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元気印中小企業


プレス加工で新興国メーカーと“ガチンコ”勝負 [平安製作所]

元気のひみつ
  • 国内製造で新興国にコストで打ち勝つ
  • 自社開発品を取引先に逆提案
  • 生産拠点を構えずに海外進出

 金属プレス加工を用いた自動車エンジン部品やトランスミッション部品を主力とする平安製作所。自動車メーカーが海外現地調達を加速させる中でも、国内でのモノづくりに徹底的にこだわる。アジア諸国では安い人件費を基盤に、日本より30%程度低コストで部品を生産できると言われる。「ならばうちも国内で、コストを3割抑えれば良い」。荒木邦彦会長の経営方針は実にシンプルだ。

ハンディキャップ戦

 国内製造で新興国にコストで打ち勝つ-。圧倒的に不利なハンディキャップ戦に対し、同社はどのような戦略を描いたのか。平安製作所は1990年ごろから、製品の性能や機能を変えることなく、製造方法の革新でコストダウンを図る活動を展開。時には顧客から渡された部品に自社で手を加え、高機能化とコストダウンを両立させる。荒木会長は「新工法の開発とVA(価値分析)提案が大きな武器だ」と胸を張る。
 例えば、エンジンの始動と動力伝達に使われるドライブプレート。従来はホブ盤で切削加工した歯車と、プレス成形したプレートを分けて製造していた。新工法では1枚の鋼板を一体成形し、低コストと軽量化を実現。金型設計製作からプレス成形、機械加工までの一貫生産を保持することで、人件費以外でのコストダウンにつなげた。荒木会長は「これで新興国よりも安くつくれる。不可能と思われた構想が確信に変わった」と力を込める。
 賃金の安価な新興国への進出や燃費性能の向上に貢献する軽量部品の採用など、自動車部品を取り巻く環境は大きく変化している。部品メーカーに求められるのは、低価格で軽量な製品。だが、顧客の図面通りに製造していて大幅なコスト削減は難しい。ここで威力を発揮したのがVA提案だ。
 平安製作所は図面を見た段階で製造方法を検討し、顧客に開発部品を提案する。つまりは「自社開発品を逆提案する形」(荒木会長)だ。卓越した製造技術に裏付けされた確かな品質とコスト力で、開発品は次々に採用。現在では総売上高の75%を自社開発品が占めるようになった。

生産拠点構えず

 2013年8月。荒木会長と高橋鉄次社長は、一つの賭けに出ようとしていた。新興国への本格参入だ。これまで30%のコストダウンを実現する新工法の開発など、国内製造を維持しながら、新興国に対抗するのが同社最大の強みだった。ただ「国内の自動車部品市場は縮小傾向にあり、今後の成長には海外展開が不可欠」(高橋社長)。同社は転換期を迎えた。
 とはいえ、新興国の賃金はうなぎ登りで上昇。高橋は「これまでのように低賃金のメリットは、コスト削減に効きにくくなっている」と分析する。さらに、タイなどでは進出した日本企業と現地企業とのコスト競争になり、自動化など最新鋭の設備を導入した現地企業が仕事を受注。日本企業の仕事がないといった現象も起きているという。海外に出るにはリスクが大きく、出なければ成長は難しい。同社は大きなジレンマを抱えることとなった。
 ここであきらめないのが同社の強さ。生産拠点を構えずに海外進出する秘策を導き出した。それはインドネシアの自動車部品メーカーであるパミンドと技術供与提携し、パミンドを拠点に東南アジアに進出する日系自動車メーカーに部品を供給すること。まず駆動系部品のドライブプレート生産技術の提供を始めた。
 技術供与が進んだ段階で、パミンドへの出資も検討。資本関係構築で両社の結びつきを強めて「技術流出リスクを低減する」(荒木会長)狙い。平安製作所の動きは素早い。すでにインドネシアに進出する日系自動車メーカー2社に対し、パミンドを通じ部品供給する了承も得た。
 現在は月に1回のペースで現地に赴く荒木会長と高橋社長。「現場の改善を指導しながら、現地社員の力を引き出す」と荒木会長の鼻息は荒い。新たなステージへと歩を進めた平安製作所。荒木会長は「パミンドの社長と約束した5年間はとにかくやる。なんとしてでもやる」と自らに誓った。

駆動系部品のドライブプレート。インドネシアで仕上げ工程を行う

駆動系部品のドライブプレート。インドネシアで仕上げ工程を行う。


Onepoint

改善ノウハウを伝授

 2013年8月から毎月パミンドに足を運ぶ荒木邦彦会長。技術供与の前段階として取り組んできたのが生産性改善だ。日本流モノづくりのノウハウを惜しげもなく伝授している。荒木会長は「生産性はだいぶ改善してきた。彼らは真面目で吸収も早い」と満足げな様子で語る。ドライブプレートは仕上げ工程の試作を開始。現地に進出する日系自動車メーカーへの納品も本格的に決まりそうだ。生産拠点を構えずに新興国で勝負するという、斬新な戦略は果たして功を奏すのか。今後に注目したい。

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企業データ

高橋鉄次社長

高橋鉄次社長

会社名 (株)平安製作所
代表者 高橋鉄次社長
業種 自動車部品メーカー
所在地 滋賀県高島市マキノ町中庄464
電話 0740-27-1271

掲載日:2014年3月11日

滋賀県

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