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元気印中小企業


コスト削減と新事業開拓で、技術力を生かした高収益企業に変身 [ゼロ精工]

元気のひみつ
  • 取引先を絞り、技術に磨き
  • 従業員の意見を入れた原価低減
  • 航空機部品など成長分野に進出

 ゼロ精工は農業機械や建設機械に使う油圧精密部品が主力の切削加工メーカー。中でもフォークリフト向けのコントロールバルブで「世界シェア十数%」(佐藤雅弘社長)と国内トップの供給実績を誇る。マイクロメートル(マイクロは100万分の1)レベルの加工精度を武器に、2006年には航空機分野に進出。2012年3月期売上高は過去最高の8億5000万円、経常利益率は7%を記録した。

破たん会社を引き継ぎ、大胆に変革

 会社設立は2004年。高い技術を持ちながらバブル時代の過剰投資がたたり経営破たんした会社を、現経営陣が引き継いだのが始まりだ。同社がまず取り組んだのは取引先の削減だった。43社を12社に減らしたことで生産効率が高まり、不良率は以前の1%から0.05%まで下がった。
 同時に従業員の意見を積極的に取り入れ、無駄の削減や生産方法の見直しによる加工の自動化、工程集約化を進めた。こうして収益力を高め、短期間で黒字経営を定着させた。
 さらに黒字化で生じた資金余力を設備投資に回し、生産能力や加工範囲を拡大。以前は直径40ミリメートル以下の加工対象物に特化していたが、現在は直径180ミリメートル、長さ800ミリメートルの大きさまで手がけられるようになった。
 3年前には技術に磨きをかけるべく研削盤の導入に踏み切った。外注に頼っていた研削加工を内製化し、納期遅れなどの問題を改善。1マイクロメートルレベルの精度要求に自社で応えられるようになった。こうした品質や技術の向上が新たな仕事を呼び込み、2011年には多品種少量向けに2台目の研削盤も導入した。

目標は「ちょっと高いが圧倒的な品質」

 同社が手がける油圧バルブ部品は、重量物を長時間支えたり機械の正確動作を左右したりする部品で、極めて高い加工精度が求められる。そのため海外製に比べ、価格は高くとも圧倒的に品質が良い日本製が多数採用されている。
 それでも佐藤社長は「今はいいが、この状態がいつまでも続くとは限らない」と現状を冷静に分析する。背景には取引先が次々と海外生産に乗り出し、部品の現地調達を拡大していることがある。近い将来ライバルになるであろう新興国メーカーと互角以上に戦うため、今後は品質に加えて価格競争力を重視する方針を掲げる。
 目指すのは「ちょっと(価格が)高いが品質は圧倒的に良い」製品づくり。品質を維持・向上しながらいかにコストを削減するかがテーマとなる。そこで2012年5月末に全社を挙げた原価低減活動を開始した。当面は年度中の10%の原価低減を目標としている。
 成果は既に出てきている。提案件数を見ると、初期の4-5月は18件だった。これに対して6-11月に集まった提案は200件。月平均で見ると3倍以上だ。その中には、ある部品の加工で生産工程を見直し、原価80%減を達成した事例もあった。また数字には表れないものの、現場のレイアウト変更で作業の流れがスムーズになった提案もあるという。
 具体的な成果とは別に「社員が『改善の芽』を見つけようと普段から意識をして仕事をするようになったのもうれしい成果」と佐藤社長は話す。足元では油圧部品の受注が伸び悩むなど逆風にさらされているが、損益分岐点を下げたことで企業体力は確実に向上している。

航空機部品を第2の柱に

 一方、油圧部品に次ぐ柱として航空機部品事業の育成にも力を入れている。2006年に新規参入し、2008年には航空宇宙産業の品質管理規格「JISQ9100」を取得。順調に受注を拡大してきたものの、2012年3月期の売上高構成比は15%にとどまる。そこで同社は次の一手として、アセンブリー部品に参入した。
 佐藤社長は「これまで油圧部品の仕事が忙しくて航空機部品の受注を控えていたが、今後は全力で取りにいく」と意気込む。アセンブリー部品の品質検査のための専用のテストスタンドも導入した。2014年3月期に航空機部品の売上高を2億5000万円、構成比30%に引き上げる目標を掲げている。
 新規部門はもう一つある。同社はデザイン文房具のメーカーという顔も持ち、切削加工技術を生かしたユニークな製品を世に送り出している。とくに『溜息3秒』という名称のペンスタンドがヒットし、一時は文房具事業だけで月に2000万円を売り上げるまでになったという。現在は企業のノベルティ需要の減退で売り上げが伸び悩んでいるが、新たなヒット商品開発にも取り組んでいる。


同社が注目されるきっかけになったペンスタンド「溜息3秒」

同社が注目されるきっかけになった
ペンスタンド「溜息3秒」


Onepoint

安定成長には新分野の受注拡大が必要

 コスト削減と将来を見据えた設備投資による相乗効果で成長の波に乗るゼロ精工。事業多角化の手法も含め、中小製造業にとって良い見本と言えるだろう。目下の課題は売上高に占める油圧部品事業の比率が高いこと。安定成長のためには航空機部品とデザイン文房具の両事業の育成が欠かせない。とくに航空機産業は年率約5%で成長し、2020年には市場規模が倍増するとも試算される有望な分野。佐藤社長は「品質が重視される航空機部品は日本企業に向いている」と話し、受注拡大に自信をみせている。

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企業データ

佐藤雅弘社長

佐藤雅弘社長

会社名 ゼロ精工(株)
代表者 佐藤雅弘社長
業種 精密金属切削加工業
所在地 兵庫県尼崎市南初島町10-135
電話 06-4868-5000

掲載日:2013年4月 1日

兵庫県金属

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