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元気印中小企業


水中作業をなくし保守の苦労から解放 [イシザキ]

元気のひみつ
  • 保守の苦労から解放するバルブを開発
  • これまで世の中にない製品で販売伸ばす
  • 部品の内製化に向けて新しい要素技術に挑戦

 イシザキは1935年設立の老舗企業で、水槽から水をくみあげて使用する揚水システム向けに液体の逆流を防ぐためのチャッキバルブを製造・販売し、長年の実績を築いている。一方、住宅設備に使われる衛生陶器やパイプ、住宅建材用タイルを扱う「商社」の顔をもつ。2013年10月より石崎製作所から社名変更し、業容拡大に向けた取り組みを進めている。新生イキザキの成長をけん引する製品が「フートバルブ」だ。顧客から幅広く受け入れられ、発売以来3年間、年率2倍以上の成長率で販売を伸ばしている。

市場調査で本当のニーズを探る

 フートバルブとは、揚水システムのポンプの吸い込み管の入り口に取り付ける弁のこと。従来は管の末端に付き、水槽の中に没した状態にある。点検や交換の際は水から引き上げるか、引き上げが難しい場合は槽から水を抜き、水を抜けない場合は潜水士が潜って作業している。水中では保守が大変なのに加え、弁がさびついて劣化する問題もあった。これらを解決するため、イシザキが開発したのが地上につけるフートバルブである。
 開発したきっかけは、チャッキバルブの改良を目的にした市場調査のなかだった。「たくさんのお客さまが吸い込み側のフートバルブの保守で非常に苦労していることがわかった。何とか助けてあげたいという思いから、地上に設置するフートバルブの開発に乗り出した」と千葉和典執行役員は振り返る。
 開発したフートバルブは、設置場所が吸い込み管の末端ではなく、地上の管の途中にある。常に地上にあるため、さび付きがなく、簡単に点検できる。吸い込みがしやすいように弱めのスプリングと弱い力でも水を止められるように軟らかいパッキンを採用した。「これまで世の中になかった製品だが、水中のフートバルブを使い続けてきたお客様にとっては、地上につけたほうが手入れがはるかに楽だとイメージしやすい」と千葉執行役員は製品の特徴を説明する。
 フートバルブを使う揚水システムは、工場の冷却水循環ライン、浄水場の送水ライン、ビルの空調向け水循環ラインなどがおもなところだ。同社は当初、工場の冷却水循環ライン向けにターゲットを絞り、年商1億円以上の大手製造業の工場を訪問した。「水中のフートバルブを使っていて困り事はないですか?地上につけるフートバルブを紹介しますと提案すると、お客様からは『そんな製品があるなら使ってみようか』と打てば響く感じの反応が返ってきた」(千葉執行役員)と手応えを得た。
 初めに製品化したフートバルブは鋳鉄製だったが、13年6月からステンレス製の販売を始めた。鋳鉄製は水を吸い上げる際の抵抗が高いため、浅い場所からしか水が吸えず、使用できる現場に制限があったためだ。ステンレス製にすることで抵抗を下げ、水槽のすべてのゾーンで利用可能にした。また、ポンプを動かすエネルギーも省力化でき、従来よりも電気代を節約できるメリットがある。さらに重量は鋳鉄製の半分以下のため、ふたを開けるなどの作業の負担が大幅に軽減される。

10年で全バルブの置き換えが目標

 同社はステンレス製の本格量産にあたり、新しい要素技術に挑戦している。溶接や樹脂切削の技能、経験のある人材を確保し、茨城工場(茨城県茨城町)に専用の装置も導入した。これまで鋳鉄製バルブしか手がけていなかったため、ステンレス製バルブをつくるのに必要な溶接や樹脂加工の技術を持っていなかった。「当初は外注に出していたが、製造コストがかさむため、社内でもできるように取り組んでいる」(同)という。社内でトレーニングを重ね、14年春からは部品を全て内製化できる見通しだ。「内製化することで改良のアイデアも得られるようになった」(同)と取り組みの効果を実感している。これからはフートバルブの大型化にも対応する方向だ。
 同社は社名変更に合わせて「見えないノゾミをカタチにする」という経営スローガンを掲げている。この言葉を具現化する形で、顧客ニーズをくみ取り、開発した製品が地上につけるフートバルブだ。ポンプは国内で年間300万台の需要があり、このなかにフートバルブの市場が含まれる。同社の目標は「国内で稼働する揚水システムの水中フートバルブをすべて地上につけるフートバルブに10年で置き換える」(同)こと。この目標に向かって日々、営業活動に励み、生産体制を整備している。

地上につけるステンレス製フートバルブ

地上につけるステンレス製フートバルブ


Onepoint

海外展開も視野に

 イシザキのバルブ事業はこれまでチャッキバルブが柱だったが、今後はフートバルブを新たな柱に育て、売上の2本柱をつくる構想をもつ。地上につけるフートバルブは世の中にない新しい製品のため、水中のフートバルブを置き換えることで、販売を大きく伸ばす余地がある。懸念されるのは類似製品が出回ること。同社はこれを防ぐため、地上につけるフートバルブの基本特許の権利化と海外向けの特許出願を完了した。国内で一定の成果をあげた暁には、海外展開を視野に入れる。

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企業データ

石崎智之会長

石崎智之会長

会社名 (株)イシザキ
代表者 石崎智之会長
業種 チャッキバルブ、フートバルブの開発・製造・販売、リフォーム商材の専門商社
所在地 東京都大田区久が原5-29-14
電話 03-5700-2811

掲載日:2014年3月26日

東京都

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