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元気印中小企業


地元産二条大麦の消費拡大にまい進 [大麦工房ロア]

元気のひみつ
  • 社内・地域・顧客に経営理念を徹底
  • 地元の企業や大学との連携
  • 菓子を中心とした積極的な新商品開発

 栃木県はビールの原料となる二条大麦の生産量で日本一を誇る。大麦工房ロアがある足利市も二条大麦の産地だ。
 同社は足利産の二条大麦を使った菓子や健康食品、化粧品などを生産、販売している。同社の看板商品はメレンゲ生地の焼き菓子「大麦ダクワーズ」だ。累計販売個数は1億5000万以上にのぼる。大麦ダクワーズの専用工場が完成した2008年4月期には4億円だった売上高は、12年4月期には22億円に伸びた。成長の理由について浅沼誠司社長は「経営理念が徹底されている。売り上げはその結果にすぎない」と冷静に語る。
 10年に東京商工会議所主催の「勇気ある経営大賞」特別賞、13年に「とちぎ産業活力大賞」を受けるなど、経営手法や方針への評価は高まっている。

500キログラムから250トンに

 大麦工房ロアの前身は浅沼社長の母が経営していた菓子店のエイ・エム・シー・ロアと、浅沼社長が創業した大麦工房だ。95年にエイ・エム・シー・ロアへ入社した浅沼社長は地元、足利市の二条大麦に着目し、日持ちして土産などに使いやすい菓子の製造に着手。既製品の麦こがしを用いてさまざまな菓子を試作。特に大麦の香ばしさを生かせると感じたのがダクワーズだった。
 ただ97年の大麦ダクワーズ開発からしばらくは原料調達に苦労した。「足利産の麦こがしを使いたい」と考えたものの、市場には出回っていない。付き合いがあった市内の農家から二条大麦を調達し、精麦してくれる業者を探したものの、小ロットの加工には対応してもらえなかった。結局、農家の精米機を借りて自ら見よう見まねで精麦。焙煎(ばいせん)し、粉にしてくれる業者を見つけ出し、97年11月に大麦ダクワーズの発売にこぎつけた。
 04年に大麦の通信販売を目的に大麦工房を設立。09年にエイ・エム・シー・ロアと合併し、大麦工房ロアを設立した。
 98年に500キログラムだった同社の大麦使用量は12年には500倍の250トンに増え、消費拡大に寄与している。現在は全国に約60万人の顧客を持つ。

地域の企業や大学などと連携

 同社の経営理念は「大麦を中心とした持続可能な社会の実現」だ。大麦の消費拡大は健康、環境、経済の3点に寄与するとしている。米国では06年に食品医薬品局(FDA)が大麦食品について、血中コレステロールの低下や、心臓病、糖尿病の予防といった効果について健康強調表示認可をするなど、効用に対する評価が高まっている。また大麦は温暖地や寒冷地など幅広い地域での栽培が可能なため、二酸化炭素(CO2)削減や食糧危機の解決などにも役立つとしている。非可食部の茎などはバイオエタノールの原料として使える可能性もあるという。
 社内では毎月の給与明細に同封している浅沼社長からの手紙やミーティングなどを活用し、経営理念の浸透を図っている。現在約8割を占める通信販売の顧客に対しても、大麦の効用や消費の意義についてカタログなどに記載。大麦の可能性についてまとめた絵本「大麦は地球を救う」や食育教材を県内などで頒布するなどし、大麦に対する理解を広めるため奔走する。
 同社が中心となって12年11月、「栃木の大麦食品を広める会」を設立。県内の農業、行政、食品メーカーなど50以上の企業や団体が参加しており、浅沼社長は副会長を務める。今後、栃木県産二条大麦の利用拡大を目指し、新製品開発やメニューの提案、製品技術などを探っていく方針だ。
 宇都宮大学との産学連携では、大麦のぬかを用いた飼料で育てたにわとりの卵を用いたカステラやプリンを開発。たまごの殻は契約農場の大麦畑の飼料にする仕組みも構築した。
 同社の工場には海外からの視察も増えている。「現在の小麦消費量の2割を大麦に置き換えたい。需要は増えており、理念を急ピッチで徹底させていく。今後2-3年のうちに米国進出を実現する予定だ」と浅沼社長は展望を描く。


大麦を使った製品を次々に開発

大麦を使った製品を次々に開発


Onepoint

強い信念持ち大麦の可能性探る

 大麦に含まれる食物繊維は精白米の20倍、玄米の6倍に上るという。また大麦に含まれる水溶性食物繊維β-グルカンは高脂血症や糖尿病の予防効果があるという。こうした大麦の効用や消費拡大の意義を広く伝えるため、浅沼社長は日々知恵を絞っている。同社が開発した大麦商品は菓子にとどまらず、雑炊や健康食品、せっけんなど多岐にわたる。「大麦は世界を救う」との強い信念を持ち、事業を拡大する浅沼社長と同社の今後に期待したい。

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企業データ

浅沼誠司社長

浅沼誠司社長

会社名 (株)大麦工房ロア
代表者 浅沼誠司社長
業種 大麦洋菓子などの製造業
所在地 栃木県足利市大月町3-1
電話 0284-43-2306

掲載日:2013年4月 3日

東京都食品

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