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HOME > 経営をよくする > 人材活用の決め手

人材活用の決め手 中小企業の大きな経営資源である人材について採用から育成までのポイントをわかりやすく紹介します。


人づくり応援 −事業を支える人材育成−

就業規則改定講座

第1回:就業規則に経営理念を込める

高齢者雇用安定法、育児・介護休業法、労働契約法、労働者派遣法と、ここ数年、労働関連法の改定が目白押しです。それに伴い、就業規則(以下、関連規程を含む)の改訂に関する相談が大変多くなっています。「いろいろと法改定があったようだが、ウチの就業規則は大丈夫なのか?」「もし労基署(労働基準監督署)に検査されても問題ないよう就業規則を見直したい」などです。

実際、中小・ベンチャー企業の就業規則を拝見して愕然とすることがあります。例えば、創業時に社労士(社会保険労務士)から貰った雛形ほぼそのままのもの、また、歴代の総務担当者がツギハギを繰り返したためルール間の辻褄があわなくなっているもの、さらには就業規則の内容と社長命令により実態運用されるルールがまったく違うもの、などは日常茶飯事です。読者の会社でも、社員の大半が自社の就業規則を読んだことがない、あるいは就業規則が有名無実化しているという事はないでしょうか。

就業規則は会社の憲法

就業規則は最低限の義務に過ぎないということを前提にすれば、法定の絶対的記載事項と相対的記載事項をつつがなく形式的に書いておけばよいという考えも理解できなくありません。
 しかし、一方で就業規則はその会社における社員の仕事の仕方を決定的に方針づけるもの、いわば「会社の憲法」とも例えられます。であるならば、本来もっと有効に活用できるはずです。また、経営理念や共通の仕事観をかたどるルールブックにもなり得るものです。まるで中学生時代の生徒手帳のように一度も読まれないもの(昨今はわかりませんが)にしてしまうのは、あまりにもったいないことです。法改定をきっかけに就業規則を見直す必要があるならば、未来志向で人事戦略のありかたを見直し、経営のメッセージを社員に伝える機会にしてみてはいかがでしょうか。

昨今特に注目を集め、実際に経営者や人事担当者の頭を悩ませている法改定の1つが高齢者雇用安定法でしょう。60歳定年を前提にした採用計画やポスト(役職等)登用の慣例を築いてきた企業にとっては、自社の人材構造やコスト構造を根本的に揺るがしかねない問題です。右肩上がりの売上増を望めず、また固定費増を許容できないご時世にあって、高齢者の継続雇用に要するコストが増えるため新規採用や若手への投資を抑えなければならない、そこ結果世代交代が遅れざるを得ないという話を頻繁に聞くようになりました。しかし、そんな対応が好結果をもたらすはずがありません。

メッセージは「高齢者雇用と技術を守る!」

都内のある中小部品メーカーでは、昨年こうした状況を打破する手を打ちました。法律上の制限を一気に超えて定年を引き上げ、高齢者の雇用と技術を守るというメッセージを強烈に発信しました。と同時に中高年齢者キャリアプラン制度改革を始めたのです。
 中高年の社員に対するキャリアデザインミーティングを実施し、そのうえで一定年齢からの就業条件に時短コースや週2日勤務コース、あるいは職責制限コースなどのオプション、および早期退職制度(退職金割増と再就職支援や独立支援などのフォローを拡充)を設定しました。そして会社と本人との間で忌憚のない議論を重ね、互いにとって最良の選択肢を見出すのです。
 実際に1対1で具体的に話してみると、「後進にポストを譲り、自分は週に2日くらいの勤務で彼らをアドバイスする立場で仕事をしたい」、「早期退職割増金があるならそれを元手に地域貢献事業をやりたい」などという考えが顕在化してきました。結果として総固定費をあまり膨らませることなく、個々人のビジョンを最大限に活かすWIN-WINの関係構築に成功しています。
 なにより、法律を超えた制度で社員を守るという会社からの強いメッセージが社員をどれだけ惹きつけたか計り知れません。とかく労働関連法規の改定は、その規制強化の側面、使用者を締め付ける面がフォーカスされがちですが、考えてみればおおむねそれは労働者保護や労働環境改善の理念から出発するはずのものです。法改定の理念を真摯に受け止め、自社の仕組みに活かすというアプローチで自社のルールを見直してみることは大変有意義なことです。

掲載日:2012年12月25日


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