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元気印中小企業


沖縄の板金加工を県外に逃さない! [海邦ベンダー工業]

元気のひみつ
  • 設計から塗装、組み立てまでの一貫生産
  • 積極的な設備投資を新規受注につなぐ
  • 県外に出ていた仕事を技術力で獲得

 工場が営業マン-。海邦ベンダー工業は金属建具の製造を中心に、沖縄で板金など金属加工を手掛けている。一貫した生産体制と積極的な設備投資を強みに、従業員数約60人の中小企業ながら沖縄県内トップクラスの規模を誇る。これまで県外に発注されることが多かった仕事を率先的に受注。売り上げを伸ばしている。「やまとんちゅ(内地の人)に負けない」と神谷弘隆社長は力を込める。
 那覇空港から南に約10キロメートル。着陸体勢に入った旅客機を間近に望む、糸満市内の工業団地に海邦ベンダー工業はある。地元のシャッター会社を独立した神谷社長が、1985年にシャッターの施工業者として創業。金属加工に事業を広げながら規模を拡大し、2012年には現工場に移転した。現在は2棟の工場で設計や切断、プレスに曲げ、組み立て、塗装と一貫した加工体制を敷いている。「自社で焼き付け塗装までやる企業は県内に2、3社しかない」と、工場内を説明しながら登川将光専務は胸を張る。県内で珍しい、この生産体制が強みの一つだ。

年間顧客数は900社

 売上高の5割以上はサッシやスチール製ドアなど金属製建具の製造。ゼネコンや大手シャッターメーカーなど20社の顧客が売上高の7―8割を占める。一方で1年間に受注する顧客数は800―900社にものぼる。官公庁関連の仕事から飲食店、個人宅で使う金属小物まで幅広く手掛けているためだ。特に最近は大手ゼネコンがこれまで県外に発注していた仕事を受注するケースが増加。売上高は前期比10%以上の伸びをみせている。
 一貫した生産体制が強みとなるのは、沖縄にモノづくりがあまり根付いてなかったためだ。モノづくり企業や加工業者はもちろんあるが、四方を海に囲まれた点が輸送コストとリードタイムに壁となり、県外市場に進出することによる規模拡大を阻んできた。一方で沖縄県内の仕事が県外業者に出されることも多い。慣習的な部分もあり、現在もその状況は続いている。
 だがそこに海邦ベンダー工業は目を付けた。発注側としては輸送費がかかり納期が長い県外業者より、できれば県内で発注したい。そこで「本土の企業に頼めば最低1カ月かかるところを当社は2週間でやる」(神谷社長)。社内で一貫加工するため社外に出すコストも抑えられる。利益は確保しながら顧客にも価格面でメリットを出せる。結果として仕事の県外流出を食い止めることに成功している。 同時に「そのためには機械が必要」と神谷社長は話す。積極的な設備投資が一貫体制を支えるだけでなく、もう一つの強みになっている。「中小企業でも設備更新は積極的にやるべきだ。古い設備を自慢する人がいるが、モノを大事にすることと生産設備の更新とは話が違う」と言い切る。

仕事を呼ぶ設備

 その言葉には生産効率の追求とともに“設備が仕事を持ってくる”という実感が込められている。同社は04年に独トルンプ製レーザーカッターを導入。これによりステンレス12ミリメートル、鉄19ミリメートルまでの厚さの加工が可能になった。8000万円の大きな買い物だったが、いまでは同社の広告塔のような存在になっている。県内で導入されている唯一の設備であり、他社と差別化する大きな要因だからだ。
 そのため顧客を積極的に工場に案内する。設備を見た顧客は「こういうことはできるのか」と要望を口にする。その場で新たな発注が生まれる。技術への信頼の証明にもなり、顧客の多さにもつながっている。「工場が営業マン」たるゆえんだ。特に新工場に移転してからは、設備上の能力アップだけでなく従業員の作業環境も向上した。営業を統括する登川専務は「営業担当者は顧客を工場に連れてくるだけでいい、と社長から言われている」と笑う。設備への自信であり、従業員を誇りに思っている表れでもある。
 また登川専務は「今後はメーカー的な動きをしていく。高い技術を高く売りたい」と力を込める。公共事業の入札案件など受注品を製造する一方で、一貫生産体制を生かして既製品の生産も視野に入れる。安定した売上高の基礎を構築するためだ。県内の需要を県外には出さないとの気概がある。「まだまだ県内で取れる仕事はたくさんある」と、神谷社長はレーザーのように鋭く市場に切り込みを続けていく。

レーザーカッター(左)や加工設備が並ぶ工場

レーザーカッター(左)や加工設備が並ぶ工場


Onepoint

中小製造業の底上げに連携

 海邦ベンダー工業では製品加工などを他社に依頼する場合に「下請け」とは絶対に呼ばずに「協力会社」と呼ぶ。それは顧客から支払われた代金を自社が代表して受け取っているだけだ、との考えからきている。沖縄ではモノづくりの基盤産業づくりが進んでいるが、中小製造業者の底上げはまだまだ必要。そのためには企業同士が連携することによる技術アップが不可欠だ。これからも沖縄のモノづくりの一端をけん引する企業として、活躍を期待したい。

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企業データ

登川将光専務

登川将光専務

会社名 (有)海邦ベンダー工業
代表者 神谷弘隆社長
業種 金属製品の加工・製造
所在地 沖縄県糸満市西崎町5-14-9
電話 098-994-7465

掲載日:2014年3月14日

沖縄県

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