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個人情報基礎知識 これだけはおさえよう!

10 個人に関する情報の第三者提供と不法行為責任

テーマ:個人情報基礎知識

2014年4月 4日

ポイント
ポイント:個人に関する情報を本人の同意なく第三者に提供した場合、個人情報保護法違反となるだけでなく、プライバシー権侵害として、民法上の不法行為に基づく損害賠償責任を負うこともあります。

 個人に関する情報を本人の同意なく第三者に提供する行為は、プライバシー権侵害として不法行為に基づく損害賠償責任を負うことがあります。


 このような損害賠償責任が認められた有名な裁判例として、大学で開催された中国国家主席の講演会の参加者名簿を参加者の同意を得ないまま警視庁に提出したという事件があります(最高裁平成15年9月12日判決)。


 この事件で名簿に記載されていた事項は、学籍番号、氏名、住所、電話番号ですが、判決では、それに加えて「本件講演会に参加を希望し申し込んだ学生である」という情報も名簿には含まれているとされました。


 最高裁は、「こうした情報は、秘匿されるべき必要性が必ずしも高いものではない」としつつも、「このような個人情報についても、本人が、自己が欲しない他者にはみだりにこれを開示されたくないと考えることは自然なことであり、そのことへの期待は保護されるべきものである」として、これらの情報はプライバシーに係る情報として法的保護の対象となるとしました。


 この最高裁判決を受け、その差戻審では、プライバシー権侵害として、参加者1名あたり5000円の損害賠償(慰謝料)が認められました(東京高裁平成16年3月23日判決)。


 この裁判例は、警視庁への提供という事案でしたが、民間業者への提供などでも、こうした判断がなされる可能性は十分にあります。

氏名:石井邦尚

1972年生
1999年弁護士登録、第二東京弁護士会所属
1997年東京大学法学部卒業、2003年コロンビア大学ロースクールLL.M.コース修了

専門は企業法務。30年ほど前に小5ではじめてコンピュータを知ったときの驚きと興奮が忘れられずに、今でもITを愛好していることの影響から、企業法務の中でも、特にIT関連の法務を専門としている。著書に「ビジネスマンと法律実務家のためのIT法入門」(民事法研究会)など。

所属事務所:カクイ法律事務所

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