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HOME > 経営をよくする > 人材活用の決め手

人材活用の決め手 中小企業の大きな経営資源である人材について採用から育成までのポイントをわかりやすく紹介します。


人づくり応援 −事業を支える人材育成−

パート戦力化講座

第3回:パートタイマースキルアップのための仕組みづくり

少子高齢化の影響で労働力人口が減少していく中、いかに人材を確保していくかが企業の大きな経営課題になっています。労働市場が買手市場である中でも、中小企業の多くが人材確保の難しさに悩まれているようです。
 いずれにしても、今後どのような企業でも従業員一人ひとりのスキルややる気をアップさせ、より少ない人数でオペレーションできる体制を確立する必要があります。

以下では、少数精鋭を前提としたパートタイマーの戦力化策のありかたについて事例を交えながら解説します。

1.スキルアップのポイント

パートタイマーの戦力化には、大きく分けて「スキルアップ」と「モチベーションアップ」の2つのアプローチがあり、そのうち前者については一般的におおむね以下のような流れで施策を展開していきます。

【ステップ1】パートタイマーの担当業務を明確に定義し、対象者に明示する
【ステップ2】パートタイマー個人の能力・適性を把握する
【ステップ3】個人の能力とやって欲しい仕事とのギャップに基づき、上司が育成計画を作成し、適時支援を行いながら計画的な人材育成を図る

具体的にステップ1については、パートタイマーの担当業務を洗い出します。パートタイマーの活用が進んでいる小売業等では、パートタイマーが行う作業を職種やレベルごとに具体的に記述し、どのようなスキルが求められているかの全体図(スキルマップ)を作成し、バックヤード等に掲示することで、パートタイマーが向上心を持って働けるように工夫されています。
 また、それぞれの作業については、実施ポイントがマニュアル化され習得状況がチェックできるような全社的なインフラ整備も併せて行われています。

<スキルマップ>
スキルマップ

ステップ1でのインフラづくりが終わった後、ステップ2では個々のパートタイマーに対して作業を実際に行わせ、その能力レベルを把握します。具体的な能力レベルの把握は、マニュアルの実施ポイントをチェックリスト化し、それに基づきでき栄え・スピードをチェックします。

<作業マニュアル・チェックリスト>
作業マニュアル・チェックリスト

個人のスキルレベルが把握できた後、ステップ3ではパートタイマー本人と上司とが話し合い、到達すべきレベルとその期限を設定した上で、上司が育成計画を作成し、それに基づいて進捗管理を行うことで、計画的な人材育成を図ります。

<育成計画>
育成計画

このように、パートタイマーのスキルアップには、全社的なマニュアル整備等をはじめとする時間や手間を要することとなりますが、従業員のスキルアップを継続的に図っていくためには、これらの仕組みづくりが不可欠であると考えます。

2.モチベーションアップのポイント

つぎに「モチベーションアップ」のため、一般的に以下のステップで施策を行っていきます。

【ステップ1】個人の指向性(何に仕事のやりがいを見出しているのか)を把握する
【ステップ2】個人の指向性にあった施策を検討し、実行する

スキルアップのステップには、個人の能力・適性の把握がありましたが、モチベーションアップのためのステップ1では、仕事の何に対してやりがいを見出すのかといった一人ひとりの指向性を把握し、その指向性に合った動機付けを行うことが重要になります。

<本人の指向性(やりがい)と仕事の適性イメージ>

●人から評価(感謝)される事がやりがい→接客、レジなど顧客と接する仕事向き
  ●他人との競争に勝つ事がやりがい→個人営業など、結果が数字で出やすい仕事向き
  ●コツコツとモノづくりにやりがい→事務、補充など個人のペースで取組みやすい仕事向き

このようにパートタイマー一人ひとりのやりがいを把握した上で、上司には日々のマネジメントの中で動機付けに有効な手段を適時選んで実行していくことが求められます。 具体的な一例として、米国の臨床心理学者ハーズバーグが行なった実験では、「給与」や「労働条件の改善」などの要因は不十分であれば従業員が不満を感じる一方で、仮に十分に充足しても従業員の動機付けにはあまり有効でなかったのに対し、「仕事の達成感」や上司をはじめとする周囲からの「承認」、「責任の重い仕事への配置」などの要因は十分であればある程、従業員が満足を感じ仕事に対して前向きに取組むための動機付けに有効である事が証明されています。
 簡単に言えば、日々の仕事の中で仕事ぶり(でき栄えや早さなど)を常に評価し、できた時には褒め称えることで仕事の達成感を味あわせ、さらに権限委譲を行ない重要な仕事を部下に積極的に任せることなどで、部下の動機付けを図っていくことが上司には求められています。

<衛生要因と動機付け要因-ハーズバーグの動機付理論より>
衛生要因と動機付け要因-ハーズバーグの動機付理論より

3.おわりに

以上、全社的な施策レベルや上司による動機付けについて述べてきましたが、パートタイマーのスキルアップ、モチベーションアップを継続的に図っていくためには、日々の指導にあたる上司の資質が非常に重要になります。
 コンサルタントの立場からこの点について述べますと、組織力を高めながら安定的に成果を出し続ける組織のトップには、以下の3つの共通した特徴があります。

<組織トップに求められる3つの特徴>

(1)仕事が好きで常に仕事の事を考えている
  (2)顧客・取引先や部下など、相手の感情変化に対して敏感である
  (3)組織のあるべき姿・将来のビジョンについてイメージを持ち、常に周囲に熱く語り続けている

中小企業をより効率的に運営するためには、組織のトップは1人でよいかもしれませんが、より企業の成長を図っていくのであれば、自分の分身としての管理者・従業員を多く育成する必要があると言えるでしょう。

掲載日:2010年10月25日


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