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HOME > 経営をよくする > 人材活用の決め手

人材活用の決め手 中小企業の大きな経営資源である人材について採用から育成までのポイントをわかりやすく紹介します。


人づくり応援 −事業を支える人材育成−

ハラスメント対策講座

第5回:発生時の対応

「ちょっと、相談がありまして」
 経営者や役職者、管理部門として仕事をしていれば、時折従業員から投げかけられる言葉です。見ると、なにやら思いつめた様子。「ん、退職の相談か?まあ、よくあることだ。思い直すよう説得できるだろう」と、百戦錬磨の貴方はなかば達観しています。
 ところが、相談者から出てきた言葉に唖然とすることになります。
 「実は、E部長からセクハラを受けています。どうにかして下さい。知り合いの弁護士に相談して訴訟の準備も始めています」
 想定外のこの告白に、どう対応しますか。

迅速で適切な対応を

所定の対応担当者がいるなら、その者が対応します。基礎的な知識や見識が無い者が誤った対応をとることで、ことがいっそう重大になる場合があります。もし、相談者=被害者の精神的なダメージが既に大きく切迫感のある場合、緊急措置を施します。すなわち、加害者たる者に対し、当該行為が相談者にとって不快で職務に悪影響を及ぼしている可能性があるという事実を表示し、まずはその行為を控えさせることです。また場合によっては、当事者を隔離するということも検討します。しかし、もちろんこれは中小企業にとって簡単な話ではありません。その場合には、相談窓口など管理部門や経営がその当事者のコミュニケーションを暫く重点的にウォッチする必要があります。

緊急措置の次には迅速かつ公正に事実確認を行います。日時、場所、行為の具体的態様、目撃者の有無、頻度等を具体的かつ詳細に把握します。当事者双方の聴取はもちろん、メールや電話の履歴、メモなどの証拠を詳細に確認します。場合によっては、周囲の従業員にもヒアリングをすることも合理的ですが、その場合には慎重にも慎重を期して、当事者のプライバシーの問題や風説等の抑止に注意を払う必要はあります。

事実確認のプロセスで重要なことは、なによりも調査担当者の中立性と事実を推定する根拠の客観性です。これも中小・ベンチャー企業では思うより難しいことです。大企業の人事部やコンプライアンス室といった、普段から現場とは業務的にも組織的にも、さらには座席など物理的にも比較的離れていて独立性を保たれている窓口がこの調査を担当するならばよいのですが、中小・ベンチャー企業はそうはいきません。調査を担当する管理部長と、問題の当事者である事業部長とは、創業来、財務と営業とで会社を牽引してきた両輪であり、同志的関係であったりします。

あるいは元の上司と部下の関係であることもしばしばです。そんな状況で中立性を維持するのは現実的には難しいことです。ついつい「E部長がそんなことをするはずはない」「相談者のFさんは、大体、仕事があまりできないわりに言いたいことをヌケヌケ言うところがある。きっとFさんの問題だろう」とバイアスがかかります。裁判官のように日常からトレーニングを積んでいるわけではありませんから、多少の心象の偏りは仕方ありません。それだけに重要なことは、証拠、客観的な事実、事象を整理することです。

聴取内容は、単語を替えずに記録をしておいて下さい。確かに、性格的な傾向はあるかもしれません。しかし、予防的な意味合いでその傾向、性格を整理しておくことと、問題が表出して後の事実確認の時点でのそれとを混同して使ってはいけません。万一裁判となったときにも証拠として客観性が認められるだろうか、というくらいの気持ちで証拠には向き合って欲しいものです。

場合によっては、相談者から相談があった初期段階で顧問の弁護士や社労士、人事のコンサルタント等、あるいは状況に応じては警察への一報も入れておくということも対応マニュアルの1つに入れられることをお勧めします。

掲載日:2011年11月21日


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