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元気印中小企業


スマートフォンのメッキ処理で事業を伸ばす [清川メッキ工業]


 清川メッキ工業は高機能携帯電話(スマートフォン)の普及で、事業を伸ばしている。微細化し搭載点数も増えたスマートフォンの部品にメッキ加工する独自技術を強みに、大手電機メーカーから受注を拡大。これまでも市場の変化に合わせて迅速に技術をシフトし、新たな需要をつかんできた。「顧客の技術的な依頼は断らない」(創業者の清川忠会長)チャレンジ精神が、競争力の源泉になっている。国際規格「ISO」シリーズを積極的に導入し、経営のシステム化でも業界で先頭を走る。さらに携帯電話に次ぐ市場分野の開拓も視野に入れ始めた。

常に最先端の市場で勝負

 「スマートフォンの仕事が急速に増え、売上高の3分の1程度を占めるようになった」。清川メッキ工業の清川肇社長は受注環境の大きな様変わりを説明する。かつては薄型テレビやパソコン関連が売上高の中心を占めていたが、価格の大幅な下落で受注も急減。しかし、IT製品のめまぐるしい主役の交代を巧みにつかみ、需要を創出してきた。
 例えばそれを可能としたのは、スマートフォンの配線基板に抵抗器などの電子部品を接続する技術。携帯電話の小型・軽量化で電子部品も微細化し、ハンダごてによるハンダ付けが難しくなっていた。そこで同社は1ミリメートル未満の接続端子にあらかじめスズメッキを施し、ハンダごてを使わずメッキだけで接続できる新たな技術を開発した。こうして微細な部品でも基板に取り付けられるようになり、受注を獲得。「携帯電話の主役が折り畳み式からスマートフォンに移ると、部品が小型化し搭載点数も倍ぐらいに増えた」(清川社長)と、受注量が一気に増えた要因を明かす。
 自動車の電子部品分野でも同様に受注を伸ばし、売上高に占める比率は2000年のITバブル崩壊前の5%から約30%に上昇。リーマン後も成長している要因には、頼まれた技術には何でも試みる清川会長の信念がある。「セミコン・ジャパン」「インターネプコンジャパン」「ナノ・マイクロビジネス展」といった電機関連の主要な展示会には必ず出品。メッキ専業会社としては異例で、自社のサイトも加え多様なアンテナから技術ニーズを吸い上げる。「営業担当者は一人もいないが、問い合わせは年間1000件集まる」(清川社長)。

オンリーワン技術で顧客の信頼獲得

 これらの技術開発に一件一件取り組むが、実際に大型受注に結びつくのはわずか3件程度。しかし、このニーズや開発のプロセスが「財産」となり、技術の蓄積や技能向上に結びつくという。技術者は生産部門も含めれば、グループ社員数230人のうち60人を占める。開発には入社半年の新人も簡単なレベルから任せ、「失敗から学ばせる」。技術者の70%はメッキの国家技能検定合格者。会社が初回の受験費を補助する。社員も毎年10人コンスタントに採用し、平均年齢35歳という若々しく意欲的な技能集団を築いてきた。
 清川社長は「顧客も市販の設備や薬品を買えば、自社でメッキ加工できる」と指摘する。そこで同社は設備や薬品も自社開発し、どこにもまねできない技術開発に挑んでいる。「『難易度の高いメッキは清川メッキに』と任される会社になりたい」と、強調する。電子関連以外に建材、食品、バイオなどの顧客を抱え、被膜処理の多様な評価技術を蓄積しているのも強み。顧客には他業界を参照にした多角的な評価方法を提供できるため、信頼も高めている。

医療と自動車に新たな照準

 10年には環境管理・監査の国際規格「ISO14001」において、「ASRP」(先進的サーベイランス・更新審査手順)審査適用に合格した。97年のISO14001認証取得以降の実績が評価され、従来より少ない審査工数と環境経営の実質的な内容で審査を受けられる。世界初の適用として注目された。品質管理・保証の「ISO9001」、試験所の「ISO/IEC17025」の各国際規格認証も、いち早く取得。ISOをてこにした品質管理・環境保全・経営近代化に、メッキ業界で率先して取り組んでいる。  新たな需要開拓先として照準を定めるのは、医療分野と自動車の電気関連分野。2月には米国の医療関連展示会に出品したのに続き、4月には「メディックジャパン」にも出展する。清川社長は「未開拓の顧客を含めればマーケットはまだまだ広がる」と、メッキの明るい未来図を描く。


年間1000件の依頼を研究開発.

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Onepoint

メッキ業界の再生モデルに

 日本のメッキ業界は2009年に約1500社と、20年前に比べ半減した。モノづくりの縮小に伴う需要減少や人材難、環境保全に必要な設備資金の不足などが要因で、存続の危機に直面する中小企業のまさに縮図といえる。顧客のコストダウン要請も止まらず、企業数はさらに減少する見通しだ。こうした中で清川メッキは受け身の経営から脱し、常に最先端の市場へ技術を投入する経営で活路を開いた。メッキ業界が再生する事業モデルの一つとして、注目度が高まっている。

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企業データ

清川肇社長

清川肇社長

会社名 清川メッキ工業(株)
代表者 清川肇社長
業種 機能性メッキ、各種電気メッキ業
所在地 福井県福井市和田中1-414
電話 0776-23-2912

掲載日:2013年4月 1日

福井県金属

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