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元気印中小企業


航空宇宙産業支える100年企業 [寺内製作所]

元気のひみつ
  • 最終製品として顧客に納入できる一貫生産体制
  • 非破壊検査と熱処理で民間航空機の国際認証制度取得
  • 利益の3割を社員に還元する約束で高いモチベーション

 寺内製作所は航空機のエンジンに使われる特殊ボルトなどの精密部品メーカー。航空宇宙向けの高付加価値品を中核に事業を展開している。戦前から軍需関連で航空機向けねじを手がけてきた。2013年4月に創業100年を迎える老舗企業だ。安全運航が大前提の航空機向けの仕事では品質が絶対視されている。航空宇宙分野で必須の品質管理システム「JISQ9100」で規定された履歴管理には万全な体制で臨む。160人の社員規模で、品質管理などの間接部門が半数近くを占めるのも特徴だ。

一貫生産を強みに

 山本賀則社長は「我々は加工屋ではない。完成品を供給している」と強調する。熱処理、機械加工、鍛造、表面処理、非破壊検査といった全工程を内製。材料の調達から工程設計などを含め、モノづくりに関するすべてを自社でまかなえる。最終製品として顧客に納入できる一貫生産体制を備えているのが強みだ。
 成長産業と期待される航空宇宙分野だが、参入へのハードルは高い。厳格な品質管理システムの採用、規格に従った特殊材料調達に関するノウハウ、そして特殊工程管理の技術が不可欠となる。
 特殊工程では重要な非破壊検査と熱処理について、民間航空機の国際認証制度「Nadcap(ナドキャップ)」を取得している。ただ発注各社によってサプリメント(特記事項)があり、同認証を取得すれば、どこでも仕事ができるという訳でないのが実情だ。
 さらに採用されたら航空機が運航する限り、20年、30年と承認を得た製造方法で納入し続けなければならない。一つのロットは決して大量ではなく、材料はもちろん仕掛かりの在庫は肥大化してしまう。納入責任を果たし続けることのできる企業の継続性も問われる。
 それでも航空宇宙分野は付加価値の高い商品でビジネスができるとして魅力は十分。自動車や一般産業向けの量産品とは利益面で一線を画す。
 寺内製作所もかつては建設機械、重電設備、業務用空調機向けにネジやボルトなどを製造していた。90年代末、日系メーカーは製造拠点をアジアに移し、コスト競争が激しくなった。年数十%のコストダウン要請が常態化。同部品は自動機の投資に左右される“設備産業”化してしまった。そこで01年、航空宇宙向けなど高付加価値品への特化を決断した。

人中心の経営

 一般産業向けからの撤退で売上高は3割程度を失うことになる。だが社員のリストラは行わず、全員を航空機向けの仕事に従事させた。決断後、ちょうど米国で「9・11」同時多発テロが発生し、世界的に航空機需要の低迷が懸念されるなど新たな船出は順風満帆とはいかなかった。だが、程なく需要は回復し売り上げも撤退時を超えるまでに伸びていった。
 山本社長は、航空宇宙特化を決めた直後の02年に就任。技術者出身で国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」を構成する部品なども手がけた。73年に入社したが、その2年後に大手メーカーの傘下で寺内製作所は倒産する。以後、労働組合の幹部として自主再建を支えた。
 その社歴を背景に、社長就任に当たり掲げたのが「人(社員)中心」を核とする経営理念だ。顧客満足の重視、努力が報われる職場環境の実現、社会的責任を果たす。これらを明文化し、日々確認することで、全社で考え方を共有している。
 理念だけでなく経営数値なども提示する。自らの働きが報われる仕組みとして「利益の3割を社員に還元」(山本社長)と約束することで、モチベーションの向上にもつなげている。
 当面の目標は「航空機エンジン分野で世界に通じるグローバル企業になること」(山本社長)。海外の大手メーカーに採用されるにはコスト競争力の向上が課題。そのためモノづくり革新に着手した。小ロット品、手作りに近いモノづくり、極限の品質管理などの特殊性を背景に航空機部品は「近代化が遅れていた」(山本社長)という。
 原価の3割低減、リードタイムの半減といった高い目標を掲げる。自動車産業で普及する“全体最適のモノづくり”の思考をベースに長期スパンで取り組む考え。「世界に伍して戦える日本のモノづくり」(山本社長)を実証するための挑戦は始まったばかりだ。

航空・宇宙用ボルト

航空・宇宙用ボルト


Onepoint

次の100年は世界へ挑戦

 次代の牽引役として航空機産業が注目されている。部品サプライヤーに参入を目指す中小企業も数多い。しかし航空機部品は、常に品質や供給への責任が長期に要求されるビジネス。大局観と覚悟が必要だ。寺内製作所は事業継続の危機を乗り越え、創業100年を迎える。次の100年では世界を目指す。蓄積してきた技術力、既存ビジネスに甘んじることなく、生産の近代化に挑戦。中小企業がグローバル競争で戦えることを示すためにも、モノづくり革新の成果に期待したい。

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企業データ

山本賀則社長

山本賀則社長

会社名 (株)寺内製作所
代表者 山本賀則社長
業種 航空機、航空機用エンジン、ガスタービン向けのねじ部品、精密機械加工部品の製造
所在地 京都府京都市伏見区深草芳永町666
電話 075-641-5201

掲載日:2013年12月 3日

京都府

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