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HOME > 経営をよくする > 人材活用の決め手

人材活用の決め手 中小企業の大きな経営資源である人材について採用から育成までのポイントをわかりやすく紹介します。


人づくり応援 −事業を支える人材育成−

就業規則改定講座

第2回:就業規則を見直す3つの視点

就業規則(以下、関連規程を含む)の見直しは3つの視点をもって進めましょう。
 まず第1は法令遵守の視点です。これはたいてい就業規則見直しのきっかけでもあり、避けて通ることのできないものです。法改定のあらましや適用条件等は、担当省庁や行政機関の案内、社会保険労務士のホームページ等を見ればおおむね整理されています。法改定の施行そのものの情報をキャッチアップしていることが重要です。時々、定期的にでもチェックしましょう。
 そして重要なのが第2の視点です。自社の就業ルールや職場環境のあるべき姿を具体的に規定します。まさにこの部分が今回のメインテーマである「メッセージ」となります。世の中のトレンドや同業他社の傾向等を考慮すればなおさら実効性のある就業規則になるでしょう。
 そのうえで第3の視点としてコンプライアンスやリスクヘッジを考慮します。第2の視点で理想論を掲げてしまっても、運用の困難やリスクを伴うようであれば足元をすくわれかねません。最終的には内外のリスクから社員と会社を守ることが必要です。この点は、できれば専門家(法律家やコンサルタント)に確認をしてもらうと安心でしょう。

自社の状況にあった休業制度を構築する

事例として、上記3つの視点をもって育児期社員の仕事のありかたを再考した企業を挙げます。
 きっかけはやはり育児・介護休業法の改定でした。いわゆるパパ・ママ育休プラスによる育児休業の拡充や3歳までの子を養育する場合の短時間勤務制度設定などが義務化されました。しかし同社では、インフラやマネジメントに課題があり、時短勤務や在宅勤務というかたちが以前よりなかなか定着しませんでした。また、そもそも保育園入園の競争が激しい地域に住む社員が多く、なかなか予定した時期に復職できません。
 当該の部署はすぐに代替要員、事実上の後任を補充手配するため、育休後になかなか戻る場所がありません。あるいは運良く1歳で保育園に預けることができ、復職したとしても別の現実が待ち受けます。
 同社の事業はプロジェクト営業の仕事で、1つの案件が始まると企画から運営まで一貫したフォローが必要な業務内容なのです。「子供を保育園に預け時短勤務で復職してみたとしても、実際には(子の)体調不良で急な休み遅刻早退もしばしば発生するし、出張にも出られない。結局、責任を全うするのは難しく、チームメンバーにも迷惑がかかる」というのが実態です。結局、多くの女性社員は復職に希望を見いだせずに退職してしまうという負のスパイラルは止まりませんでした。
 そこでなまじ改定法の基準に準拠するという目的を改め、真に自社に合った育児期前後の仕事のしかたを再考することにしました。貴重な人材を長期にわたり大切にし、家庭に専念する時期と仕事に集中する時期とにメリハリをつけ、高いパフォーマンスを発揮するという職場を実現するための枠組みを目指しました。「(子の基礎体力が付き、配偶者や親類等の協力も期待できる)幼稚園入園まで全力で子育てをし、その後に100%のパワーで復帰するほうが、お互い良いだろう」と考え、会社が認める育児休業期限を大幅に延ばしました。人によってはいったん退職し、子の小学校入学の後に再入社してリスタートする社員も現れます。会社側も再度受け入れの機会を積極的に与えています。過去に実績があり風土に合う社員であるわけですから、数年のブランクはあってもその活躍には大いに期待できます。

貴重な人材を失わないために

中小・ベンチャー企業には、時短や在宅勤務を実運用し難いケースが多々あります。結果として、復職後に仕事と家庭の両立をするイメージがつかず、出産を機にほとんどの女性社員が退職してしまうという企業は大変多いことでしょう。しかし、貴重な人材を完全に失うくらいなら、ブランクをあけても全開で復帰する仕組みを構築したほうが余程メリットがあるでしょう。
 なお上述の事例では、在籍3年以上で一定の条件を満たす社員のみ、この休職期限延長制度が適用されます。さすがに入社間もない社員に次々利用されてはかなわない、というリスクヘッジ、すなわち前述の第3の視点での検討の結果です。
 以上に挙げた3つの視点のうち、もちろん肝は自社のあるべき姿を規定するという第2の視点です。就業規則の改訂において、改訂そのものを目的化するのではなく、それをきっかけに自社の未来をかたちづくるという未来志向、そこに含まれるメッセージが本質にあります。

掲載日:2013年1月 7日


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