する場合などがありますが、特殊な例と思われますので、ご説明は省略します。ご関心がある場合は、巻末に参考としてのせましたのでご覧ください。

(2) 月別に基準日をそろえる

 同じ月に採用した労働者の基準日を月初に統一する方法です。正社員でも中途採用が多い事業場や、パートタイム労働者などの正社員以外の人で年10日以上の年休のある人が多い事業場で有効ではないでしょうか。

図表13.
図表13.

出典:厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 分かりやすい解説」から編集・加工

(3) 年次有給休暇計画表による調整

 時季指定に当たっての労働者の意見の聴取の方法として年休計画表の作成を上げました。例えば、期首や半期ごとに取得希望を予定表として提出してもらい、職場内などでの取得時季の調整をしやすくするやり方です。時季指定に当たっての労働者の意見の聴取の方法として年休計画表の作成を上げました。例えば、期首や半期ごとに取得希望を予定表として提出してもらい、職場内などでの取得時季の調整をしやすくするやり方です。

 年間の予定は、時期が遅くなればなるほど当初の想定とは異なることがあります。四半期別や月別の計画表を用意して予定の変更や業務の都合に対応し、取得状況のフォローアップを行えば、指定義務のある期間の終期が近づいたところで時季指定に苦労するといった問題は、回避できるのではないでしょうか。

(4) 計画年休

 計画年休は、労働者の時季指定に基づく年休、使用者の時季指定による年休と異なり、労使協定に基づいて行います(就業規則にも根拠規定を設けます)。これにより取得した日数を年5日から控除することができるので、時季指定の義務化に対応するうえで役に立ちます。計画年休には、「一斉付与方式」、「交替制付与方式」、「個人別付与方式」の3つの方式があり、労使協定では、方式に応じて、以下のような事項を定めます。

① 計画年休の方式と規定事項

  1. ⅰ) 事業場全体の休業による「一斉付与方式」の場合は、具体的な年休の付与日、を定めます。
  2. ⅱ) 班別の「交替制付与方式」の場合は、班別の具体的な年休の付与日を定めます。
  3. ⅲ) 年次有給休暇計画表による「個人別付与方式」の場合は、年次有給休暇計画表を作成する時期、手続等を定めます。

② 共通の規定事項

  • ・年休の日数が少ない労働者についての扱い(不足する分について、特別休暇の付与や休業手当の支給など)
  • ・年休の日数。少なくとも5日は労働者の自由な取得を保障しなければなければならないので、5日を超える日数について付与します。前年度からの繰越分を含んだ日数のうち5日を超える日数が対象になります。
  • ・対象者。育児休業や産前産後の休業に入る者、定年退職することが分かっている者は、計画的付与の対象から外しておきます。
  • ・計画的付与日の変更。計画的付与日を変更することが予想される場合には、労使協定で付与日を変更する場合の手続きを定めておきます。計画年休では、労働者の時季指定権、使用者の時季変更権ともに行使できませんので、付与日の変更は、労使協定に基づく手続きにより行うことになります。

③ 就業規則と労使協定の規定例、導入例

 厚労省からわかりやすいパンフレットが公表されています。労使協定の規定例、計画年休の導入例等は、以下をご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/sokushin/jigyousya2.html

◇小テスト5- 年次有給休暇の管理上の工夫(※ブラウザの更新でリトライできます。)

(参考) 法定の日数を分割していずれも基準日より前倒しして付与する場合

  • ・1年目の基準日は付与日数が計10日になった日(例では3ヵ月繰り上げた7月1日)になり、2年目の基準日は、1年目の基準日(7月1日)から1年目に繰り上げたのと同じ月数(例では3月)かそれ以上繰り上げた日(例では4月1日)になります。
  • ・この場合も、指定義務のある期間が重複が生じますが、前掲の例2と同様の方法で簡素化できます。なお、年休管理簿は、最初の基準日から始めるという取り扱いの例外として、1年目の4月1日から作成します。
図表14.
図表14.

(参考資料)

(参考図書等)

  • 菅野和夫著「労働法(第11版)」(弘文堂、平成28年2月)
  • 厚生労働省編「労働基準法(上)(下)」(労務行政、平成23年2月)
  • 厚生労働省編「労働基準法解釈総覧 改訂15版」(労働調査会、平成26年8月)
  • 「ビジネスガイド」2019年5月号、6月号、7月号(日本法令、各月)

→小テストの全ての問題・解答・解説のPDF


事務所:のむら社会保険労務士事務所

資格:特定社会保険労務士

氏名:野村孝太郎