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元気印中小企業


金属熱処理と表面処理技術でリード [松山技研]

元気のひみつ
  • コーティング事業に集中投資
  • 金型の耐久性高めるコーティング技術開発
  • 西日本地域へ市場拡大

 あらゆる金属は、製品になる段階で何らかの加工処理がなされる。熱を加えて硬くしたり、サビを防ぐために表面に防錆剤を塗ったりする。長野県上田市に本社がある松山技研は、金属の熱処理と表面処理を総合的に手掛ける。2012年には金型の性能を高めて超寿命化できるコーティング技術を新たに開発した。専用工場を増築して設備も整えた。部門横断の技術委員会も新設し、新技術開発にも力を入れている。
 松山技研のコーティング事業部が始めたのは、窒化チタンクロムアルミニウム成膜加工だ。金型や工具の表面に合金を皮膜させて耐久性を高める。皮膜と金型の密着力が高まり、高張力鋼板(ハイテン材)向けのプレス金型や、難易度の高い加工用金型に適している。
 従来、金型のコーティングに使われている窒化チタン皮膜の耐熱温度は約500度Cだった。また窒化チタンアルミ被膜では約900度になる。これに対して松山技研が開発した窒化チタンクロムアルミ成膜は約1000度C。高温での加工に適している。さらに金型と皮膜の密着力では、窒化チタンアルミの約2-3倍の性能を持つ。

工場増設し設備も増強

 すでに新技術を活用した自動車用プレス金型向けの加工も始めた。2012年9月には本社近くのコーティング工場を増設した。2階建てで延べ床面積は350平方メートル。2013年には洗浄機を更新して成膜加工前の金型の洗浄能力を高めた。さらに成膜用のアーク・イオン・プレーティング(AIP)コーティング装置も増設して3台体制にした。新設した装置は開発した窒化チタンクロムアルミ被膜専用の装置として活用している。
 松本秋夫社長は「当社の事業領域の中でもコーティング分野が一番伸びている。新規投資により設備に余力を持たせることができた。その部分を使って新たな技術研究を進めていきたい」と強調する。
 同社は熱処理、真空炉、コーティング、表面処理の4事業部で構成。売上高の約35%が熱処理、約25%が表面処理で占める。熱処理加工の中でも高いウエイトを占めているのが自動車部品。CVT(無断変速機)やカーエアコンのコンプレッサーなどの部品加工を手掛ける。建機や工作機械、航空機やロボット関連の受注も多い。大型旅客機のロットエンド(球面軸受け)も扱う。
 現在、同社が研究を進めているのが浸硫窒化だ。鉄に硫化鉄の表面層を形成して耐摩耗性を高める。駆動部分にオイルやグリスが不要になれば用途は一気に広がる。すでにカーエアコンのコンプレッサーなどで一部は実用化されているが、さらなる技術開発に期待が寄せられている。

技術委員会で研究開発を加速

 こうした技術開発を全社横断的に進めるため、同社は技術委員会を立ち上げた。表面処理や熱処理の研究開発を加速させ、同社の社業発展に寄与できるような技術、そして社会にも貢献できる技術を実現するのが狙いだ。付加価値を高める技術かつ特化性のある技術に狙いを定めるとともに、開発を通じて若手技術者を育成していくことも目指す。熱処理、真空炉、コーティングの3事業部から部門長と若手技術者、さらに松本社長を含めた9人で委員会を組織した。短期、中期、長期の計画を立てて、毎月、開発の進捗状況を確認する。
 松山技研は1970年に松山スキ工業協同組合として熱処理事業を始めたのが現在の会社の前身。農作業や土木・建設作業の機械化が急激に進展するのに伴い、今後は機械部品の熱処理加工が重要になるとして組合が設立された。その後、86年に組合の熱処理事業を松山技研に移管、同年には真空熱処理をスタートするとともに、88年にはカチオン電着塗装を始めて表面処理分野に進出。2000年にはコーティング事業を始めるなど、徐々に事業領域を拡大してきた。
 金属表面処理・熱処理の業界は設備産業のため、新規参入はほとんどないという。一方で廃業や転業も少ない。ただ、どう他社と差別化していくかも重要な課題となっている。製品の外観品質を高めたり、歪みの少ない熱処理を工夫したり、納期短縮に向けた取り組みを進めることで、受注の拡大を目指す。また市場拡大のため九州など西日本地域への営業活動も強化して、新たな顧客獲得にも乗り出している。

同社の技術でコーティングした金型など

同社の技術でコーティングした金型など


Onepoint

次のターゲットは西日本

 「自動車産業が集積する九州など西日本地域は、新たな潜在マーケットとして期待できる」と松本社長は意気込む。これまでは長野県や名古屋を中心とする東海、東京など関東が主なマーケットだったが、展示会への出展など技術力のPRにも力を注ぐ。技術を重視しており、大学との連携や試験機関の活用も積極的に進めている。新たなコーティング技術による新規需要と技術員会による新技術開発や若手人材育成が、事業拡大のカギを握る。

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企業データ

松本秋夫社長

松本秋夫社長

会社名 松山技研(株)
代表者 松本秋夫社長
業種 金属製品加工
所在地 長野県上田市長瀬1050
電話 0268-42-4063

掲載日:2014年3月19日

長野県

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