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元気印中小企業


国内唯一の耐熱線専業メーカー [日本耐熱線工業]

元気のひみつ
  • 特殊な耐熱電線というオンリーワン技術を確立
  • オリジナル装置(特許取得)が他社の追随を許さない
  • 「教わるより学べ」精神で失敗を恐れない社風

1000度Cに耐える絶縁電線

 耐熱線とは耐熱絶縁電線のことで、セラミック素材を絶縁材料としており、1000度Cの超高温に耐えられる。日本耐熱線工業は国内唯一の耐熱線専業メーカーだ。同社は湿式絶縁電線被覆製造装置(フェルティング被覆装置)を開発し、独自のフェルティング被覆技術を確立した。
 同装置は無機絶縁物を液体に浮遊させ、その懸濁液を注入したスピンドルを急回転することで、スピンドル内部を通過する金属線(導体)に絡みつけ、スピンドル上部に設定されたばね板のたわみで導体に均一にフェルト状に被覆する装置で実用新案特許を取得している。
 同社は1954年に創業。75年に石塚敏夫現社長にバトンタッチされた。以来、76年にマイカ、ポリイミドや繊維などを使用した複合型耐熱電線を製品化したのをはじめ77年にセラミックフェルト電線の開発に着手し、79年にセラミック素材の原料生成を完了。89年に「セラミックファイバー絶縁電線」の製品化にこぎ着けた。さらに高温用(600度C)の同軸ケーブル、ワンタッチ式誘導加熱コイル、防水型マントルヒーター、半導体ジャケットヒーター(特許取得)など数多くの製品を市場に送り出した。
 中でも、1000度Cに耐えるセラミックファイバー絶縁電線の製品化はブレークスルーとなった。当時、耐熱電線の絶縁材料はアスベスト(石綿)が主流だったが、それでは500度Cが限界の上、環境面でも問題視されつつあった。そこで着目したのがセラミックファイバーだ。

オリジナル装置で他社もまねのできない製品を生産

大手製紙メーカー出身で電気、サイエンスを熟知した化学専門の技術者と展示会などでサンプルを収集するなど新素材が出れば試作を繰り返す日々が3年続いた。その結果、89年に電線素地にセラミック糸を含んだ薬剤をフェルト状にコーティングする独自の「セラミックフェルティング技術」を確立した。ここに1000度Cの超高温にも耐える「セラミックファイバー絶縁電線」が誕生した。
 絶縁素材として新素材が出ればそれに着目、試作を繰り返し被覆材にセラミックを導入、1000度Cの電線が生まれたのだ。1000度Cに耐えるのは絶縁体で、材料と被覆方法に特徴がある。これがフェルティング方式で、コンパクトサイズも被覆できる利点がある。「他の素材を使って1000度Cの絶縁電線をつくるとコンパクト化が難しい」(石塚社長)という。しかも同方式だと密接に被覆できるので、他の高温絶縁物と比較して高い性能が得られる。
 同電線は同社の主力製品に育った。オリジナル装置で生産しているので、他社もまねができない国内唯一の製品だ。しかも受注生産なので顧客の用途、条件に応じて仕様を変更でき、さらに絶縁構成を思考しながら要求に応えている。採用に至るまでは試作、実機テストを怠らない態勢をとっている。
 「販売実績を持つ絶縁電線でも新規の顧客に対しては必ずサンプル提供し、実機テスト結果を添えながら提案するのが通常のやり方」(同)で、顧客の指定仕様という形をとっているのが特徴。これが顧客から高い信頼度を得る要因になっている。しかも、これを短期間で行うため、社内に試作、テストの専門分野を設置している。
 この技術は国内外の展示会で高い評価を得た。しかも新しい技術には積極的に取り組み、専門家や公的研究機関の意見を取り入れながら、さらに新製品の開発を手がけ、用途も自動車部品製造用金型ヒーター、半導体製造装置、原子力関連の安全装置(チェルノブイリ実績)用ケーブルや高エネルギー加速器に必要な特殊ケーブル、溶鉱炉の省エネ対策用温測ケーブルなど旧来では考えられなかった耐熱絶縁ケーブルの完成に至った。

全社員が経営者の自負心

 同社のモットーは「教わるより学べ」。社員にはやるだけやらせて失敗してもやらせる方式をとっている。失敗したら自分で考える-独学精神である。「手取り足取りで教えては、頼られてまったく覚えない」(同)からで、試作も新人にやらせるという。電気、化学など必要な知識は専門書で学ばせるようにしている。それでも不明な点は先輩に聞く。
 この精神は経営者を筆頭に社員に引き継がれ、全員が一丸となって、開発者、生産者、管理者の立場だという意識が向上し、全員が経営者であるという自負心が芽生えている。

主力のフェルティング装置

主力のフェルティング装置


Onepoint

特殊品も汎用価格で販売

 石塚社長は「将来的に会社を単に大きくしようとは思っていない。現状のまま中身を濃くしていきたい。必要不可欠な設備投資はするが、量産化には走らない。常にオンリーワンを貫き、多品種少量生産という特徴を生かしたい」と語る。
 高い技術が幅広い分野の新製品を生み出しているが、試作、テストの費用は開発費として常に自社の予算に組み込み、製品単価には入れていない。顧客ニーズに合わせた製品づくり、特注品でも汎用(はんよう)価格で販売するという同社の特徴は不変だ。

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企業データ

石塚敏夫社長

石塚敏夫社長

会社名 日本耐熱線工業(株)
代表者 石塚敏夫社長
業種 電線製造
所在地 神奈川県川崎市中原区今井上町81の1
電話 044-738-0215

掲載日:2014年3月26日

神奈川県

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