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元気印中小企業


日本市場向け小物類を新興国で生産 [茅]

元気のひみつ
  • メリット多いバングラデシュで生産開始
  • 中国との生産分業でリスクも分散
  • 合弁から独資に切り替えた苦労が結実

 茅は、バッグやポーチなどの小物類のメーカー。生産品は全てOEM(相手先ブランド)で供給し、企画から販売まで手がける小売店に納めている。生産は全て海外の子会社が担当。これまでは中国の拠点で展開していたが、2014年にバングラデシュでも生産開始し、より安定した供給体制の構築に取り組んでいる。

20年以上前から、海外生産

 小物類はこれまで全て、中国の自社工場で手がけてきた。創業から10年も経過していない1989年、韓国の縫製メーカー、ドゥ・オール(現ベストン)と合弁会社を設立。韓国に工場を置き、93年に中国・広東省へ移転した。当初は国内工場に生産を委託していたが、安価な人件費と生産許容量の多さで海外に進出した。国内では生産数が多いと断られることもあったが、海外ではまずない。量産が肝の小物類には好都合だった。
 海外拠点は操業当初、製造を相手企業に全て任せていたため、販売に耐えない製品が多かった。日本市場の基準にかなうよう、日本から品質管理担当者を送り込んで質の向上に努めた。
 だが、合弁会社は相手のいることだから、なかなか一筋縄には行かなかった。相手との考えの違いが浮き彫りになり、操業当初に比べれば生産物の品質は向上してきたが、一定以上にはならなかった。現地在住の日本人は数人で、工場のイニシアチブはベストンが持っていたため、発言力に違いがあった。国民性もあってか、汚れや縫製不備などで日本市場では耐えられない小物類を返品しようにも「少々の不備には目をつぶれ」とすごまれる始末。日本市場特有の“微妙な感覚”を浸透させることは、明らかに無理だった。
 しかし、日本国内の人件費は上がる一方で、生産回帰はあまりに非現実的。従業員に「日本市場で戦える品質」を徹底的に理解してもらうしかない。退路は断たれた。07年、ベストンとの合弁解消を決定。独資に切り替え、従業員を再雇用した。相手から出向してきた従業員には退職金や、持ち株評価額の支払いなどで苦労はしたが、それを乗り越えてでも製造物の品質安定化は成し遂げるべき課題だった。
 現在では、9割以上の良品率を確保できるようになるまで改善。10年、中国の小物類市場への進出も果たした。
 しかし、中国工場を取り巻く環境は激化してきた。急激な経済成長につれ、従業員1人あたりの基本給は月3万円を超え、2012年の人件費は前年から4000万円高騰した上、尖閣諸島問題に端を発した政情不安が相次いだ。製品への価格転嫁が難しい上、中国一辺倒では製品供給が難しくなることが予想され、新興国であるバングラデシュでの生産を決めた。

親日的で好感がもてる新天地

 縫製業界の多くは同様の理由で低賃金の東南アジアに触手を伸ばしていた。だが材料は中国から調達の必要があり、運搬費などを考えると、比較的経済が成熟しているタイやベトナムではコストメリットが低い。さらに人件費の安い周辺国に狙いを定め、本社のある千葉県船橋市の企業が進出しており、縫製が主力産業であるバングラデシュへの進出を決めた。
 今年1月、地元のタオルメーカー「タイガーリミテッド」と合弁を組んで「カヤ・タイガー・バングラデシュ・リミテッド」を設立し、首都ダッカ市の建物を借り受けて、2月に稼働。従業員90人で、タイガーから受注したトートバッグ月産5万個生産でスタートした。ゆくゆくは同10万個を目指すとともに、生産品目を増やして、中国からの一部生産移管を考えている。視察で接した現地人は陽気だ。親日的かつ勤勉で好感が持てる。
 当然、送電網や道路、港湾の整備やリードタイムは課題だが、長くかかる納期を逆手に商機を見つける。背広を持ち運ぶためのカバーなど、時期での繁閑の差が小さく、計画生産が可能な製品に参入したい。いろんな局面で培ってきた経営に直結する本質を見すえて突き進む姿勢の修練がより求められていく。中国とバングラデシュの二輪体制を武器に、今後も小物業界に一石を投じていく。

バングラデシュ工場

バングラデシュ工場


Onepoint

日本市場向けの生産も視野に

 「小物類はたくさんのものを、どれだけ安く供給できるかが重要だ」と池谷一憲社長は語る。日本から韓国、中国、バングラデシュと生産拠点を移してきたのは、変わり続ける環境の中で安定した製品を届けるための方策だ。バングラデシュ工場は、中国工場からベテランの従業員を派遣して技能の向上に取り組んでいくという。当面は海外市場向けの製品を手がけるが、日本市場向け生産も視野に入れている。OEM供給のため、普段手に取る小物類が茅製とは気付きにくい。知らないうちに茅製バングラデシュ産の製品を手にする日も近いかもしれない。

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企業データ

池谷一憲社長

池谷一憲社長

会社名 (株)茅
代表者 池谷一憲社長
業種 バッグなど小物類の製造販売
所在地 千葉県船橋市本町7-8-11
電話 047-426-3428

掲載日:2014年3月28日

千葉県

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