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元気印中小企業


石英で精密部品、新しい価値を生み出す [湖北工業]

元気のひみつ
  • 車向け拡大でリード線端子の世界トップシェアを維持
  • 石英ガラスを微細加工できる技術力
  • 先端医療分野で確かな手ごたえ

 2013年10月、湖北工業の石井太社長はアジア最大のエレクトロニクス関連見本市「CEATEC」の会場にいた。にぎやかなスマートフォンやその関連のブースからは、市場の拡大は容易に想像できる。多くのエレクトロニクス企業がスマホ市場の成長に期待をかけている。だが、石井社長は期待とともに危機感を募らせた。同社の場合、自社事業の成長に直結する一方で、逆風ともなりかねないからだ。

リード線端子のガリバー

 同社の主力製品はアルミ電解コンデンサー用リード線端子。現在の本社がある滋賀県長浜市に大手ユーザーの工場があったこともあり、リード線端子の発明者で石井社長の叔父にあたる石井勘蔵氏が1959年に創業した。今では本社工場(滋賀県長浜市)、マレーシア、中国の東莞と蘇州に生産拠点を持ち、リード線端子の月産規模は月40億本。国内シェア60%、世界シェア40%の圧倒的な強さを誇るガリバー企業。製造設備も自ら設計するなど技術力が強みだ。2008年のリーマン・ショック前頃には月産能力の60億本に近い高水準の生産を続けてきたが、小型コンデンサー需要が減り、今の規模に落ち着いている。
 石井社長が気にかけるのは、小型コンデンサー需要の実態だ。「コンデンサーは携帯電話はもとより、デジタルカメラ、携帯型音楽プレーヤーなど広くさまざまな機器に使われている。ただ、スマホはデジカメや音楽プレーヤー機能を備えるため、スマホの普及によって、従来は別々にあった需要そのものが無くなってきた」。一方で、電気自動車やハイブリッド車など自動車関連、太陽光発電や風力発電、インバーター向けなど環境・新エネルギー関連、通信関連信といったこれからの期待が大きい需要は順調に動き始めている。中でも自動車向け事業は従来のナビゲーションシステム中心から電子制御ユニットなど駆動系などでのエレクトロニクス化が進み、急速に成長している。「受注構成をみれば3年前の1割から、今では3割程度まで増えている」。創業当時は電化製品の普及に伴う必需部品という多様な需要が見込める将来性にビジネスチャンスを見いだした。今も多様なニーズをチャンスととらえ、リーディングカンパニーの座を堅固にする。

石英ガラスを扱いこなす

 アルミ電解コンデンサー用リード線端子に次いで、主力事業に育成しようというのが石英ガラスによる光通信部品だ。1990年代終わり頃から開発に着手し、2003年に光ファイバーコネクターに用いられる光フェルールを開発している。大手半導体メーカーと半導体製造工程に使われるキャピラリの共同開発プロジェクトで知見を得、2002年に開発した「精密スラリーキャスト法」を用いて、石英ガラスの精密成型を可能にした。これは添加剤の工夫でなど自ら水分をとばす性質を持たせて自己硬化性のあるスラリーを開発することで実現した。さらに2007年には、東北大学の中沢正隆教授の協力を得て、石英の純度が9N(99.9999999%)と実用レベルの高純度のフォトニック結晶ファイバーの低損失化に成功している。多数のエアホールが配列する光ファイバーで、高速・大容量伝送に向け通信事業者などから問い合わせの声が絶えない。
 「真の狙いは石英という材料を扱いこなせるようになること」と石井社長は明かす。微細加工が難しい石英ガラスで精密な部品部材が作れるという技術を確立したこと自体に意味があると断言する。「石英は材料としてポテンシャルが高い。無尽蔵の資源で、透明性、熱的安定性、化学的耐久性などが高く」、通信部品はもちろん、医療やエネルギーなどさまざまな用途が期待できる。「フロンティアとして新しい事業や価値の創出に挑む」考えだ。  2013年、りそな中小企業振興財団などによる「第25回中小企業優秀新製品賞」で「多目的用途に適応可能な石英マイクロチューブ・キャピラリ」が最高位の中小企業庁長官賞を受賞した。これは最小径0.1ミリメートルで最大90本のキャピラリ(毛管)が通せる。用途は血液や細胞などの成分分析に使う医療検査チップの部材や内視鏡のガイド用チューブなど先進医療分野が期待される。既に石英事業を着々と進めているわけだ。石井社長は「2017年1月期の売上高目標は100億円で、うち3割程度を石英事業にする計画」で確かな手応えをつかんでいる。

微細な空孔を規則的に配列させたフォトニック結晶ファイバー

微細な空孔を規則的に配列させたフォトニック結晶ファイバー


Onepoint

技術錬磨を受け継ぐ

 2000年に就任した石井社長は、これまでの発展は「技術錬磨」だと言う。石英の微細加工実現にも数年の時間を要したが、「成功の自信があった」と振り返る。創業時からのリード線端子の発明と高速生産できる生産設備の自社開発など、他社が真似できない技術的優位性を築いてきた。技術錬磨のDNAを受け継いだことが石英事業でも成功する要因となった。2012年に米国で開かれた光レーザー学会でフォトニック結晶ファイバーについて発表したが、当初の一般発表が招待講演へと格上げされ、世界から注目されるようになった。次の一手から目が離せない。

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企業データ

石井太社長

石井太社長

会社名 湖北工業(株)
代表者 石井太社長
業種 アルミ電解コンデンサー用リード線端子、光通信部品、石英ガラス小型精密部品の製造販売
所在地 滋賀県長浜市高月町高月1623
電話 0749-85-3211

掲載日:2013年12月17日

滋賀県

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