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元気印中小企業


ボールと軸受で世界企業に[ミカサ]

元気のひみつ
  • 世界に認められたミカサブランド
  • 品質と技術力に自信
  • グローバルな展開

 テレビのバレーボール試合中継で、目に飛び込んでくるあざやかな黄色とロイヤルブルー2色のバレーボール。ミカサが開発した「MIKASA MVA200」で、先のロンドンオリンピックでの唯一のバレーボール公認球。世界に認められた「MIKASA」ブランドを代表するボールだ。ロンドンオリンピックではバレーボール、ビーチバレーボール、水球の3種目で公認球になった。「MIKASA」ブランドの知名度を背景に、品質と技術力をもって世界市場への展開に取り組んでいる水中軸受などの工業用品。水中軸受は、水を潤滑剤として使用する環境に優しい軸受で、環境規制が厳しくなるこれからの時流にマッチする製品。開発した技術を先頭にたてて、限りなく大きな市場の世界に飛び出している。生産拠点を国内から海外に移したボールと、市場を世界に求める工業用品の2本柱で「世界」企業に成長、さらに着実な発展をにらんでいる。

世界最高品質を維持し続ける

 ボールの開発は1932年に遡る。縫い目無しの一体成形型の運動用ボールの開発を始め、4年後に特許を出願。第2次世界大戦中にゴム運動具の製造はできなかったが、1946年に大型運動用ボールの生産を再開した。ドッジボールは学校教育に活用され、ミカサの名称が全国に広まった。バレーボール、サッカーボール、バスケットボール、ハンドボールなど各種ボールを生産している。生産拠点はタイと現在建設中のカンボジアで、日本では研究開発を進める。
 バレーボールは1964年の東京オリンピックの公式試合球に使用されたのを機に、国際バレーボール連盟主催の国際試合に使用されるようになった。とくに東京以降の13オリンピックのうち11大会で公認球になり、次回のリオデジャネイロでの使用も決まっている。約半世紀にわたって世界最高水準を維持してきたことになる。佐伯社長は「ゴム分が多く、いい皮を」とミカサの基本姿勢は材料のいい物を使うことを強調する。
 トップアスリートの技は「微妙な品質を見極める」と佐伯社長。少しの違いにも「おかしい」と指摘される。全く同じボールは作れないが「同じ物に作る、という作り手の強い意志」が、トップアスリートの満足につながると考えている。機械化も進めるが、どうしても手作業の部分が残る。手作業はなかなか会得できず、熟練した技の伝承はむずかしい。タイでの生産でも手作業の部分の伝承が大きな課題、と指摘する。タイではいろいろな管理手法を取り入れて作業の規格化に取り組んでいる。ボールを目にした人から「これは芸術品だ」といわれたことが佐伯社長の耳にこびりついている。

世界市場を相手に

 1970年ごろ、ボールの受注が季節によって偏りが生じた。その対策として、水潤滑方式のゴム軸受の開発を進めた。当時は油潤滑方式の技術が確立しており、残念ながら世界中の大型船は油潤滑を採用した。水潤滑のゴム軸受は1、2万トン以下の小型船に限られていた。大型船にも使える大きな軸受の開発に取り組み、自己潤滑性を持つ四フッ化エチレン樹脂(テフロン)をゴムに取り付ける独自技術を開発。高性能で摩擦特性のよい「FFベアリング」を開発した。船の推進系と火力・原子力発電所の冷却用ポンプなどに使用されいる。
 省エネに寄与するFFベアリングの売り込みに力を注いでいる。国内主要発電所などに一巡したこともあり「この2、3年は海外営業に力を入れている」。学会発表、プレゼンテーションなどの効果で、いきなりメールが飛び込んでくるなど佐伯社長は「少しづつ芽がでてきた」と手応えを実感するとともに、世界は広いとの認識も深めている。
 また海への油漏れに対して、米国では推進系の潤滑剤やアンカーチェーンなど海面下部分での鉱物油使用を禁止を決めるなど、環境面から水潤滑が大きくクローズアップされてきた。この動きが全世界に拡大すると、海外には限りない市場があり、顧客開拓の可能性が広がる。佐伯社長は、軸受を含む工業用品のこれからに「大きな夢を持っている」と今後の展開を楽しみにしている。品質や技術力の向上とともに、佐伯社長は軸受の仕上げを「ここまできれいにするのか、というほどきれい」に仕上げる社員の製品に対する思い、も自慢する。

ロンドン五輪公認球(左から水球、バレー、ビーチバレー)

ロンドン五輪公認球
(左から水球、バレー、ビーチバレー)


Onepoint

海外がキーポイント

 ゴムを材料にしたボールと軸受などの工業用品と、分野の異なる製品で2本柱を構成している。世界に通用するブランド力を持っているボールは、海外に生産拠点を移した。佐伯社長が「手作業部分が課題」を見ているように、国内生産品と同等の品質を維持できるかが課題だ。環境面からも追い風を受ける工業用品は、成長が期待できるが海外営業の人材確保、育成が大きなカギを握っている。一朝一夕に身につくものではない。一歩一歩着実に歩を進めることにかかっている。

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企業データ

佐伯武俊社長

佐伯武俊社長

会社名 (株)ミカサ
代表者 佐伯武俊社長
業種 ゴム製品
所在地 広島県広島市安佐北区安佐町久地1
電話 082-810-3910

掲載日:2013年9月 4日

広島県

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