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HOME > 経営をよくする > 人材活用の決め手

人材活用の決め手 中小企業の大きな経営資源である人材について採用から育成までのポイントをわかりやすく紹介します。


人づくり応援 −事業を支える人材育成−

中高年のキャリア再考講座

第3回:制度面の整備

本連載の第2回では、積極的に高齢者を活用している例をいくつか挙げました。当然これらを有効に運用し、成果を継続的に出すためには制度による側面支援、仕組みづくりが重要な要素です。

ぶれない信念が必要になる

例えば、従来の定年を超える高年齢者を継続(もしくは再)雇用するにも、賃金や評価は何を根拠に適用するのか、退職金の算定と支払はどうするのか、役職をどう処遇するのかなど、いろいろ検討すべき点があります。確かにそう簡単な話ではありません。ましてや、ベンチャー企業に多い例ですが、専門的知識の豊富な中高年齢者を中途採用する際、当人の求める条件と既存社員の処遇とのバランス、理屈付けなどが敏感な問題になります。

例えばITベンチャーのA社の例です。
 社長以下20代~30代前半のメンバーが創業来、寝食を共にし、同じ夢を見て一心不乱に仕事をしてきました。ようやく成長期を迎え、将来の上場も視野に入れようと、大手上場企業B社から経理のベテランC氏をスカウトしました。

C氏は新卒入社以来30年近くB社の経理畑を歩み、年俸水準はA社でも群を抜いて高いのですが、この水準を維持するという条件でA社に転職してきました。ところが、これがA社に思わぬ波紋を広げることになりました。時を置かず、誰からともなくC氏の年俸はA社全員に知れわたります。

「なぜ、現場で稼ぐ自分たちよりも定型業務のCさんの給与が高いのか。評価を明らかにしてくれ」
 「あんなに融通の効かない彼を今、わざわざあの年俸で招く必要があったのか。若手で頑張る2人を採ったほうが良い。年俸のテーブルを明らかにして欲しい」
「彼が部長職を名乗ることに納得ができない。実際にはD君が取り仕切ってるじゃないか。 役職の要件をはっきりしてくれ」
等々、不満が噴出しました。これに対して社長は、明確な根拠やポリシーをもって社員達に説明し、納得させることができませんでした。極端な話になると、こういった方の入社がきっかけで、社内の輪が乱れ、信頼関係が綻び、組織が崩壊するという例さえ見えます。

中高年齢者を改めて積極活用しようと踏み切るに際し、パーフェクトではなくて構いませんが、ぶれないポリシー・信念の通った枠組みを見直す必要があります。

例えば大多数の大企業では、法対応として「60歳定年は変えず。法に沿って段階的に65歳まで有期で再雇用」としています。さらにそのうちの大半は、再雇用時の給与水準は定年時の6割程度に一律固定としています。大企業の論理ならこれを押し通せるでしょう。

しかし、ある程度高齢者に依存せざるを得ない中小・ベンチャーはそう簡単ではありません。営業職や技術職など、特に従来と変わらぬ役割や貢献を果たすことが可能な職種において、年齢を経ることだけを根拠に給与が半減するというのもどこか心理的にすっきりせず、モチベーションを下げてしまいがちなものです。

例えば、定年後のキャリアの選択肢を複数提示する企業が増えています。定年退職を選ぶ道、就業日数を減らして心身に余裕をもって仕事を継続する道、役職は降り後進指導に重きを置いて日々の業務をこなす道、あるいは、早期退職をしてセカンドキャリアを歩む道など。こういった選択肢を前提に、定年前の50歳頃から定期的に会社と本人とで一緒にセカンドキャリアを考え、コンセンサスを得ていくというプロセスを経ます。そして、本当に会社と本人が望むキャリアを共有し、共に実現していくという試みが増えています。 ひとつのあるべき姿かもしれません。

掲載日:2011年8月29日


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