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元気印中小企業


特殊ミシン使い存在感打ち出す [美泉]

元気のひみつ
  • 特殊ミシンを多用して差別化
  • 小回りの利く態勢でメーカーに応える
  • 技術を生かした自社製品を開発

2台のフラットシーマーを活用

 美泉は「フラットシーマー」と呼ばれる特殊なミシンによる加工を強みに、縫製業界で存在感を打ち出している。編んだような凹凸のない縫い代は肌触りがよく強度も高い。水着や婦人用肌着など高価格帯の衣料品の縫製に採用されている。
 フラットシーマーは整備に手間がかかり縫製技術が必要だ。2000年に導入を始め、現在は12台を運用。さらに10年には縫製技術の強みを最大限に生かした、自社ブランド新生児向け肌着に参入した。
 美泉は長崎県東部の諫早市にある。すぐ目の前に有明海が広がる本社工場には、さまざまなミシンが数十台並び、次から次へ生地を縫い進めるミシンの音がリズミカルに響く。水泳用キャップや婦人肌着など縫製された商品が、ここから年間10万―100万枚単位で生み出される。天井には電光掲示板が設置され、作業目標が進捗状況とともに表示されている。「縫製業は数と時間が勝負」と、井上孝輔取締役の説明にも力がこもる。
 同社の中心顧客は、大手スポーツウエアメーカーや下着メーカー。加工賃は縫製の種類や加工箇所の単価に応じて加工点数で算出される。そのため、いかに速く正確に価値が高い加工をできるかがカギになる。またトレンドが複雑化しているアパレル業界で、メーカーの増産要請に即応できる小回りの利く態勢も不可欠だ。
 そんな加工効率が求められる縫製業界にあって、美泉はフラットシーマーという特殊なミシンで差別化している。大手アパレルメーカーや縫製工場でも備える企業は少ない設備だ。一般的なミシンは1本の針と2本の糸で縫う。対して同設備は、5本の針と6本の糸で編み込むように縫う。縫い代は通常と比べて平らだ。縫製する面積が広いため丈夫でもある。水の抵抗を嫌う競泳用水着や、肌触りや耐久性が求められる婦人肌着の縫製に採用されることが多い。
 フラットシーマーを初めて導入したのは2000年。大手スポーツ用品メーカーから打診があり2台を設置した。以降、増設しながら現在は12台が稼働している。整備には0・1ミリメートル以下の精度が求められ、使いこなすにも技術が必要。縫製作業は熟練工が担当すると同時に、井上義松社長がアタッチメントを自作するなど使いやすさを追求している。
 このようにフラットシーマーは決して使いやすい設備ではなく、一般的には縫製部の一部に留めるケースが多い。だが美泉では積極的に活用する。それが他社と差別化できる大きなポイントであり、作業効率が要求される業界でも、1カ所の縫製の価値を高められる作業だからだ。

自社ブランドで売り上げの土台づくり

 10年にはフラットシーマーの活用を一歩進めた。フラットシーマーのみで縫製した新生児向けベビー服市場に参入したのだ。肌との摩擦が少なく、洗濯による縮みで生地が波打つことがない。それまで耐久性が必要な産科医院向け製品で培ったノウハウを生かして、自社ブランド「マルマイユ」を立ち上げた。
 自社製品へ参入した背景には08年9月のリーマン・ショックで経験した危機感がある。多くの業界でもそうだったように、取引先の大手企業からの受注が軒並み減少した。「顧客が生産調整すれば我々の仕事はなくなる。自分たちで仕事をつくる必要があった」と井上取締役は振り返る。
 自社製品は販売チャンネルを直販に限定することで中間マージンを省き、高品質低価格を打ち出した。安心安全志向が特に強い新生児向け市場は、国産品に優位性がある数少ない分野。その中で高品質と低価格を両立させて競争力を持たせた。30種に広がったラインアップのなかでも「新生児用短肌着 オーガニックコットン100%」は、地元長崎のデザイン賞「長崎デザインアワード2012」で大賞を受賞。すその形状やひもの長さなど機能に、素材や縫製のコンセプトを加えたデザインが、時代に合った細やかな心配りとして評価された。
 「自社製品の利益率は受託加工の3倍」(井上取締役)で、安定した売り上げ確保の期待がある。自社ブランド製品は売上高の1割弱を占めるまでに拡大した。現在はリーマン・ショックによる落ち込みから全社の売上高も回復。13年には設備の一部を自動化し、さらなる飛躍を狙う。

デザイン賞を受賞した新生児用短肌着

デザイン賞を受賞した新生児用短肌着


Onepoint

安全アピールで海外展開も

 自社ブランドの新生児肌着は、少子化で子ども一人にかける金額が増加している市場動向を意識して開発した。売り上げは順調に伸びており、メディアで取り上げられると反響も大きいという。今後も直販のメリットを保ちつつ、安定した販路を開拓していくことがカギになる。一度利用した顧客がギフトとして知人や親戚に贈るなど、口コミでの広がりやリピーターづくりが不可欠だろう。また日本製の安心安全を前面に打ち出すことで、海外市場を狙える可能性もある。

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企業データ

井上義松社長

井上義松社長

会社名 (株)美泉
代表者 井上義松社長
業種 縫製業
所在地 長崎県諫早市小長井町牧222の47
電話 0957-34-3213

掲載日:2014年3月26日

長崎県

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