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HOME > 経営をよくする > 人材活用の決め手

人材活用の決め手 中小企業の大きな経営資源である人材について採用から育成までのポイントをわかりやすく紹介します。


人づくり応援 −事業を支える人材育成−

パート戦力化講座

第2回:パート雇用に必要な労務知識

パートタイマー労働の特徴は「短時間労働」「有期契約」であり、個人によって労働条件が異なるため、雇用管理には社員以上に注意が必要です。また個人情報保護法に対応して応募者・採用者の個人情報を適切に管理することも近年求められています。

以下では、パートタイマーの応募受付から契約までの労務管理面でのポイントを流れに沿って解説します。

1.募集要項作成のポイント

(1)業務内容

パートタイマー戦力化講座の第1回では、パートタイム労働法施行に伴う留意点について解説しましたが、仕事の内容や労働時間が社員と変わらないパートタイマーについては、社員と同様に処遇を行う、あるいは社員に登用する必要が生じてきます。したがって、定型作業を行うパートタイマーを募集する場合には、「販売」などの包括的な表現よりも、業務内容の範囲を明確に定義することが望ましいといえます(例:製品運搬、バックヤード整理、清掃等)。

(2)労働時間・休日

パートタイマーの労働時間は、同じ事業所で働く社員の1週間の労働時間(例えば週40時間)よりも少ない時間で労働時間を設定する必要があります。 休日の日数については、「毎週少なくとも1回の休日」または「4週間を通じて4日以上の休日」を設定する必要があります。また、入社から6カ月を経過した場合には、年次有給休暇を付与する必要があります。

(3)時間給

パートタイマーの多くは時間給契約となっていますが、その下限額は最低賃金法に基づき都道府県・産業別に最低賃金として定められており、この金額を下回って雇用した場合、企業に罰則が適用されます。

最低賃金は毎年見直されるため、自社に適用される最低賃金額がいくらになるのか、定期的にチェックを行った上で、最低賃金額以上の金額で時間給を設定する必要があります。

(4)福利厚生
a)雇用保険

31日以上雇用される見込みがあり、1週間の所定労働時間が週20時間以上となる場合には、雇用保険に加入させる義務が生じ、週の労働時間によって被保険者区分(失業手当の給付日数等に違いがあります)が違ってきます。

b)健康保険・厚生年金

パートタイマーが健康保険・厚生年金の加入対象になるか否かは、同じ事業所で働く社員の労働日数、労働時間などを基準に判断することになり、「1日または1週の所定労働時間が社員のおおむね4分の3以上である場合」または「1か月の所定労働日数が社員のおおむね4分の3以上である場合 」は原則健康保険・厚生年金に加入させる義務が生じます。

2.応募者の受付

2005年4月に「個人情報保護法」が施行されてから、個人情報を5,000件以上取り扱う企業(個人情報取扱事業者)では、顧客・取引先・従業員などからその個人情報を収集する際には、利用目的を本人に明示することが義務付けられています。

応募者についても採用選考に入る前に、個人情報の取扱いについて本人から同意書を得る必要があります(採用時にはあらためて同意書を取ることが必要になります)。また、業務上必要のない個人情報は保有しないことが原則とされており、例えば不合格となった応募者の履歴書等は不合格決定時点で返却(あるいは廃棄)する必要があります。

3.採用時および契約更改時の対応

採用時には、本人と合意した採用条件について労働契約書または雇入通知書を作成し、本人に対して交付します。また、その控えを会社が持つことで、本人との合意内容を記録として残しておくことも必要です。

なお、労働契約を更新しない場合には、契約満了日の30日前までにその旨を本人に通知する必要があり、それ以降になると解雇予告手当として、平均賃金(過去3カ月間に、その労働者に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で除した金額)×30日分以上を支給する必要があります。契約満了時の対応については、トラブルに発展しやすいので、あらかじめ所管の労働基準監督署等に相談することが望ましいです。

4.おわりに

1993年に「パートタイム労働法」の施行以降、パートタイマーへの年次有給休暇、雇用保険の適用などでの労働条件整備が進んできました。一方、その雇用管理のための時間や法定福利費などの直接コスト、あるいは管理のための事務コストは増大する傾向にありますが、今後パートタイマーの有効活用のために、企業としてどのような対応が必要になるのでしょうか。

1つの事例として、1980年代以降、継続的な業務改革により衣料スーパーから世界的な小売業にまで成長した企業では、パートタイマーと社員との仕事の区分を明確に分けており、具体的にはパートタイマーでできる仕事を洗い出して、できない仕事(クレーム対応、現金管理など)のみに社員を配置することで、仕事内容と賃金水準のバランスを図り、生産性を向上させています。

パートタイマーは大きく学生、フリーター、主婦の3つの区分に分けられますが、最も定着しやすい主婦層の多くは、実質的に所得税が課税されない年収103万円以下での仕事を希望しており、仕事の内容に見合った賃金水準を設定し、安定的に仕事をしてもらうことが本人、会社の双方のニーズに合致します。

パートタイマーの社員登用も重要な課題ですが、パートタイマーとして勤務することを望んでいる従業員が納得できる仕事に見合った賃金設定がより重要なのではないでしょうか。

掲載日:2010年10月19日


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