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HOME > 経営をよくする > 人材活用の決め手

人材活用の決め手 中小企業の大きな経営資源である人材について採用から育成までのポイントをわかりやすく紹介します。


人づくり応援 −事業を支える人材育成−

技能を承継する仕組みづくり講座

第2回:技能・技術の見える化

技能伝承へのアプローチは、熟練者のノウハウを"標準化できるもの"と"標準化できないもの"とに分けることから始まります。つまり、ものづくり、サービス等における「技」を、「技術」と「技能」とに分けるのです。

前者の技術とは方法や手段のことであり、後者の技能とは属人的な能力を指します。方法や手段を指す技術は、科学的なアプローチで形式知化=「見える化」し、標準化または自動化することが比較的容易です。自動化やアウトソーシング、拠点移動など技術移転を進められる部分は進めていくことが必要となるでしょう。

また、属人的なスキルについても、実は多くの部分がIE(Industrial Engineering)等を用いることによって形式知化し、伝承しやすいものに仕訳けすることができます。そして、熟練者による極めて属人的な技能、すなわち自社固有のノウハウというものを向上、伝承させることに経営資源とマネジメントを注力させることが重要です。

代表的な見える化の例を挙げてみましょう。

(1)工程分析
 作業・生産の工程を1つひとつのプロセス要素に分解し、プロセスチャートや業務マニュアルなどを可視化します。熟練者の仕事をできる限り標準化し、非熟練者のレベルアップを早期に促します。
 また、工程におけるムリ・ムラ・ムダがあれば、削除・結合・並替・簡素化などの作業改善を実施します。

(2)時間分析
 ワークサンプリング等を使って標準時間を設定し、作業者や環境によるムラ・ムダをあぶりだすことにより、それらを改善します。

(3)進捗管理
 (1)で実施したプロセスがどのように進捗しているかを明らかにし、目標と現状とのギャップを把握し、対策を打ちます。すなわちPDCAのサイクルをまわします。

(4)判断基準の見える化
 熟練者の技には、非熟練者にはわらない判断基準が存在します。しかし、多くの場合、それはさまざまな環境や対象物の状態を、過去の膨大な経験すなわちデータの蓄積に基づき、多面的な根拠に基づいて判断を下しています。そのプロセスを可能な限り数値化・可視化することで、熟練者の下す判断に近づきます。

(5)スキルマップ
 熟練者の技は、複数のスキルがいくつも連なって組み合わされています。これらを分解すると、ある程度は個別の作業のスキルに仕訳けられる場合があります。これらをマップにして1つずつ潰していくという育成プロセスをとることでベースアップを図ります。

図

以上に代表的な見える化の視点を記しましたが、これらを通じての目的は、あるべき姿(熟練技能者の技)と現状(非熟練者)とのギャップおよびあるべき姿への道筋(プロセス)を明らかにし、常にその進捗を明確に認識する仕組みをつくることで、スキルのベースアップと自律的PDCAを実現することです。
 人事の役割は主にこれらの取組みを側面支援することです。その方法も例えば、QCサークル運動などに代表されるように企画で機会を創出するか、または評価制度に組み込んで処遇等として応じるか、敢えて研修化して時間を確保するか、あるいは風土の醸成を通じて実現していくかなどが考えられます。

次回は、人事の立場から技能伝承をどのように仕組みとして構築していくかについて述べます。

掲載日:2011年1月24日


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