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元気印中小企業


ブラスト処理の鏡面加工で全国区企業に [ヤマシタワークス]

元気のひみつ
  • 独自技術で研磨の手作業を機械化
  • 技術を組み合わせた金型が主力事業に成長
  • 関連分野で多角化する夢が持てる会社

 投射材を吹きつけ表面を研削するブラスト処理で鏡面加工。ヤマシタワークスは一見困難な技術を独自のアイデアで実用化し、2001年に自動鏡面加工装置「エアロラップ」として発売した。以来、大手自動車メーカーなどから注文が相次ぎ、累計販売は国内800台、海外400台に到達。一躍全国区の企業となった。

逆転の発想で“常識”に挑む

 同社は86年にバフ研磨加工で創業。自動車向けプレス金型や医薬錠剤向け金型へと業容を広げる現在も、製品の仕上げ研磨に欠かせない中核技術として受け継ぎ続けている。ただ、「作業に危険が伴い粉じんが発生する厳しい労働環境から、創業当初は若手の育成に苦労が絶えなかった」(山下健治社長)という。
 エアロラップの開発はこのバフ研磨の機械化を試みたのがきっかけ。しかし、熟練の技が求められる手作業を機械化するのは容易でなく、自然と開発は行き詰まった。そんな中、山下社長の頭に浮かんだのが包丁研ぎに使う粘土質の砥石(といし)。粘弾性がある素材を投射材に採用すればブラスト処理で鏡面加工できるかもしれないと考えた。
 ブラスト処理でも微粒子を使うことである程度磨き効果が得られることは分かっていたが、どうしてもディンプル(くぼみ)ができてしまう。そのため、当時はブラスト処理でバフ研磨を代替することはできないというのが常識だった。 同社はこの常識にあえて挑み、独自の投射材の開発を始めた。最初はゴムや樹脂にダイヤモンドを練り込んでみたがうまくいかない。次に注目したのが食品素材。創業前に森永製菓で働いていた山下社長ならではの発想で、最終的にたどりついたのが適量の油分と水分を含ませられるゼラチンだった。
 こうしてゼラチンに酸化防止剤とダイヤモンドパウダーを練り込んだ投射材が完成。同時に装置のエアロラップを開発し、ブラスト処理による鏡面加工を実現した。その後、同社は06年に「元気なモノ作り中小企業300社」に選ばれ、07年に「ものづくり日本大賞優秀賞」、08年に「発明大賞本賞」を受賞するなど技術が高く評価されている。

夢や目標が持てる会社へ

 一方で自らもエアロラップを活用し、旋盤加工やバフ研磨、物理気相成長(PVD)法などの表面処理技術を組み合わせ、金型事業の育成にも取り組んできた。その結果、金型事業は同社の約8割を占める主力事業に育ち、13年3月期は過去最高の売上高9億4000万円を記録した。
 こうした好業績を裏で支えているのが、山下社長が自信を持つ「社員の仕事に対するモチベーションの高さ」だ。同社は生産性の向上や利益の最大化には社員のやる気を引き出すことが一番の近道と考え、これまであらゆる方策を講じてきた。
 例えば同社には社長室や社長机がない。社長は共有スペースで仕事をするため、自然と社員との会話が増え風通しの良さにつながっている。さらに山下社長は「飲みニケーション」を重視しており、折りに触れ社員を食事に誘い、社内の一角に設けたバースペースも活用して積極的に意思疎通を図っている。
 近年、既存事業の関連分野で業務を多角化していることも社員を鼓舞する方策の一つ。最近では12年9月に超硬金型製造に参入し、13年1月には製薬業界向けの設備メンテナンス事業に乗り出した。これには成長段階によって社員が新たな仕事に挑戦できる環境を整え、マンネリ化を防ぐ狙いがある。山下社長は日頃、「社長の仕事は社員が夢や目標を持てる会社・職場を作ること」と話しており、これを実践している形だ。
 今後について山下社長は「売上高は今が限界かなと思う」と現状を冷静に分析する。売上高の5割を占める車用金型は車メーカーの海外生産拡大で減る可能性が高い。その分、薬品用金型や製薬メンテを伸ばし、売上高比率を2割から4割に引き上げる計画という。
 また新たな成長の柱として10年に開発した立体形の医薬品包装(PTP)シートにも期待をかけている。現状のPTPシートは高齢者が錠剤ごと誤飲する事故が後を絶たず問題になっている。立体形は平面シートを三角柱に成形したもので誤飲の恐れがなく、片手で錠剤を取り出せるのが特徴。山下社長は「必要としている人に使ってもらえるようにしたい」と幅広い製薬会社に採用を働きかけており、年内の実用化を目指している。

立体形PTPシート

立体形PTPシート


Onepoint

タイの人材確保が課題

 国内では車用金型の受注減を見込むが、タイの現地子会社アジアヤマシタワークスは自動車メーカーが現地調達を増やしているのに合わせ受注拡大が期待できる。ただ、11年のタイ洪水で被害を免れた同社は現地でも重宝され、現在もフル稼働状態が続く。山下社長は現地の人員を「現状の30人から100人規模まで増やしたい」と話すが、タイはここ数年失業率が1%を切っている状況。いかに人材を確保するかが当面の課題となる。

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企業データ

山下健治社長

山下健治社長

会社名 (株)ヤマシタワークス
代表者 山下健治社長
業種 金型製造
所在地 兵庫県尼崎市西長洲町2-6-18
電話 06-4868-8477

掲載日:2013年7月19日

兵庫県製造業

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