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HOME > 経営をよくする > 人材活用の決め手

人材活用の決め手 中小企業の大きな経営資源である人材について採用から育成までのポイントをわかりやすく紹介します。


愛される採用! −人材を採用する−

株式会社クオリティ・オブ・ライフ チーフプランナー 常見陽平

株式会社クオリティ・オブ・ライフ
チーフプランナー 常見陽平

【プロフィール】
常見陽平(つねみようへい)
人材コンサルタント、作家、大学講師

【経歴】
リクルートを退社後、メーカー勤務を経て現在クオリティ・オブ・ライフにてチーフプランナーを務める

【著書】
『就活のバカヤロー』(光文社新書)
『最強「内定」請負人 就活の答え』(講談社)
など、著書多数

その人材、本当に必要ですか?

「何百人も集まる説明会」に意味はあるのか

最近、ある都市で中堅・中小企業の人事担当者約100人の前で講演しました。会場は満席。熱気ムンムンでした。皆さん、実に熱心にメモをとっていました。

セミナー終了後、多数の方から質問を受けました。そこから出た質問に中堅・中小企業の採用の課題を改めて感じた次第です。

「社長が、何百人もの前で講演したいと言っています。どうやったら実現できますか?」

なるほど、はっきり言って難易度が高いですし、時代に逆行していますね・・・。大手企業でも、少し地味な企業になると何百人も集客するのは困難ですし、たとえ定員に達したとしてもセミナーのキャンセルが相次いで当日は半分しか来ないなどということがザラです。さらには、そもそも何百人も集める意味は何なのでしょうかね。ここ数年、採用活動で問われているのは、「分母」ではなく「分子」です。つまり、「何人もの人を集めた」というだけではなく、「その中に何人、採りたいと思える人がいたか」ということが問われる時代になっています。就職ナビなどで大量に集めて、大量に落とす採用からいかに脱却するかがカギになっています。説明会は何百人もの前で行うものよりも、むしろ、採りたいと思った数十人を集めてテーマを絞ったセミナーを開いたり、社長の講演会と質問会を開くようなやり方にシフトしています。

もちろん、社長の気持ちも分からなくはありません。何百人もの人を集めることによって、「ウチの会社もこんなに期待されているんだぞ」と社内にアピールする意味があるのでしょう。他にも、大量の学生にアプローチすることにより、学生内でのクチコミを広めていくという狙いも。さらには、たくさんの学生と接点を持つことによって、本当に自社に必要な学生は誰かとリサーチする意味もあるのでしょう。

でも、よっぽど伸びていてお金が余っている企業なら別ですが、採用を目的とした場合、これらの取組みは普通に考えると大きな無駄にしか見えません。

「量」でも「質」でもこだわりすぎてはいけません

「量」にこだわる採用もそうですけど、「質」にこだわりすぎる採用に対してもクビをかしげることがよくあります。東大卒に代表される、ピッカピカのエリート校出身者を採れと人事部に指令を出す社長がいます。

気持ちはよくわかります。先ほどの「ウチのセミナーに何百人も来たぞ!」と同様、「ウチにも東大卒が入ったぞ!」と社内にアピールして鼓舞したり、取引先からの信頼を勝ち得ようとするわけです。学歴論争はいつも根拠もなく炎上気味になるのですが、高学歴の人が採れるにこしたことはないようにも思えます。そもそも新卒採用の意義の1つは、自分より優秀、昨年よりも優秀な人材を採ることにより組織を活性化するところにあります。

ただ、現在起こっている問題はその定着ですね。別にエリート校出身者に限らず、企業での人材マネジメントの課題は、人材の定着です。そもそも新卒の学生は全体でみると入社3年以内に約35%が離職しています。中堅・中小企業でもせっかく採用した人材が離職することが課題になっています。特に「エリート校出身者」に代表されるような、今まで採れなかった人材、世の中で「優秀」だとくくられている人材ほど、離職しやすいのです。例えば、最近の採用活動では「イノベータータイプを採れ」「起業家タイプを採れ」がキーワードになっていますが、これらの層はもっとも採用しづらく、辞めやすいタイプです。実際、起業家タイプを採用すると1年、2年くらいで起業してしまうわけです。大胆に、あふれんばかりのやりがいのある仕事を与え、彼らがもっとも活躍できるように組織の雰囲気も変えていかなくてはならないのです。

もちろん、採用活動は組織を変える大きなチャンスです。「何百人も集まる説明会を実施しろ」「東大を採れ」も大きな仕掛けだとは思います。人事担当者の皆さんは、今一度社長に「その意味はなんですか?」と問いかけてみて、社長の本気度合いを確認してみてはいかがでしょうか?経営者の実現したいことを実行するのもプロですが、経営者の判断が間違っていると感じたら突っ込みを入れるのもプロです。

量・質ともに、その人材は必要なのかと今一度問いかけてみましょう。

掲載日:2011年8月 1日


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