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元気印中小企業


分野と内容を広げて成長持続 [松本鉄工所]

元気のひみつ
  • 製紙業を支えてきた実績と新領域への展開
  • トップの決断力
  • 顧客や取引先との信頼関係構築

 松本鉄工所の本社工場は“紙の街”苫小牧にある。松本紘昌社長は3代目。1948年(昭23)に松本社長の祖父が創業した同社は製紙業との縁が深い。苫小牧から全国の製紙工場に出向き、設備の面から日本の製紙業を支えてきたといっても過言ではない。だが80年代には紙の需要増加は鈍化。いつまでも製紙関連の仕事だけにこだわっていたら、同社はなくなっていたかもしれない。「製紙関連で培った技術とノウハウを生かし、仕事の分野と内容を広げてきた」(松本社長)ことが成長を持続できたポイントだ。
 製紙工場の設備の中で心臓部に当たるのが抄紙機。長さ230メートル、幅10メートル、高さは3―4階建てのビルに匹敵する巨大な設備だ。その据付工事が同社の始まり。創業者である祖父はもともと製紙会社の従業員で、製紙設備のことを知り尽くした人。「当時、抄紙機据付の専門業者はなかった」(同)ことから、地元の製紙工場から同社にも声がかかった。どんなに高性能な抄紙機でも、据付方が悪ければその機能を発揮できない。据付は紙の品質を左右する極めて重要な作業だ。

抄紙機据付国内シェア70%

 祖父の指揮の下、苦労しながらも1台目の据付が成功。2台目、3台目と実績を積み重ねるうちに全国の製紙工場から発注が舞い込むようになった。これまでに据付を手がけた抄紙機は200台程度。約70%の国内シェアを誇る。据付実績の伸長に伴い、製紙工場がある地域11カ所に設備のメンテナンスを行うための拠点も設置。このようにして主力事業の基盤を形成していった。
 紙の需要が増え続けていれば、この事業だけで食いっぱぐれはなく成長していけるわけだが、何事も変化するのが世の常。80年代には紙需要の伸びが鈍化したのに加え、設備が大型化したことも、据付とメンテの仕事量減少につながった。70年に入社し、88年に3代目社長に就いた松本社長は事業領域の拡大へとかじを切った。据付、メンテだけでなくモノづくりも行い、製紙以外の分野にも打って出る。顧客である製紙会社だけでなく、抄紙機メーカーとも信頼関係を築いていたことが事業領域の拡大を可能にした。
 まずメンテに必要な部品を少しずつ作り始めた。部品を作るための加工機械が増えてくると、抄紙機の一部を作ってほしいという依頼もくるようになった。それが製紙以外の設備や機械の受注へとつながっていく。松本社長はこの過程を「人とのつながりに恵まれた」と振り返る。これまでに手がけたのは自動車アルミ鋳造部品洗浄機、産廃処理プラント、飛行機やフェリーの搭乗橋などいろいろ。札幌ドームの開閉式可動席の開発・製造も受注した。自動車部品洗浄機では「できたものが頑丈すぎて、求められているものを適正コストで作ることが大切と顧客から指導を受けた」(同)こともある。
 全国のメンテ拠点は製紙関連以外の受注を獲得するための営業拠点としても機能している。売上高に製紙関連が占めるウエートは現在60%程度。当面国内の製紙工場が全てなくなることは考えにくく、松本社長は「これからも製紙関連が主力であることは変わらない」と強調するが、製紙以外をさらに伸ばし、50%くらいにするのが理想的なバランスだと見ている。抄紙機メンテには残存者利益も存在する。需要減少を受け、抄紙機の重要構成部品であるロールを修理するための大型設備を抄紙機メーカーから5年前に買い取った。これに伴い、ロール修理の依頼は海外からもくるようになった。

自動車部品に挑戦、社員の士気高める

 メンテ体制を強化する一方、今後伸ばしたいと考えているのがオリジナル製品の開発・製造だ。松本社長は「自社製品はメーカーの夢。社員の士気を高めるために、もっと人目につくものも作りたい」と語る。もう一つ考えているのは自動車部品生産へのチャレンジ。これまでは大物の受注生産一辺倒だっただけに、もし実現すれば初の量産品となる。
 ちなみにトヨタ式カイゼンはすでに導入しているが、「社内にコスト意識をさらに徹底させる」(同)ことを狙っている。製紙関連事業を主力としながら、モノづくりと顧客の製造現場支援にこだわり、事業領域を広げていくという松本社長が敷いた路線は当面継続されることになりそうだ。

ロールを修理する大型設備

ロールを修理する大型設備


Onepoint

技術者集団が柔軟に活躍

 松本鉄工所は社員の多能工化を進め、機動性の高い技術者集団を築き上げている。これが事業領域拡大の原動力だ。便宜的に製紙分野とそれ以外を担当する部隊を分けているが、社員は柔軟にどんな仕事もこなす。抄紙機メンテはある程度計画的に進められるが、据付は一定期間必要人員を割かなければならない。社員が何でもできれば据付期間中も、そうでない時も人員を効率的に配置できる。これが全社員が新事業にも目を向け、何事にも全社一丸で取り組む社風につながっている。

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企業データ

松本紘昌社長

松本紘昌社長

会社名 (株)松本鉄工所
代表者 松本紘昌社長
業種 産業機械の設計、製造、据付、メンテナンス
所在地 北海道苫小牧市晴海町28-1
電話 0144-55-1155

掲載日:2014年4月 3日

北海道

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