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HOME > 経営をよくする > 人材活用の決め手

人材活用の決め手 中小企業の大きな経営資源である人材について採用から育成までのポイントをわかりやすく紹介します。


人づくり応援 −事業を支える人材育成−

技能を承継する仕組みづくり講座

第5回:コミュニケーションの円滑化と組織風土の改善

技能伝承のほとんどが、最終的に一定の期間を要して人から人へと直接伝えられます。その典型的なケースが、伝承する者は現場ひと筋に人生をかけてきた50代、一方の伝承される者は子供のような世代であることです。そして双方のプライドや苦手意識が邪魔をして、コミュニケーションがうまく図れないため、技能伝承どころではなくなってしまうというシーンを見受けます。

熟練技能者の側からは、「教わる立場の若者に意欲・熱意がない」「基礎的な技術や知識さえも持っていない者には技能など伝わらない」「忍耐がなさ過ぎる」といった声や、「そもそも礼儀がなってない奴に、なにかを教える気にもなれない」「身だしなみが気に食わない」といったレベルのコミュニケーション障害を多く見聞きします。
 一方の教わる側にも言い分はあります。「言葉が難しい」「もっと丁寧に教えてほしい」「仕事に関係のないこと(身だしなみや言葉使いなど)ばかりうるさくて、教えてもらう気になれない」「若者に追い抜かれるのが嫌だから本当は教える気がないのではないか」などなど。
 日本には伝統的に“飲みニケーション”という言葉があります。熟練者は起死回生を狙って飲みニケーションを持ちかけます。ところが最近の若年層は、剣もほろろにこれを断ってしまうことが多いようです。それでは企業(あるいは人事)としてどうすればよいのでしょうか。

飲みニケーションの例にも見受けられますが、近年のビジネスパーソンは以前と比べてオンとオフ、すなわち仕事とプライベートとを明確に切り離して捉えている面があります。とはいえ、仕事や会社に対するロイヤルティの要因が根本的に変わってしまったわけではありません。結局は、理念や戦略を認識し共感できる会社、仕事にやりがいを感じられ、また成長を描ける職場、信頼できる上司を求めています。
 職場における共通言語(共通のキーワード)は、コミュニケーションにとって1つの重要な要素になります。経営理念や行動規範、評価基準の文言などは、この点でも大切な役割を果たします。仮に世代間ギャップによりプライベートな話題や時事ネタがなかなか噛み合わない者同士でも、仕事では通じ合う共通言語を用いることで、ある程度価値観を共有できます。概念的な側面だけではなく、実務的な面でも経営理念や行動規範、あるいは評価基準書等を大切に意識しましょう。そして技術的・専門的な言葉をより簡単で明確な言葉で共通化するためにも、マニュアル化や業務のフロー化、スキルマップ化などの「見える化」が重要になってきます。

また、機会を設ける仕掛けも必要です。例えば、教育担当者制やペア制・メンター制といった枠組みを設けることによって、1対1のコミュニケーションの機会を促すことも1つです。あるいは、評価のフィードバック面談、キャリアプラン面談やライフプラン面談など、技能に限らずより多面的にお互いを知り合う機会を促す企業も見られます。
 多くの場合、コミュニケーションのトラブルは些末な事象やちょっとしたボタンの掛け違いで発生します。これらは互いの人間性や価値観の理解不足、あるいは年月を経ることで醸成される“情”が深まっていない場合に起こります。仕事に対する本質的な価値観や目標、あるいは互いの人間性などをわかり合える機会を経れば、当然コミュニケーションは円滑さを増します。

次回(最終回)は技能伝承に取り組むための具体的な実施策についてみていきます。

掲載日:2011年2月14日


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