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元気印中小企業


超小型人工衛星を開発 [原田精機]

元気のひみつ
  • 曲面を切削加工できる5軸加工に早くから投資
  • 人工衛星用の部品を製造
  • 超小型人工衛星用筐体と宇宙用小型望遠鏡・撮像システムを開発

人工衛星の太陽光パネル展開機構用部品を製造

「宇宙からの視点で地球を見渡せば、世界中のいろいろな国、企業、人が困っていることがある。当社のような中小企業も含めた日本の会社はそうした困りごとを解決するような仕事に関われば存在価値を高められ、元気になれるのではないか」。
 社員数約30人の中小企業、原田精機社長の原田浩利氏が語る将来ビジョンはとてつもなく壮大だ。しかし、原田社長はただのビックマウスではない。国内の名だたる企業が並ぶ日本航空宇宙工業会正会員約90社に名を連ね、実際に宇宙航空研究開発機構(JAXA)などと協力して人工衛星の部品加工など宇宙に関わる仕事をしているからだ。
 大型人工衛星が宇宙空間で展開する翼のように大きな太陽光発電パネル。その折り畳み、展開方式には、三浦公亮東京大学名誉教授が開発した効率的な方式「ミウラ折り」が採用されていることでも有名だ。実は原田精機が切削加工した金属部品が、同パネルの展開機構のコア部品として使われている。ほかにも惑星探査用車両や超小型人工衛星、宇宙用小型望遠鏡などの開発、事業化にも挑戦している。

部品加工の専用機が原点

 原田精機の母体は原田社長の父である原田隆司氏が創業した原田精機工業。浩利氏は原田精機工業の専務も兼務する。同社は自動車部品専用の加工機械メーカーとして事業を開始した。加工機械を手がけるうちに、部品の試作も請け負うようになり、「0次試作」と呼ばれる開発初期段階の試作にも関わった。
 その後、高度な切削加工の技術を生かして航空・宇宙・防衛分野の仕事も手がけるようになり、同分野の仕事に特化した会社として2007年に原田精機を設立した。
 現在、原田精機と原田精機工業を合わせたグループ全体の年間売上高は6億円前後。このうち宇宙関連の売上高比率は約35%を占めている。
 同社の強さの要因の一つに、自動車メーカーから要求される高度な試作に対応するため、曲面を切削加工できる5軸加工に早くから投資してきたことがある。高価な5軸加工機と3次元CAD/CAMシステム「CATIA(キャティア)」を、業界他社に先駆けて1990年ごろに導入した。自動車関連で培った高度な加工技術を活かし、2000年代前半ごろから、宇宙関連の仕事を受注し始めた。
 ただし、高価な加工設備とソフトウエアを導入すれば宇宙・航空分野の安定した受注を得られるかと言えば、そんなことは全くない。「産業が違うと文化が違う。部品の品質や耐久性など、取引する相手が何を重視しているのかを理解することから始める必要があった」と原田浩利社長は受注までの苦労した経験を語る。
 同社はそれまで自動車部品の経験しかなかった。宇宙関連の仕事は当然初めて。5軸加工機を使って取引先から送られてくる図面の通りに加工したつもりでも、最初のころは不合格になることも多かった。「図面には現れない相手の要求項目を理解しなければ話にならない」と原田社長はJAXAや取引先の人工衛星メーカーへ足しげく通い、とにかく宇宙分野に関わる人とのコミュニケーションを増やす努力をした。そうする内に「(人工衛星部品の切削加工において)何が要なのかが分かるようになった」(原田社長)。

宇宙用の小型望遠鏡・撮像システムを開発

 13年9月14日。新型ロケット「イプシロン」初号機が鹿児島県肝付(きもつき)町のJAXA内之浦宇宙空間観測所で打ち上げられた。イプシロンは全長約24メートル。低コストと効率性が特徴の世界が開発を競う小型ロケットだ。
 こうした小型ロケットを使えば、将来、低コストで人工衛星を打ち上げることが可能になり、人工衛星の需要が高まることが予想される。同社は一辺が50センチメートルの正立方体状の超小型人工衛星筐体を開発。同筐体内に収まる宇宙用の小型望遠鏡・撮像システムも開発した。地球上を昼夜問わず撮像できる低コストなシステムとして、幅広い業種の企業・団体へ今後拡販する方針だ。同システムを開発するに当たり、これまで同社では経験がなかった光学系の技術にも地元である浜松市の企業の協力を得て取り組んだ。
 原田社長は「日本が世界に誇れるのは高い技術・開発力。技術立国日本の復活に向けてやることは山ほどある」と意気込む。

超小型人工衛星筐体と搭載用の望遠鏡システム

超小型人工衛星筐体と搭載用の望遠鏡システム


Onepoint

国際規格を活用

 同社とグループ会社の原田精機工業は2000年に品質マネジメントの国際規格「ISO9001」と環境マネジメントの「ISO14001」の認証を同時取得。宇宙用の品質システム規格「EN9100」も取得済みで、04年には情報セキュリティ管理システムの英国規格「BS77992」の認証も取得した。国際規格を取得するだけでなく、製品の品質・信頼性を維持向上するために規格要求事項の本質を理解し、企業活動に落とし込んでいることも同社の強みだろう。

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企業データ

原田浩利社長

原田浩利社長

会社名 原田精機(株)
代表者 原田浩利社長
業種 輸送用機器製造、航空・宇宙機器製造
所在地 静岡県浜松市北区東三方町245-1
電話 053-436-7341

掲載日:2014年2月21日

静岡県

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