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HOME > 経営をよくする > 人材活用の決め手

人材活用の決め手 中小企業の大きな経営資源である人材について採用から育成までのポイントをわかりやすく紹介します。


愛される採用! −人材を採用する−

株式会社クオリティ・オブ・ライフ チーフプランナー 常見陽平

株式会社クオリティ・オブ・ライフ
チーフプランナー 常見陽平

【プロフィール】
常見陽平(つねみようへい)
人材コンサルタント、作家、大学講師

【経歴】
リクルートを退社後、メーカー勤務を経て現在クオリティ・オブ・ライフにてチーフプランナーを務める

【著書】
『就活のバカヤロー』(光文社新書)
『最強「内定」請負人 就活の答え』(講談社)
など、著書多数

魅力のない企業などない 独自性、優位性を棚卸ししよう

「原君、どこ行ってもうたんや...」

昨年、こんなキャッチコピーの求人広告がネット上で話題となった。兵庫県伊丹市にある従業員数30名以下の中小企業が、リクナビNEXTに掲載したものである。

画面には社長が苦悶する表情がアップになっていた。広告は社長の独白という形式になっている。数年前に採用した原君はまったく仕事をしない。タバコを吸いに行ったかと思うと、そのまま戻ってこないこともしばしば。仕事上のミスも多いという。しかし、50歳を過ぎた彼をクビにしたら、もう再就職先がないのではないかと思い、雇い続けることにしている。

そんな彼も一部の業務ではピカイチ。彼に限らず、社員の長所を活かすことを大切にしている。小さな企業だが信頼されており、シャープなど大手企業も取引先になっている。今回の募集でも原君以上の人が採れたら御の字。応募者のあなたに会社の未来を期待している...。そんな広告になっていた。

 

自社の魅力を抽出してみる

数々のネットニュースで取り上げられたので、ご存知の方もいらっしゃることだろう。この広告は大反響となり、1名の応募枠に対して70名以上のエントリーがあったという。

ただ、笑えるようで、実はこれこそ中小企業の採用のノウハウが凝縮されている広告なのではないかと私は評価している。パフォーマンスが低い社員に対しても愛を持って接する経営者の魅力、大手企業からも信頼されていることなどが伝わるものになっている。

中堅・中小企業の採用はなんと言っても魅力の抽出がカギである。「ウチには大手と比べて、魅力的な要素が何もない」という人もいることだろう。そんなことはあるまい。そこで働く社員がいること、支持してくれる顧客が1社でも1人でもいる限り、そして経営者が事業を継続したいと思っている限り、そこには何らかの魅力があるはずである。

魅力の抽出はつぎの切り口で行うとよい。これは『面接の強化書』(岩松祥典著、翔泳社刊)で紹介されている視点なのだが、「企業の特徴」「仕事の魅力」「組織風土の魅力」「待遇」の4つである。この4つの切り口で棚卸しをしていこう。この際、社員へのヒアリングや、取引先の評価などは参考になるだろう。独自性(自社ならではのもの)、優位性(他社と比べて優れている部分)という切り口で探していこう。

「とはいえ、探してみたが、特に優れたものはなかった」という方もいるかもしれない。ただ、そんな時こそ外部の視点が必要である。自分たちが普通だと思っていることが、実は求職者にとっては大きな魅力になっていることもあるのだ。また、別に世の中全体のナンバーワン、オンリーワンでなくても構わない。例えば○○市内、小分類した業界内など、範囲を区切ってみると意外にナンバーワン、オンリーワンの項目は見つかるものである。

 

プチ武勇伝も用意しよう

魅力を棚卸ししたら、それを求人票、採用広告、入社案内、説明会、面接での質疑応答などにおいて求職者に伝えなければならない。その際に工夫したいのが、その魅力を物語るエピソード、「プチ武勇伝」を用意することである。例えば、「人を大切にする会社です」と言うだけでは求職者は信用しない。根拠がなければダメなのである。前述した広告の事例で言うと、タバコを吸いに行ったらそのままいなくなるようなダメ社員がいたとしても、年齢などを考慮してクビにはせず、長所を伸ばすということがプチ武勇伝だと言えるだろう。経営者および採用担当者はこのようなプチ武勇伝を多数用意し、求職者に魅力を伝えるとともに、応募し、働く上での不安を解消する努力をしたい。

中堅・中小企業で働く魅力は、ある。その魅力とプチ武勇伝の棚卸しに取り組もう。

掲載日:2010年10月19日


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