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元気印中小企業


精密ナット、自動車部品でモノづくりの街から世界へ [フセラシ]

元気のひみつ
  • 圧造・鍛造で高精度・量産の技術磨く
  • 自動車のグローバル化に対応し海外に3拠点
  • ユーザーに密着、コンスタントに新規案件獲得

 フセラシは精密ナット、自動車部品の生産を主力に国内4カ所、米国・中国・タイの3カ国に製造拠点を構える独立系メーカーだ。車メーカーに直接納入する「ティア1」として、国内各社と広く取引する。本社は町工場の集積地で知られる大阪府東大阪市にあり、同社も出発は町工場からだ。2008年秋のリーマンショック後の回復が進み、海外を含めた現在の生産・販売水準はリーマン前を2割近く上回る。嶋田守社長は「身の丈に応じた経営が基本。一歩前に行く進化を続けていく会社でありたい」と、手堅さと柔軟性を持って采配をふるう。

ナット量産設備で先駆ける

 同社は1933年創業し、50年後に売上高100億円、その20年後に200億円に、その次の5年で300億円(国内単独ベース)を達成した。熱間・温間・冷間といった各種圧造、鍛造による高精度・量産のモノづくりを得意とし、様々な形状・サイズの金属部品を作る。自動車部品が成長のけん引役で売上高の6割は自動車向け。コスト低減がつきものの自動車部品は、同じ受注品のままでは売り上げ・利益が年々目減りする。同社は売り上げの1割前後を常に新規品目で稼いで成長を確保。最近はクルマの燃費性能を支える部品が好調という。
 今年が創業80周年。その軌跡には、大きな節目が3つある。第1は、1959年にスイスのハテバー社からナットホーマーを導入し、大量生産方式に着手したこと。当時の国内ネジメーカーは切削が全盛。そこにいち早く同社は欧米流の新鋭の圧造設備を入れた。これで一日・数千個の生産量が数万単位へとスケールアップ。それを端緒に1970年代半ばには大径ナット用の熱間ホーマーを導入し、自動車部品へ手を広げる。1976年、布施螺子工業所から社名変更した。ナット専業から変身を打ち出した契機で、これが第2の節目となる。
 第3は1985年プラザ合意後の円高を受けたグローバル化。国内では1965年に群馬県、1973年に大分県、1988年に三重県に進出し、広い敷地の工場を構えた。海外工場は第1弾で1996年に米オハイオ州で稼働し、2004年に中国、2008年にタイと続く。

常に一歩前に進む

 東大阪市はネジが地場産業で、多数の中堅・中小の同業者がひしめいていた。そこで同社の事業が抜け出た理由とは―。嶋田社長は「地域の同業者と競合ではなく協力会社というスタンスでつきあったこと」を挙げる。フセラシは量産品が得意。同業者で数量が増えてさばきにくくなるとフセラシに、逆にフセラシは量が少ない受注品を協力会社にと、分業を組んだ。フセラシの売上高のうち2割弱は、フセラシのブランドと品質管理のもとで協力会社が生産したもので占めている。
 また問屋を通じて販売する他社と違い、創業の頃からユーザー直接納入、適正利益の販売を基本方針とした。こうしたスタンスで培ったユーザーとの関係が、同社の事業展開を特徴づけたと見られる。国内で自動車の量産時代が始まるころ、重要基礎部品のネジで工業規格を補完して用いるユーザー規格が作られた際に、それを裏方で大いに支えたのが同社という逸話がある。
 「常に他より一歩前に進む」。これは創業者の故・嶋田栄太郎氏が残した社是だ。社員に対し、「2歩も3歩も前に行く必要はない。ほんの少しでええんや」と注釈し意識付けしたという。

朝令暮改OKの身の丈経営

 一方で経営の意思決定は慎重。「受注の裏付けなしに設備投資はしない。判断を迷ったら止めて、もう一度考える。朝令暮改はOK。身の丈に応じて、無理をしない。ただし、やり抜く、絶対ものにしてやろうという覚悟は必要。当社の社是にはこれらの意味がある」(嶋田社長)。
 同社の全販売高の約3割を海外生産分が占めるようになり、国内拠点には不安な仕事の流れが続く。軸足を置く東大阪の本社・工場は2006~07年の建て替えで、生産品目を小物のマイクロネジなどに絞り、モノづくりの規模感が小さくなっている。周囲の宅地化が進んだことに対応し、騒音が出る多くの品目を群馬や三重に移したからだ。「メードイン東大阪ではなくなってきたが、メードフロム東大阪として、東大阪は重要。日本は新しい部品を率先して生み出していくようにする。マザーがグランドマザーにならぬよう、国内拠点にも投資していく」と嶋田社長は表情を引き締める。

1台の自動車に様々な同社の部品が使われている

1台の自動車に様々な同社の部品が使われている


Onepoint

現場重視を貫くモノづくり

 嶋田守社長は創業者の孫で2007年就任。米国の工場立ち上げで渡米し、現地化に力を注いで14年間を過ごした。「米国は80人程度の従業員の4分の1は勤続10年以上。米国社会では珍しいほど定着率が高いんですよ」と笑顔をのぞかせる。国内でも同社は、工場を一番のショーケースと位置づけて、構内レイアウトの工夫、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)の徹底で定評がある。拡大を急がず、現場重視のスタンスで、今後どういった進化を遂げるか。日本の中堅企業のモデルケースと注目したい。

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企業データ

嶋田守社長

嶋田守社長

会社名 (株)フセラシ
代表者 嶋田守社長
業種 金属加工部品の製造・販売
所在地 大阪府東大阪市高井田11番74号
電話 06-6789-7121

掲載日:2013年12月 2日

大阪府

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