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元気印中小企業


機能、デザインそしてネーミングにこだわるモノづくり [筑水キャニコム]

元気のひみつ
  • 顧客の言葉を詳細に収集、分析
  • デザイン、ネーミングにこだわる
  • 製品は常に「改良中」の認識

 筑水キャニコムは農林業向けの機械メーカー。運搬機と草刈り機が主力で、業界では芝刈り機の「芝耕作」や「草刈り機MASAO」「伝導よしみ」などユニークなネーミングで知られる。ただしネーミングは奇をてらうだけではなく、顧客志向のモノづくりの一環。それは海外でも認められ、製品は世界に広がっている。
 製品開発は顧客から集めた“ボヤキ”に基づいてスタートする。要望でも苦情でもなく、つぶやきに近い。「操作レバーがもっと短ければいいのに」や「草を刈りたいがある程度は残したい」などの本音を引き出すことが営業担当者にとって最大の仕事だ。農家で身の上話を3時間聞き、立ち去る間際のひと言が開発の重要なヒントになることもあるという。

集めた情報を分類・分析

 情報収集に駆使しているのがビデオカメラだ。顧客へのインタビューや試乗の様子を記録し、調べる。撮影した営業担当者が気付かなかった情報が含まれていることがあるからだ。近年は情報を単に集めるだけでなく、分類・分析することにも力を入れている。例えば農家から発せられた同じような発言でも、立場によって意味に違いがあるという。
 筑水キャニコムが情報収集と分析を重視している背景には、包行均会長の「真意はなかなか伝わらない」という確信があるからだ。包行会長はかつて、部材調達でメーカー側に要望を伝えたが伝わらず、担当者を工場に招くなどしてやっと伝わったという経験がある。その経験が顧客の声を聞くことに細心の注意を払うきっかけになった。
 また販売には口コミが大きな威力を発揮する。それは日常だけでなく各地で開かれる販売会でも同様だ。会には製品ユーザーを招く。そのユーザーカーが、時には自分の“愛車”を実演して使用感を語ってくれる。そのように協力する製品ファンがいることが強みだ。
 ファンを増やし、つなぎ留めているのが製品のブランド力。筑水キャニコムの製品は比較的高価だ。コスト競争とは一線を画し、あえて高価な部品を使うこともある。高価なことをステータスと感じるオーナーも存在する。「高級車を買ったときと同じように自慢したくなる」(包行会長)という。新車が発売されるたびに特定のメーカーや車種を乗り換える自動車ファンのようなオーナーも多い。耐久性が高いため中古車も流通しておりオーナーが何度も変わり、何十年も乗り継がれることは珍しくない。

デザインとネーミングを重視

 デザイン重視も同社の特徴だ。従来、農林用の作業車開発では機能や作業性は重視される一方でデザインは軽視される傾向があったという。しかし、ある農家の「デザインを考えていないのは農家を軽視している証拠」という訴えに応えるためにデザインを重視し始めた。
 デザインで大切にしているのがおどろきと喜び。例えば「F1まさおグランプリ」は一見するとゴーカートだが乗用草刈り機。草刈り作業であっても乗ることへの楽しさを感じられるようにした。  2011年には福岡市博多区のオフィスビルに製品デザインの拠点「デザインの森博多」を開所した。現在は設計担当者とは別に10人ほどがデザインを手がける。12年には「第42回機械工業デザイン賞」で、大手メーカーを押しのけて日本商工会議所会頭賞を受賞した。
 ネーミングでは、機能を印象的に表したり製品に込めた思いを表現したりしている。例えば草刈り機「男前刈清」は単に短く刈るだけでなく、きれいに残して刈る機能を持つ。四輪電動バイク「おでかけですカー」には気軽に使ってほしいという願いから、外出時に近所同士で声をかけあう場面を想定して名付けた。こうしたネーミングが業界内外で話題になることもある。
 製品は海外でも販売しており、売り先は12年末時点で40カ国。今後さらに増える見通しだ。海外での販売は代理店に任せている。だが海外販売に際して最初に行うのは代理店探しではなく製品デモンストレーションの場所探し。主に現地自治体の土地で雑草を刈るなどして能力をみせて信頼を得て、その後に代理店を探すと話が早いという。
 顧客の声や現地の自然条件を開発に生かすのは日本と同じだ。雑草の生育が早い東南アジアでは、草刈り機も日本より長い稼働時間を想定しなければならない。そのため日本向けよりもネジ1本から耐久性が高いものを採用するなどした海外専用製品を商品化している。


クローラー式草刈り機「男前刈清」

クローラー式草刈り機「男前刈清」


Onepoint

不可能と失敗はない

 包行会長は社内には「完全に不可能ということや失敗はない」という。現在は不可能であっても、この先必ず可能になると考えて開発に取り組んでいる。また発売したが販売が伸びなくても「失敗ではなく途上」ととらえる。同社の製品は常に改良中という認識だ。そのような社の方針が背景にあるからこそ若手でも多くのことを任せて育てる人材育成が成り立つのだろう。さらにトップの前向きさと明るさが手本となるだけでなく、社内を活気づけている。

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企業データ

包行均会長

包行均会長

会社名 (株)筑水キャニコム
代表者 包行均会長
業種 農林業向け機械の製造販売業
所在地 福岡県うきは市吉井町福益90-1
電話 0943-75-2195

掲載日:2013年4月 2日

福岡県製造業

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