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HOME > 経営をよくする > 人材活用の決め手

人材活用の決め手 中小企業の大きな経営資源である人材について採用から育成までのポイントをわかりやすく紹介します。


人づくり応援 −事業を支える人材育成−

仕事力強化講座

第2回:スキル・キャリア開発の進め方

前回は、現場で部下・後輩のスキルやモチベーションを高めるためのリーダーの3つの条件、すなわち「考える習慣」「イメージ力」「コミュニケーション」について話しました。今回は部下のスキル・キャリア開発について、どのように指導していけばよいかをお伝えします。

1.キャリアアップのためのスキルの身に付け方

人事コンサルティングの世界では、従業員がおおむね100名を超えると、組織の維持のために人事制度(資格等級制度、評価制度、教育研修など)が必要になると言われます。それは、企業がある一定規模を超えると計画的に管理職・監督職を育成する必要が生じてくるからです。

人事制度があってもなくても、企業の中では組織の上に立つ管理職と中間層の監督職、そして一般社員それぞれに求められる能力はおおむね同じです。具体的にどのような能力が求められるかについて、米国の大学教授だったカッツ氏が提唱した理論を用いて説明します。

カッツ理論:組織管理者に求められる能力
カッツ理論:組織管理者に求められる能力
(1)一般職に求められる能力

入社して最初に求められる能力は、作業を行うために必要な知識・技能を身に付けることです。この段階では、決められた手順・スピード・でき栄えで基準どおりに作業できるかどうかか求められます。また、組織人としての最低限の規律性(遅刻・早退・欠勤などの状況、社内ルールの遵守度)も求められます。

(2)監督職に求められる能力

つぎのステップである、売場主任などの監督職に求められるものは対人能力です。例えば、部下に対してはその力量を評価し、動機付けを行いながら一人ひとりの人材育成を図っていく評価育成力、取引先などと交渉し有利な条件を引き出す折衝交渉力など、「人を動かす力」が求められます。その反面、一般職に求められていた知識・技能が能力全体に占める割合は少なくなっていきます。

(3)管理職に求められる能力

さらに上の管理職に求められるのが概念化能力、わかりやすくいえば自分の頭で情報を分析し、解決策を見つけていく能力です。また、自らの考えを数多くの部下や関係者に伝えるためには、わかりやすい言葉や図でまとめるといったスキルも求められます。

今後、少子高齢化の中で他産業からの参入や大企業による市場の寡占が進んでいくと、どのように他との差別化を図っていくのかを考え、組織全体を正しい道に導いていく概念化能力がますます重要になっていきます。

2.部下・後輩のスキル・キャリア開発をどのように設計すべきか

(1)仕事に対する価値観を踏まえた、計画的な人材育成

部下・後輩をこれから組織の上に立つリーダーとして育成するためには、「1.キャリアアップのためのスキルの身に付け方」で述べてきた能力を計画的に身に付けさせる必要があります。しかし、以前と比べて全体的に社員の昇進意欲が明らかに低くなっている状況を踏まえると、個々人の仕事に対する価値観を踏まえながら、動機付けを行うことが重要になります。

また、一般職時代に監督職の仕事、監督職時代に管理職の仕事を経験することで、自分に隠れていた能力に気づいたという話もよく耳にします。そのような権限委譲による人材育成も検討すべきでしょう。

(2)仕事・生活に関する中長期的な計画づくり

昨今話題になっている「ワーク・ライフバランス」とは、生活と仕事とのバランスを取りながら暮らすことです。部下・後輩が自らの今後のキャリアを考えるためのきっかけとして、自分と家族のライフサイクルを踏まえて、中長期的にいつどの程度の支出があり、そのために必要な収入をどのように確保していくのか、あらかじめ計画を立てさせることも手段として有効です。

中長期計画のイメージ
中長期計画のイメージ

今後、日本でも米国のように富裕と貧困の二極分化が進むと予想されており、経済的な安定を求めていくのであれば、仕事の上でそれなりに努力していくことが必要になると実感させるべきでしょう。

3.おわりに

中小企業は大企業と比較して、総じて賃金水準・労働時間・福利厚生などの労働条件面で劣位にあると言われています。したがって、従業員のキャリア開発は容易ではありませんが、従業員一人ひとりが自らの労働価値を高めることで、企業としてより大きな成果を目指していくことをあきらめてはいけないと思います。

部下・後輩の成長と企業の成長を両立させることが、リーダーである皆さんには求められているのではないでしょうか。

掲載日:2010年10月19日


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