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HOME > 経営をよくする > 人材活用の決め手

人材活用の決め手 中小企業の大きな経営資源である人材について採用から育成までのポイントをわかりやすく紹介します。


人づくり応援 −事業を支える人材育成−

「ブラック企業」と呼ばれないための講座

最終回:法令違反だけが「ブラック企業」ではない

本講座の第2回では、基本的な法令順守・ルール運用にまつわるポイントを中心に、「ブラック企業」禍の予防を考察しました。しかし、昨今のブラック企業騒ぎは流行語のような性格もあいまって加熱しており、ルールさえ守っていればよいという問題ではなくっています。
 ワーク・ライフ・バランスがとりづらい、教育研修の機会が少ない、転勤が多い、厳しいノルマが課されている、などという業務環境に対する不満や、果ては「〇〇部の部長がろくでもない。自分では何もできないくせにパワハラやえこひいきばかり。放置しておく会社がダメ」などと、もはや個人攻撃ともとれるような辛辣な書き込みがインターネット掲示板に並んだ挙句、ブラック企業の烙印が押されることさえあります。

安全衛生や組織風土の問題に

こうなるともはや、「悪いこと(違法・違反)をしていないから大丈夫」というものではありません。安全衛生や福利厚生、そして本質的には組織風土の問題になってきます。
 社員が心身とも健康・健全な状態で仕事をできているか、と時々客観的に社員を見てみる必要があります。「きちんと残業代を払っているから文句ないだろう」と長時間労働を当たり前としているようなことはないでしょうか。「営業部隊は厳しくて仕方ない」という暗黙の了解の中、パワーハラスメントの芽は現れていないでしょうか。
 多忙さを理由に健康診断の未受診を黙認している部署はないでしょうか。たとえば健康診断の未受診が原因で重篤な病気の発見が遅れでもした場合、「会社としては全社メールで受診の案内をしてあった。その後は本人の責任だ」と言い訳したところで、あとの祭りとなってしまいます。
 「忙しく、ノルマも厳しく、健康診断さえまともに受けられない、ブラック企業」と流布されれば、その不名誉なレッテルが貼られてしまいます。新卒新入社員の離職率が高い企業の典型例に、新入社員研修もそこそこの状態なのに飛び込み営業をひたすら課されるようなパターンがあります。以前なら「根性が足りない」という企業側の論理で一蹴できたことかもしれませんが、今ではインターネットを中心に退職者の反撃を受けることになってしまいます。このように、安全衛生や福利厚生、教育育成といった企業の「仕組み」の面でも改善を怠ってはいけません。

働きがいと働きやすさの共存

そしてなにより本質的な問題は、健全な組織風土が根付いているか、ということでしょう。これまで見てきたとおり、ブラック企業のレッテルというのは結局、組織内外で関与する誰かが発信し、それに呼応・共感する多数の人がいるという結果です。理念や目的・目標を1つにし、社員がやりがいを持って仕事をしている組織ではブラック企業の騒ぎとは無縁です。万一なにかの誤解で噂が流れても、すぐに消え去るものです。
 組織の中に必ず潜む不平不満の芽をいち早くキャッチし、速やかで適切な対応に努めているか。働きがいと働きやすさの共存はできているか。どこかバランスがおかしく歪んだ部分が出てきたときにはすぐに誠心誠意対応しているか。組織のミッションと個人のミッションとのすり合わせやキャリア開発などに対してマネジメントの工数を割いているか。そうした経営の姿勢、経営管理体制こそが、ブラック企業ブームに巻き込まれず着々と企業を成長させていくことができる本当の予防策であることは間違いないでしょう。
 本講座第1回で確認したとおり、ブラック企業のレッテルがもたらすダメージはもはや企業の新たな脅威となり、また、ほとんどすべての企業にとって対岸の火事とは言えない身近な問題に急速になりました。しかし、その予防策や対策はつまるところ、企業経営の基礎・基本を誠実に行うことに尽きると言えます。そうした意味では、何も目新しい問題ではないと捉えるのが正しい認識なのかもしれません。

掲載日:2013年12月20日


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