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HOME > 経営をよくする > 人材活用の決め手

人材活用の決め手 中小企業の大きな経営資源である人材について採用から育成までのポイントをわかりやすく紹介します。


人づくり応援 −事業を支える人材育成−

仕事力強化講座

最終回:組織全体の仕事力を高めるには

仕事力強化講座も最終回となります。いままで部下・後輩の人材育成のための「キャリア開発の進め方」「職場でのメンタルケア」「コミュニケーションの重要性」などについて述べてきましたが、最後に現場のリーダーとして、組織全体の仕事力を高めるための方法について述べます。

1.組織における人材の分布

人事の世界では、「2:6:2の法則」と呼ばれる説があります。それはどのような組織でもメンバーの能力発揮度合いは、優秀・中間・非優秀の比率が概ね2:6:2に近い数字になるというものです。
 これをもう少し詳しく説明すると、以下のようなイメージになります。

  • 上位2に属する人:自ら問題意識を持ち、仕事に対して情熱を燃やして取り組むタイプ(自燃型人材)
  • 中間6に属する人:上位、下位の間で揺れ動いているタイプ(他燃型人材)
  • 下位2に属する人:仕事に対する問題意識がなく、冷めているタイプ(不燃型人材)

リーダーが組織の人材力を高めるため、これらの人材タイプ別に対応するには大きく以下の3つのアプローチ方法があります。

  1. 自燃型人材により大きな仕事を与え(権限委譲)、その成長を促す。
  2. 他燃型人材を自然型人材に転換することで、組織の人材の底上げを図る
  3. 不燃方人材はその価値感・指向性にあった仕事への再配置を検討する

以下ではIIIについて、リーダーが行うべき対応についてより詳しく説明します。

2.効果的な権限委譲の方法

権限委譲は、リーダーの後継者の育成に効果があり、リーダーができる部下に自らの仕事上の権限を分け与える(委譲する)ことで、上のレベルの仕事を経験させ、その成長を促します。しかし単に権限委譲すれば部下が成長するといった単純なものではなく、効果的に権限委譲を行うためには、いくつか注意すべきポイントがあります。以下の表にその代表的なものを挙げます。

<効果的に権限委譲を行うためのポイント>
ポイント 内容
1.できる人材に任せる 現在の仕事で精一杯になっている人ではなく、できる人(できそうな人)に任せること
2.報・連・相をまめに受ける 任せた部下が間違った方向に行っても、すぐに軌道修正できるよう、報告・連絡・相談の機会を多く設けること
3.適時アドバイスする 部下の行動を観察し、迷っているようだったら適時アドバイスすること、ただし自分で考えさせる時間は与えること
4.最終結果に責任を持つ 結果が失敗に終った場合、その責任は上司であるリーダーが全面的に取ること(部下に責任転嫁しないこと)
5.評価をフィードバックする 良い結果であればほめること、悪い結果であればどこが悪いのか伝えること、努力が足りなければ叱ること

3.他燃型人材を自燃型人材に転換するには

上述の権限委譲は、現在の担当業務を余裕を持ってこなしている、できる人材の育成には有効ですが、そのような人材は上位2に属する優秀層です。それでは最も多い中間6の他燃型人材を自燃型人材に変えるには、リーダーとしてどうすればよいのでしょうか。  それは一言でいえば、「他燃型人材の中で眠っている情熱を呼び覚ます(自分が変わらなければと思う)」ための場を演出することです。

<ディスカッションを主体とした場づくりの事例>
実施項目 内容
事前準備 1.環境の設定 なるべく普段の職場とは違った話し合いのための場所を確保する(会議室等)
2.テーマの設定 メンバー全員が参加できるテーマを設定する
(例:顧客満足度を向上させるには)
3.時間の設定 普段話せない本音も含めて話をするのであれば、通常のミーティングなどよりも長めに時間をとることが必要
4.進行予定の作成 自分自身がどう変わらなければいけないのか、個々に気づかせるための効果的な進行予定を作成する
  • ステップ1:顧客満足度が低い理由を挙げてもらう(不平不満の羅列)
  • ステップ2:不平不満をカテゴリーごとに分ける(例:製品、サービス、従業員等)
  • ステップ3:自分達でやれることを考える、出来ないことでも工夫できないか考える
  • ステップ4:スケジュールと役割分担に落とし込む
  • ステップ5:メンバーに決意表明をさせる
実施対応 司会・進行 限られた時間の中で、メンバーの本音を引き出す、自分の過去を振り返らせるための司会・進行を行う(どうすべきかの結論は言わない)

例に挙げたような取組みを継続的に行うことで、メンバーの問題意識や仕事のやりがいが高まり、組織全体の成果の向上を図ることが可能になります。  また、限られた時間の中でメンバーに考えさせる、あるいはその本音を引き出すためには、メンバー間のコミュニケーションを活性化させるための「ファシリテーション」のスキルが司会者(この場合はリーダー)に求められます。

【ファシリテーションスキルの例】

  • より活発に意見を述べてもらう(拡散モード)、議論の結論をまとめる(収束モード)といった、モードに応じた効果的な質問方法
  • メンバーの話を引き出すための、発言・うなづきといった傾聴方法
  • メンバーの発言のポイントを黒板・ホワイトボードなどに要領よく記録・特定する方法
  • メンバー間で意見対立があった場合に、意見調整するための調整方法

4.おわりに

少子高齢化による国内マーケットの縮小、新興国の台頭による日本の国際競争力の低下など、中小企業を取り巻く環境には予断を許さないものがあります。
 このような環境下で企業が生き残っていくためには、従業員の1人ひとりが自燃型人材として、どうすれば環境変化に適応していくことができるのか、知恵を絞ることが必要です。そのような従業員づくりは、上に立つリーダーが各人に期待する役割を明示し、仕事上の課題を与えながら、不断にその育成を図るための行動を取り続けることでしか、実現できないと考えられます。

掲載日:2010年12月13日


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