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HOME > 経営をよくする > 人材活用の決め手

人材活用の決め手 中小企業の大きな経営資源である人材について採用から育成までのポイントをわかりやすく紹介します。


人づくり応援 −事業を支える人材育成−

技能を承継する仕組みづくり講座

第4回:仕組みづくりの実際(2)

会社として技能の基礎的な部分を伝える、あるいは技能伝承の周辺の環境を整える施策を実施したうえで、最終的には属人的技能の伝承をいかに円滑に実現するか、という課題に至ります。

この属人的な技能の伝承については、やはり最終的にはOJT、つまり伝承する側である熟練技能者と伝承される側の人が日々の仕事を一緒にするなかで、地道に積み重ねることが軸になるでしょう。その場合、“教える”“教わる”というアクション自体も属人的になりがちです。そのことはすなわち、質・量に極めて大きなブレが生じやすい性質を持つということです。

企業としては、ある程度人事的なマネジメントを施してその質と量のブレを最小限に抑え、技能伝承をより円滑かつ効果のあるように進めることができます。例えばある企業では、あるタイミングで被伝承者に社内検定を実施して技能をテストすることにより、伝承の成果を測定します。

このように、成果をマネジメントする方法もありますし、一方でOJTの量そのものをマネジメントする事例もあります。熟練技能者からOJTを直接受けるべき最低限の時間を、伝承されるべき者に設定し、一緒になって伝承技能に取り組んだ時間を記録します。「社内熟練技能者のAさんと一緒にaの作業を最低のべ○○時間行う。Bさんとはbの作業を最低のべ△△時間一緒に取り組む。それをそれぞれA・B両氏が認定すること」などの設定をし、その量をマネジメントします。

こうすることで最低限の品質を保つとともに、課題を抽出して改善につなげます。同じような作業について、同等の時間を費やしているのに、ある者は成熟度が低く、ある者は高いという差が出た際に、その者の基礎スキルに違いがあるのか、それとも伝承者側にムラがあるのか、他に環境要因があるのか等です。

そして、責任の明確化とコミュニケーションの円滑化を促すため、伝承する側とされる側とに担当制を設定する会社も多く見られます。いわゆる、「教育担当」というものと同様の発想です。

これは伝統的な徒弟制度に近いイメージで、長期わたり公私ともども面倒を見させるマンツーマン方式をいまでも採用する企業も多くあります。これを採る場合、人事として少々配慮しておくべき点は、社内派閥ができる危険性があるということです。社内で内向きの政治的な駆け引きがその一端でも見られたならば、即座にその連鎖を止めるべく対処する必要があります。

またその一方で、マトリクス的な担当分担によって効率化を狙う企業もあります。この技術についてはA氏が担当、この技術についてはB氏が担当という具合に、熟練技能者の中でもさらに得意な領域に分割し、それぞれを各メンバーに伝えてもらう、というようなやり方です。

この場合、伝承される側も、複数の熟練技能者から伝承を受け、バランスよく伝承されることが期待できます。しかし、どうしても浅く広く、細切れの技術になってしまいがちでもあり、場合によっては責任の所在が曖昧になり、ヌケ・モレが発生することがあります。責任の明確化という意味では、伝承の成果や質・量を、評価や処遇に反映させるケースも多くなっています。

このようにさまざまな視点で、会社として技能伝承を支援する仕組みを構築していきますが、仕組みでは解決し難い面もあります。繰り返しますが、ここで言う「技能」は、本当の意味でのコアな技能であり、最終的には属人的なものです。

多くの場合、年齢や立場、人生経験のまったく違う者の間での、まさに「理屈ではない」レベルの技を伝承するわけです。ゆえに「基本的なコミュニケーションが円滑にいかない」「根本的な仕事に対する価値観が合わない」というコミュニケーションのギャップが致命傷になります。

次回は技能伝承という視点から、企業として必要なコミュニケーションに対する取組みについてみていきます。

掲載日:2011年2月 7日


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