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HOME > 経営をよくする > 人材活用の決め手

人材活用の決め手 中小企業の大きな経営資源である人材について採用から育成までのポイントをわかりやすく紹介します。


人づくり応援 −事業を支える人材育成−

技能を承継する仕組みづくり講座

第3回:仕組みづくりの実際(1)

企業の競争力の源泉となるコアな“技能”は属人的なもののため、その伝承には時間を要します。企業(なかでも人事)としては、さまざまな環境や仕組みによる支援体制を敷くことが必要となります。
 その基礎となるのが、伝承する者、される者、そして会社の3者それぞれの信頼関係です。それにはまず安定的な雇用環境、安心して仕事ができる職場環境の実現が土台となります。現代社会においては、さまざまな雇用形態の従業員で会社は構成されています。

現代のビジネス環境や労働市場の成熟に鑑みても、労働の流動性・多様性が求められていることに異論の余地はありません。しかしその一方で、多くの企業が変わらず毎年春になると新卒の新入社員を定期採用し続けていることも事実です。この背景には、組織内の年齢構成のバランスを図ることで事業の継続を安定的なものにするとともに、真っ白な段階から自社の経営理念・価値観、基礎教育を叩き込んだ正社員を中心に、自社のコアノウハウである技能の伝承をじっくりかつ円滑に進めたいという思いもあることでしょう。日本特有の新卒定期採用にもそういうメリットが含まれていることは確かなようです。

もちろん、必ずしも新卒採用にこだわる必要はありません。この厳しい時代ですから、数年は新卒採用を見送らざるを得ない企業も多いことでしょう。中途採用や非正規雇用あるいは短時間勤務社員など、それぞれのワークスタイルを通じて自社の技能を受け継ぎ、発展させ、そしてまたつぎに伝承していくという育成のスパイラルを構築することが重要です。そのために重要なことは、前回のテーマにもあったように、1つにはベールに包まれがちな技能をできる限り見える化し標準化すること、そしてもう1つは、従業員が自律的に技能伝承に取り組むように仕掛けをすることです。

その仕掛けの1つが伝承の機会、後押しの機会を会社としてできるだけ設けることです。まず考えられるのが、研修という場を設け、標準化して伝えられるものはここで伝えることです。ある企業では社内の熟練技能者を講師として、定期的に社員に講義の場を設けています。これには2つのメリットがあります。1つはもちろん、伝承される側がきちんとした機会を得て落ち着いて学べることです。そしてもう1つは、伝承する側、すなわち講師を務める熟練技能者自身の訓練にもなります。

熟練技能者はよく、「技能は感性だ。先輩の仕事を見て盗め」と言います。実際、多くの企業ではその考えのまま、日常の業務以外には伝承の機会を特別に設けていません。しかし、あえて熟練技能者に研修講師を担当させることによって、かえって彼ら自身が自らの仕事を積極的に整理・分析し、標準化および伝承の重要性に気付きを得るケースがあります。こういったアクション(研修の実施やマニュアル化、技能マップの作成等)に対して手当てや処遇によって報いるという支援を行うことで、自律的な伝承を側面支援する企業の事例もあります。人事としてはこういった支援策をいろいろと検討してみてもよいでしょう。

また、熟練技能者の作業を映像化して自由に視聴できるようにするなど、それを教材とした勉強会・自主研修会を奨励する事例もあります。あるいは、周辺知識・基礎知識を社外の試験や学習機関で学んでくることを補助・奨励する会社も見られます。多くの会社で取り入れられているQCサークル運動やカイゼン運動といった社内キャンペーンの発想も、必ずしも直接的に熟練技能の伝承を目的としたものではなくとも、会社として技を成熟させ伝承していく環境づくり、または仕掛けの1つといえます。

図
掲載日:2011年1月31日


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