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元気印中小企業


技術力と長年の経験生かしモノづくりで再生[三和テスコ]

元気のひみつ
  • モノづくりに経営資源を特化
  • 経営破たん会社の意識改革に成功
  • 本業を生かした新規成長分野に進出

 「ユーザーのニーズにどれだけ応えられるか」。来山哲二社長は常に自問自答する。三和テスコは船舶用ディーゼルエンジンの台板、各種プラントの圧力容器、ボイラ、熱交換器、航空関連や原子力機器部品など大型構造物などを得意とする。同社を支えているのは熟練工による高度な技能だ。計図通りの作業では決して成し得ない知恵と経験が必要な難度の高い製品を作れる技術力が、同社を支えている。

壁を白く塗り蛍光灯は3倍に

 会社創業は1918年と古いが、高い技術を持ちながら菓子販売など事業多角化に失敗し01年に経営破綻した。民事再生法を申請して再建に取り組み、03年に環境機器を販売するポエック(広島県福山市)の来山社長(現三和テスコ社長)が引き継いだ。まず取り組んだのは暗い雰囲気の会社を明るくすることだ。「暗い中では新しい発想は生まれない」(来山社長)と、事務所や食堂の壁を全て白く塗り、蛍光灯を引き継ぎ時の3倍に増やした。
 多角化の失敗を教訓に、本業であるモノづくりへの経営資源の集中を決めた。長年蓄積された高度な溶接技術や加工技術に着目、それを最大限生かせるよう、生産性の向上に取り組んだ。まず、ポエックで設計し生産を外注していた電源不要の消火器「ナイアス」の製造を三和テスコに移した。この消火器は貯水水槽に窒素ガスを送り圧力で放水するものだ。ポエックの設計力と三和テスコの高い技術力により相乗効果が生まれ、低コストでより精度の高い製品を可能にした。年間の売上高は1億5000万円で、今でも毎年成長している。
 また、顧客別と部門別の目標達成一覧表を作成、社内に掲示し達成意欲を喚起した。生産工程の進捗状況も"見える化"し、社内の情報共有を進めた。また、従業員からのコスト削減策などの意見を積極的にとり入れ、良いアイデアは即実施できる体制を構築した。社内の空気が変わると自然に従業員も明るく前向きになり、技術にも磨きがかかる。こうした取り組みの結果、主力のディーゼルエンジン台板の受注が増加するとともに収益力も向上し、短期間で黒字化を達成した。

技術力で不況を乗り切る

 同社の主力製品であるディーゼルエンジン台板は、船のエンジンを支える重要な部分だ。エンジンの高馬力化によって台板の重要性は増しており、大型構造物を溶接する高度な技術が求められている。
 同社は台板製造に必要な、100ミリ前後の厚板に40-50回の溶接をする多層盛りといわれる作業を得意としている。多層盛りでは、たった一つの欠陥で商品は不良になってしまう。長年に渡って蓄積された高度な溶接技術によって、受注を増やしてきた。高度な技術力に加え、重量物運搬に適した港に隣接していることから、国内シェアはトップクラスだ。08年の世界同時不況時も、高い技術力で乗り越えてきた。
 受注増に対応するため、07-08年の2年間に総額2億5000万円の設備投資を行った。第2工場を非鉄用専用工場として改修し、ショットブラスト・塗装ヤードを併設した熱処理工場を本社隣接地に増設した。最新の生産設備を導入してコスト競争力を高め、新規受注案件の獲得競争で攻勢をかける。「顧客が求めるより高い精度を実現するためには、技術力の向上と必要な設備投資はしていかなければならない」(来山社長)と攻めに打って出た。

航空機、熱交換器に相次ぎ参入

 来山社長は「造船関係は景気の山、谷が必ずある。業績が上向いてきたときこそ、新規事業の柱を育てなければならない」と、プラント関係の受注で培った技術・ノウハウを生かせる航空機産業に進出した。06年度から航空機の胴体を分割して輸送する際に内部から支える治具「シッピングフィクスチャ」の製作に着手した。胴体は気温の変化で伸び縮みすることがあり、船舶での輸送時に損傷させないように、シッピングフィクスチャはアルミニウム製でしかも細部に気を配った製作が求められる。アルミの溶接は難しいが、長年の経験と高度な技術によって実現した。
 新規部門はもう一つある。今、最も注力しているのが「プレート&シェル熱交換器」だ。フィンランドのバーテラス社と、日本国内での製造販売の独占契約を結んだ。コンパクトなプレート式と高効率多管式の良さを兼ね持つバーテラスの製品は、エネルギーや化学、冷凍設備など幅広い分野で使われ90年の発売以来、世界で4万台以上の実績がある。従来、高温・高圧の条件下では、多くの伝熱管を並べた多管式しか使えなかったが、それを可能にしたからだ。
 「現在は年間売上高は1億円だが、ゆくゆくは5億円まで引き上げ柱の一つに育てる」(同社長)と意欲を燃やしている。

プレート&シェル熱交換器

プレート&シェル熱交換器


Onepoint

新分野の受注拡大が必要

 独自技術と将来を見据えた設備投資で、幾多の困難を乗り越えてきた。経営破綻当時、ポエックはファブレスメーカーだったが、「コスト削減や品質向上には製造部門が必要」と来山社長が決断したのだ。社内の士気は低下していたが、粘り強く人身把握を務め、必要な施策をスピード感もって実行してきた来山社長の前向きな姿勢こそが、三和テスコの強さにつながっている。今後の新規部門の動向にも注目していきたい。

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企業データ

来山哲二社長

来山哲二社長

会社名 (株)三和テスコ
代表者 来山哲二社長
業種 船舶用ディーゼルエンジン台板、ボイラ、プラント機器、航空関連機器、熱交換器の製造販売
所在地 香川県高松市朝日町4-11-67
電話 087-821-4431

掲載日:2013年9月13日

香川県

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